Ignaz Lachner イグナツ・ラハナーを聴く。(2)

それでは、前回の続きです。

Ignaz Lachner (1807-1895)
イグナツ・ラハナー
「Piano Trio No.2 in G Major, Op.45 for Piano, Violin & Viola
 ヴァイオリン、ヴィオラ、ピアノの編成によるピアノ三重奏曲 第二番 ト長調、作品45」
Stefan Muhmenthaler, Violin
Anna Barbara Dütschler, Viola
Marc Pantillon, Piano

第一楽章 アレグロ モデラート

第二楽章 アンダンテ

第三楽章 アレグレット

第四楽章 フィナーレ アレグレット

これも、数少ないヴァイオリン、ヴィオラ、ピアノの編成による作品です。
室内楽の評論家でたぶん最も有名なヴィルヘルム・アルトマンは、熟考した上で、
イグナツ・ラハナーのこの編成による6つのピアノ三重奏を、
絶対的に「無くてはならない」と評しました。

この作品45は、ト長調で、溌剌とし、
シューベルトのメロディが聴こえてきます。

第一楽章のアレグロ モデラートは、
ベートーヴェンのメロディに入る前に、
弦によるダブル・ストップから始まります。
主題は、ドラマティックでパワフルで、
ふたたび冒頭のふたつの和音を思わせるメロディに入り、
最終的なクライマックスに向かいます。

第二楽章は、はじめのテーマにシューベルトを思わせる、
充実したアンダンテです。柔らかなテーマのヴァリエーションがあり、
ヴァリエーションのいくつかは、
シューベルトのトラウト・クインテット "Trout" Piano Quintet in A major, D.667
ピアノ五重奏曲 イ長調「鱒」を思わせます。

第三楽章を、イグナツ・ラハナーは、
スケルツォの代わりにアレグレットにしています。
伸びやかなメインテーマからは、迫り来るものがあります。
美しい三重奏は、繊細なコントラストを生み出します。

この曲の最後の章のアレグレットは、
農村の祭りの爽やかで素朴な雰囲気を思わせます。

賑々しく可愛らしい作品です。

Ignaz Lachner イグナツ・ラハナーを聴く。(3)に、続きます。

最後まで、お読みいただき、ありがとうございます。 これからもよろしくお願いいたします。