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【はじめに・目次】 物語と物語をつなぐ千の花


いつも千花物語をご愛読いただきまして、ありがとうございます。

はじめましての方、たくさんあるnoteのなかから、千花物語を訪問くださいまして、ありがとうございます。

千花物語では、季節の移ろい、草花のある暮らし、思い出の本や映画、古典文学とそれを巡る旅、人文の知など、心に浮かんだ想いに随った文筆活動をしています。


タイトルの「千花物語」とは・・・
中世ヨーロッパでは、城内の寒さをしのぐため、女たちがそれぞれの家に代々伝わる物語や歴史を描いたタペストリーをつくりました。それぞれのタペストリーをつなぎ合わせる際に、つなぎの部分にたくさんの草花の模様をあしらったのですが、それを“Mille Fleurs”千花文様といったそうです。その話しを聞いたとき、「物語と物語をつなぐ」という草花の役割に魅かれ、それこそがこれから大切にしたい私自身のあり方なのではないかと感じ、その想いをタイトルに込めました。

バックグラウンドを少し・・・
日本の古典文学研究者としての道を求めながらも、実現しえなかった20代後半から30代前半。論文とは違った形で、日本の古典文学の魅力を伝えていきたいと考えていました。あわせて、季節折々に感じたことや考えたことも何かの形にしたいと思っていたのですが、どのように表現すべきなのか、模索する日々が続いていました。

そうこうするうちに、縁あって、社会人を対象とした人材育成のための教育を提供する企業で勤務を始めました。当時その企業は、小泉政権の教育行政特区の政策を活用して、株式会社立の経営学の学校を設立しようと準備中で、数年の間には、私立(学校法人)の学校になっていました。

そこでの十数年におよぶ勤務では、学生募集などの業務を経て、経営学の研究員として科目開発、教材開発などに携わり、時には自身の専門分野の古典文学と経営学を掛け合わせた執筆をすることもありました。思い描いていた古典文学の研究とは違った形ではありましたが、思いがけず勤務した企業が学校となり、その学校という場で、教育と研究に関わることができたことに、人生の不思議さを感じずにはいられませんでした。

そして、この1〜2年、自身の働き方や進むべき道を考えなければならない出来事が続く中で、十数年前に模索していたことが、今ならできるのではないかと思える瞬間があり、随想花家としてこのような活動を始めるに至った次第です。

読んでくださった方にとって、休憩に立ち寄った木陰のもとを吹き抜ける風のような存在となることができましたら、幸いです。


2019年11月、花の活動を開始・・・
数年前から、花をいけていると、花の香りや色合い、草花の瑞々しさ、紅葉した枝葉の温かな風合いなどに癒されて、心地よい集中が得られると感じていました。

また、日常の生活や仕事で心がささくれ立つようなことがあっても、花瓶の水を取り替えながら草花や枝葉に触れることで、心があるべき場所に戻っていく感覚があり、それに何度も助けられることがありました。

このnoteでの「千花物語」という文筆活動をとおして、草花や枝葉をいけることをとおして何を伝えられるかと考えたとき、私自身がそうであったように、何事にも分かりやすさと便利さ、成果と効率が求められるこの時代を生きるなかで置き去りにしてきた、ささやかではあるけれどその人にとって大切な何かを思い出してほしい、そのための時間や場を設けたいという思いに至りました。

その活動の一つとして、「逢花会」という季節の草花に出逢う会を開催します。この会を通じて、その季節ならではの一期一会の草花や枝葉に触れていただき、大切な何かを思い出していただけたら、私もうれしいです。


千花物語 目次

1 季節のこと、草花のこと、季節の草花に出逢う会

(1)夜の、車の、音

(2)季節の変わり目、ココロとカラダ

(3)春の雪

(4)「クリスマス・お正月のスワッグを束ねる会」2019年11月24日(日)開催のご案内

(5)開催レポート「クリスマス・お正月のスワッグを束ねる会」

(6)「ミモザのブーケを束ねる会」2020年3月8日(日)開催のご案内(開催中止)

