「自分を変える」って怖いこと
「どうしたら演技ってうまくなるんだろう?」
最近の私の悩みはこれ1本に尽きる。誰を演じてみても「自分要素」が残りすぎて、ラクな場所で演じていると指摘された。
とある人は、「ありとあらゆることを試していて、気付いたらできるようになっていた。でも、何が効いたのかはわからない」と言っていた。
また、とある人は「性格を含めて自分をガラッと変えるしかない」と言っていた。
性格を変える。
それは、何だかものすごく恐ろしいことのように思えた。
つまるところ、日常的に自分以外の何かを演じないといけないということである。
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「今までの自分でダメなら、変わるしかないよね」**
そう言われて、人ってそう簡単に変われるんだろうかと首を傾げた。
「自分を変えなきゃ」「変わりたい」
それは誰もが一度は思うことだと思う。今の自分のことが許せなくて、納得できなくて、自分磨きに励む。
でもそれって、果たして本質的な部分でちゃんと変われているんだろうか。臆病な自分の上に薄い膜を張って、表面上何とか取り繕っているだけなんじゃないか。
「明るい人になりたいな」と思うことで笑顔は増えても、考える方向はネガティブなままだったり、誰もいないところでは俯いていたりするんじゃないか。
そんなことを考えてしまう。
それでも、「ネガティブなんだよねー」と話すと、「嘘だー」と返ってくる現状を見れば、表面上取り繕えていれば上出来なのかもしれない。
でもそれって、本当に「変わって」いるの?
自分を変える。
他人の目に映る印象を。考え方のクセを。好きなものを。嫌いなものを。趣味を。付き合う人を。住む場所を。
ありのままで生きたいけれど、きっとありのままじゃいけないときもある。
どういう方向に変えたらいいのかはまだわからないけど、自分の可能性を知るために、とりあえずひとつずつ変えてみようかな、と思う。
ちょっと自分がなくなっちゃいそうで怖いけど。今まで観ていなかったものを観るとかね、そういうところからでもいい気がする。
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