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空が大きい

帰宅中、何となく見上げた空に星が光っていた。

私の住んでいる地域は明るいのだろうか

数えられるくらいの星しか見えなかった。

地元なら見ようとせえずとも見えるのに

そんなことをのんきに考えていたらある言葉を思い出した。


”こっちは空がおおきいでしょう”

これは私が留学に行っていたときにホストママに言われた言葉だ。

その当時は意味も分からず、

空なんてどこの世界も1つしかないのだから同じじゃない?

なんて考えていたと思う。

でも彼女が伝えたかったことは空の大きさではなくて、

目に見える空の範囲のことなんだと今なら思う。

私が留学へ行っていた地域は本当に田舎で、

広大な敷地と見たことないような大きな家がぽつんぽつんと建っている

そんな場所だった。

もちろん土地なんて有り余るくらいあったので

建物をわざわざ上へ上へと建てていくような必要もなく、

近所の一番高い建物は貯水タンクだった。

そんな私の第2の故郷で目に映る景色は、半分以上が空だった。

田舎だったので星もすごくよく見えたし、

何より夕日や朝焼けの美しさを知ったのは空が大きいが故だと思う。


目に見える景色の半分が空だったあちらに比べると、

今を生きる私の頭上に広がる空の大きさは本当に狭い。

高層ビルに囲まれた都市では

空なんて見ようとしないと見えないし、

現代人はうつむきがちにそれぞれの目的地に向かっていて

空なんて見上げている人を見ることはない。

なんだか寂しい世界にいるような気がした。

世界のどこから見える空は同じように綺麗なはずなのに、

それに気づかない私はもったいなく感じる


明日は少しだけ顔を上げて歩いてみよう。

いつもは気が付かない何かに出会えるかもしれない。


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