(7)猛暑日、紫陽花は再び咲いた

(8)ワークショップ「花に逢う会」2023年11月4日(土)開催のお知らせ

(9)開催レポート「花に逢う会」


2 連載シリーズ 物語の“花”を生ける

プロローグ

第1回 純度の高い恋は地に落ちて、いっそう輝く
    『ナイチンゲールとばらの花 』(オスカー・ワイルド)

第2回 戦国武将の命をかけた花生け
   『時今也桔梗旗揚 ときはいまなりききょうはたあげ』 (鶴屋南北)

第3回 鬼がこの世にだだひとり、生きた証を刻みつける花
   『紫苑物語』(石川 淳)

第4回 魔女は花の力で空を飛ぶ
   『メアリと魔女の花』(メアリー・スチュアート)

第5回 水仙は、心の静寂清明な一点を映し出す
   『月光は受話器をつたひはじめたり越前岬の水仙匂ふ』(葛原妙子)

第6回 “死者”に手向ける花
   『亡き王女のための刺繍』(小川洋子)

第7回 花に生かされ、花に奪われたラブストーリー
   『うたかたの日々』(ボリス・ヴィアン)

第8回 小町の復讐をかたどる花
   『小町の芍薬』(岡本かの子)

第9回 過去も未来も超える花
   『時をかける少女』(筒井康隆)

第10回 それでも太陽をみつめつづけた花
     映画 『ひまわり』(監督:ヴィットリオ・デ・シーカ
     主演:ソフィア・ローレン、マルチェロ・マストロヤンニ)

第11回 女の生き難さを物語る花
    『源氏物語』 朝顔の巻

第12回 カメリア、それはシャネルの戦友
    シャネルのカメリア

第13回 少女と女王をつなぐ花
    『森は生きている』(サムイル・マルシャーク)

第14回 蛇に飲み込まれた桜
    『桜心中』泉鏡花

第15回 片腕偏愛と白い花
    『片腕』(川端康成)『くちなし』(彩瀬まる)

第16回 マツリゴトを負う女たちの覚悟の花
    『彼岸花が咲く島』(李 琴峰)


3 人生のこと、生きること

(1)花鋏への誓い

(2)視線の先は未来

(3)職人の仕事と笑顔

(4)友との再会

(5)30代のうちに、やっておいたほうがいいこと

(6)人生、半世紀目の転機  note公式「#コンテンツ会議」*2018年9月28日で紹介されました。

(7)霜月、伝説の研究者を偲ぶ

(8)自転車屋の女房

(9)みょうがの苦味は・・・の味

(10)スイカとはず語り

(11)めぐり逢うため仕組まれた時間(とき)

(12)母の着道楽


4 旅のこと

(1)平和への祈り グランドプリンスホテル広島

(2)中将姫伝説−祈りの糸に導かれた旅

(3)作家須賀敦子を追って 阪神夙川への旅

(4)「道成寺」がみせてくれるもの

(5)言葉の世界をひらく旅(前編)|戸隠神社

(6)言葉の世界をひらく旅(後編)|室生寺


5 本のこと

(1)香水と皇帝と、二人の作家  note公式「#コンテンツ会議」*2018年8月10日で紹介されました

(2)物語との向き合い方(前編) 『日本のヤバい女の子』  note公式「#コンテンツ会議」*2018年9月14日で紹介されました

(3)物語との向き合い方(後編) 『平安人の心で「源氏物語」を読む』

(4)ふたつの『サロメ』  前編

(5)ふたつの『サロメ』  後編

(6)【本棚から一冊】日日是好日 「お茶」が教えてくれた15のしあわせ

(7)【本棚から一冊】一汁一菜でよいという提案  note公式「編集部のおすすめ」*2018年7月1日、note公式「#コンテンツ会議」*2018年7月6日で紹介されました。

