A.Iが止まらない。

いずれ来るだろうなーと思ってたが、意外に早く会社の問い合わせフォームにこんなんが来た。

ゲームメーカーが保持する声優の音声データは大概が「ワイ等声優の音声をゲームに乗っける許可はするやで。」というものであり、そのデータの著作はメーカーが持ってるけど、改変したりする権利は無い。
(他は知らんがウチはそういう定義で取引している。)

頭に来るのは要約すると「ゲームの音声データ提出してもろて、こちらでAIチャットの機能とか色々作るから売上は折半な!あ、開発費はクラウドファンディング使うから一緒にやろうや。18禁の場合はテレグラム(反社御用達アプリ)使ってやる方法あるで!」という提案で、送ってきた会社の社長のツイアカから会社の情報を掘りに掘りまくったが「え、クラウドファンディングの経験がお有りで??(クソデカ声で)」と聞いてしまいたくなる始末。せめて起案実績作ってから送ってきなさいよ。

あと企画書も送られてきたが「お前、この程度の企画書で動くエロゲメーカーあると思ってるの?」と思っちゃうほど稚拙な内容で呆れた。(ウチ以外に数社同様の営業メール送ってるそうで、全員呆れてた。)

ご丁寧に社長のツイアカに華麗なプロフが書いてたけど、AIの研究とかはすごいんでしょうけど、いかんせんその出力というか商売に結びつけ方が浅いというか反感買うしかねえだろこんなのって感じ。

おそらく「ゲームメーカーの音声データって死蔵してるだろうから、それを有効活用する提案をすれば商売ワンチャンや!」的に動いたと思うけど、そもそもやろうと思えば自社で開発できない事もないが、長年の取引相手裏切ってそんなリスキーな商売にBETするとか商売通念的にありえないし、俺は実際にステージ立って歌ってる稀有な社長で声優まとめてチーム化して物作りをしてるので、何年も金かけて苦労してチーム編成して、それを己がぶっ壊すような真似する訳がないので正直「相手よく調べて送ってこいよバカ!」としか思えない。

ちなみにAIの技術自体は否定する気は全くない。
イラスト生成AIだってイメージボード作るにゃ便利だし、テキスト生成だって自分で書けない部分を補正して書き出してくれる便利なものだ。
曲については、まぁ色々JASRACの若い理事中心になって取り組んでる。

上記に挙げた曲やイラスト、テキストもそうだが、演技とか声優の芝居って音響監督や脚本家、エンジニアなど様々な人の手を渡って出力されてる訳よ。声っていうナマ物を商売で飯食えるレベルになるまでどれほどの苦労があると思ってんだ。

日本のAIって観測してる範囲だと泥棒の片棒ツールみたいな使われ方が有名になってて悲しい。
AI推進派なる奴からもちょいと言われたが、少なくとも他の事案は知らないが弊社の公式スタンスとしては

「権利持ってる俺が嫌だっつってんだから嫌に決まってんだろバカ。
そうだな。3億円ぐらいくれ。そしたら俺が事務所と話つけてウチのデータのAI学習認可してやるよ。俺も事務所も儲かって、尚且つ公式にデータ使えるようになって三方ハッピーじゃねえか。」

って話。

まぁ事務所が提案受けるか受けないかは別にしてよ、そんなにやりたきゃ声優の事務所とちゃんと契約して継続的にロイヤリティー払って協力してもらう商売の形を提案するとかすればいいのに人生かけて演技と向き合う職人の苦労や労力を掠め取ろうとする態度が気に食わねえ。

「声優が亡くなったり病気になったりして声が出なくなったり芝居ができなくなっても、その人の演技や声のデータで傾向を学習させて使えるように販売して、定期的なロイヤリティー収入で将来的な食い扶持を稼ぐ方法のビジネス的な提案。」とかだったら話は変わってたかもしれないのにね。

要は発案に大義名分がねえんだよな。

大概問い合わせからくる営業系のメールってロクでもないのが多くて、無視してんだけど流石にこれには頭来たんで「送ってくんな。」の意味を込めてポストした次第。

ちなみに二番目に多いのが「クラウドファンディングのお手伝いしまっせ!」的な内容の営業メール。こちらも要らねえっつーの。
お前等の100倍詳しいわ。
絨毯爆撃営業メールほんとめんどくさいし要らねえ。






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