(8)孤独ということ 『あさきゆめみし』と『源氏物語』  note公式「#コンテンツ会議」*2018年9月21日で紹介されました。

(9)私にとっての阪神 『細雪』との出会い  note公式「#コンテンツ会議」*2018年10月19日で紹介されました。

(10)【本棚から一冊】図書館ねこデューイ 町を幸せにしたトラねこの物語

(11)たどり着くべきところにたどり着ける|『若草物語』のジョーが教えてくれること

(12)【本棚から一冊】東京の地霊(ゲニウス・ロキ)

(13)イザナミの悲しみの行く方

(14)【本棚から一冊】バスラーの白い空から

(15)【本棚から一冊 夏の終わりに】殺人よ、こんにちは

(16)9月9日重陽の節句に読む「菊花の約」

(17)いま、息をしている言葉で、『とはずがたり』を読む

(18)ブックカバーチャレンジ in 2020

(19)GWおすすめ本 in 2021 Day1 理不尽な力の前で、日々の営みを見失わない  『海をあげる』(上間陽子)

(20)GWおすすめ本 in 2021 Day2 「影」との戦いの果てに見えるもの 『影の現象学』(河合隼雄)

(21)GWおすすめ本 in 2021 Day3 “語り”だからこその真実がある 『ギケイキ:千年の流転』(町田康)

(22)GWおすすめ本 in 2021 Day4 最期を迎える人に流れる音楽は、人生そのもの 『ラスト・ソング 人生の最期に聴く音楽』 (佐藤由美子)


6 映画のこと

(1)【mature世代のシネマ】Dior & I ディオールと私  note公式「#コンテンツ会議」*2018年7月27日で紹介されました

(2)【mature世代のシネマ】未来よ こんにちは  note公式「#コンテンツ会議」*2018年6月22日で紹介されました

(3)鏡越しの交流  note公式「#コンテンツ会議」*2018年11月22日で紹介されました

(4)【mature世代のシネマ】マイ・ブックショップ

(5)【mature世代のシネマ】ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス

(6)【mature世代のシネマ】ローマ法王の休日 2人のローマ教皇


7 日常のこと

(1)感傷の口座開設

(2)白水社の「#ガイブンまつり」に、note投稿に関連したツイートが選ばれました

(3)背中をつついた一本のスティック

(4)ミルクティーを飲まなかった日

(5)note開始から半年、「# コンテンツ会議」で紹介された9つのnote

(6)冷やし中華はじめました

(7)ぼくの家族になってください

(8)“バイバーイ”の枇杷

(9)冬の食卓の定番 前編(白菜の漬物と紅白なます)

(10)冬の食卓の定番 後編(焼き餅の復活)


8 日本文化のこと

(1)文化勲章のデザイン「橘」ついて 永遠性の象徴と追想、回想のよすが

(2)歌舞伎座で過ごした青春時代

(3)縦の糸 横の糸

(4)現実逃避か、恋の逃避行か

(5)人生を暗示する色 『源氏物語』の色彩

(6)和歌を、神さまからのメッセージとして、人生に役立てる

(7)神々とつながる植物で束ねたスワッグ製作レポート@「天祖神社歌占」パネル展

(8)光源氏の桜色の衣装が物語るもの


9 つぶやき

(1)花を生けるようになってから・・・

(2)バスを待ちながら行き交う車を・・・

(3)病院の職員の方が「雨の日は晴れの日より・・・

(4)吾亦紅やアストランジアなど、・・・

(5)誰かの小説に、失恋して真夜中にひたすら・・・

(6)ユーミンの「哀しみのルート16」が好き。・・・

(7)日が落ちる少し前、蜩がいっせいに鳴きはじめた。・・・

(8)英語の読み書きを一から学び直したいと思い、・・・

(9)ある映画で、スーツを着た大人4人が車に・・・

(10)思い描いたことは、必ずしも思ったような・・・

(11)自分にとってはベストではないが、妥協できる・・・

(12)あと一ヶ月もすれば、金木犀が満開になる。・・・

(13)バラは、蕾のうちはとても小さくて硬いのに、・・・

(14)電車で隣り合った男性は、井上靖の「夏草冬濤」・・・

(15)花活けの師匠の言葉・・・

(16)重陽の節句の今日は『雨月物語』の「菊花の約」を。・・・

(17)突然の樹木希林さんの訃報。10月公開の映画・・・

(18)何かでひとり立ってやっていこうと決心するとき、・・・

(19)今日9月23日は秋分の日。・・・

(20)アマテラス、スサノオ、ツクヨミの三姉弟。・・・

(21)時間が「ない」と「足りない」とでは大きな違いが・・・

(22)芝増上寺で薪能を観たとき、東京の夜は・・・

(23)あるところで引いたおみくじが、人生初の大吉!・・・

(24)肌のかゆみにグロッキーぎみだったある夜。・・・

(25)就寝前に花の水を取り替え、・・・

(26)着物用の草履、たしかシルバー色だったはずなのに、・・・

(27)50代も終わろうとする主人公ナタリー。・・・

(28)ちょうど8年前、広島、宮島、尾道への旅に出た。・・・

(29)國學院大學博物館で開催中の・・・

(30)家の前のお寺から、木の実やどんぐりが・・・

(31)ある方からお土産にといただいた、・・・

(32)他者の作品には、自分では考えつかない世界が・・・

(33)10月16日は、19世紀末のイギリス、フランスで活躍した・・・

(34)近所に出没するネコさん。しばらく声をかけるも、・・・

(35)自分の本棚を眺めていると、なんだか落ち着く。・・・

(36)先延ばしていた書斎の大掃除、やっと本日終える。・・・

(37)老舗メゾンを支えるお針子たちは、・・・

(38)書きたいことがあふれてくる夜。・・・

(39)ダリアはただ前だけを向いている。・・・

(40)アウトプットのためのインプットは、・・・

(41)10月も終盤。今年は星の配置的には・・・

(42)イタリアを旅したとき、体調を崩して・・・

(43)佐藤太清という日本画家の作品は、・・・

(44)「さっきは悪かった」男はそう言って・・・

(45)今日11月1日は、本の日&古典の日とのこと。・・・

(46)今日は平成最後の文化の日。・・・

(47)大輪の菊の花が咲き誇る。祖父は晩年、・・・

(48)成長したいならば、いつもとはちがった環境に・・・

(49)軒下で雨宿りした男女が恋に落ちる映画やドラマが・・・

(50)生活の雑事に追われる瞬間もあるけど、・・・

(51)我が家の煮りんごは、りんごを水とハチミツと・・・

(52)十前後ある花器の花のいけ直しとスワッグ・・・

(53)中将姫伝説と、それをもとにかかれた・・・

(54)七歳の七五三のとき、茄子紺色の着物が・・・

(55)今日は冬至。春分→夏至→秋分→冬至→春分という・・・

(56)紀伊國屋書店スタッフが全力ですすめるベスト30・・・

(57)バスから降りると、どこからともなく沈丁花の香り。・・・

(58)今日は222で「ねこの日」。ねこ好きの方だけでなく、・・・

(59)年賀状をいただきながらもお返事出せていない方へ・・・

(60)3月8日は国際女性デー。そして、イタリアでは男性が女性へ・・・

(61)今日、関東地方は冬に逆戻りしたような寒さ。・・・

(62)枯れゆくもの 花のお稽古をするようになって、・・・

(63)*スワッグ* 壁にかける花束。・・・

(63)令和初の文化勲章、文化功労者の発表があったが、・・・

(64)アマリリスがいい具合に開花。アマリリスというと、・・・

(65)今年の冬至は12月22日。日の短さが底をつくというだけで、・・・

(66)神社のおみくじにかかれている和歌には、・・・

(67)TIME & STYLE のガラスの花器に、ウワズミザクラ、・・・

(68)今年はこんな状況ではありますが、・・・


ありがとうございました。
引き続き、千花物語をご愛読いただければ幸いです。



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