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おっさんだけど、仕事辞めてアジアでブラブラするよ\(^o^)/ Vol, 24 敬意

タイ ノーンカーン 1日目
2023.0623 Fri

時刻は夕方18時ちょうど。
この文章は、大河メコンに臨むゲストハウスの2階より、向こう岸にラオスを眺めつつ書いています。ということは…。そうです、わたしはいま、微笑みの国タイランドに居ます。

今朝はいつも通り5時半前に起床し、近所の市場を冷やかしつつ辺りを散策し…。わたしはこの朝の時間が好きですね、ホント。市井の人っていうんですか、要は普通の人が生活するさまを見たいんですよね。市場でなにが売っていて、どんな人たちが買いに来て、どんな感じで売買が行われて、とか。あるいは静けさの残る通勤ラッシュ前の路面で、カオチーサイクワン(ラオス風バケットサンドイッチ)の準備をするおばさんがいたり、おじさんが体操していたり、犬たちが縄張りの警備をしていたり、とかね…。
特にバンビエンなんて小さな町ですから、市場なんかも路面でやっています。それは観光客に向けた商売ではなく、地元の人による地元の人のための市場なのです。できるだけ邪魔にならないよう歩き、そして目が合えばもちろん笑顔で「サバイディー」。無視されて当然、にっこり挨拶を返してくれればテンションが上がります。
わたしはこの町で、そしてこの国で、“ガイジン”なのです。地元の人の邪魔をする権利などありません。この旅をより良いものにするために、わたしは目が合う人たちにその国の言葉を使って挨拶します。その国や街を楽しみ、そこに暮らす人たちに敬意を払う。それは、自分のような“バックパッカー=ガイジン”が守るべき最も基本的な約束事だとわたしは確信しています。

バンビエンって、川系や空系のアクティビティーが楽しめる町っていう印象がありますが、
その素顔は本当に素朴な町なんですよね。

今日は朝9時からラオス-タイ国境までのバスに乗り、歩いて(正確にはバスですが)国境を越えました。 ※1
バスで隣り合ったタイ人姐さんや国境で書類の書き方を教えてくれたフィリピン人姉さんなど、今日もいろいろな人に助けてもらいました。
彼女らはこう言ってくれました。
「日本から来たの?」
それは、明らかに好意を持ってくれた声掛けでした。
わたしのような日本人バックパッカーのみならず、海外旅行に行ったことのある日本人ならば、主にアジア(もし世界中であれば嬉しいです)において“日本人”というだけで好意的に見てもらった経験が1度や2度はあるはずです(単純に日本のパスポートは本当に便利ですし)。
それは、これまで日本国のしてきたこと、日本企業や日本製ブランドが成し得てきたこと、漫画をはじめとする日本の文化が生み出してきたもの、そしてこれまでの日本人旅行者の行いの積み重ねなのです。
これは、本当に、心の底からありがたい話です。

大汗を流しながら駅に向かって歩いていると、おばさんがアイスコーヒーを振舞ってくれました。
日本でいう“学童保育”的な教室で、子供たちがワイワイやっていました。


しかるに現在、我が日本国は、とんでもない制度を施行しています。
そう、『外国人技能実習制度』です。
はっきり言いますが、これは現在進行形の奴隷制度です。多くの記事や実際にこの耳で聞いた事実もありますし、少なくともわたしが実際に経験した2件の『外国人技能実習制度』の実態は、独立国同士として公平で友好的な技能実習制度とはかけ離れたものでした。
詳しくは、ちょっと検索すれば山のように記事がヒットすると思います。
要は、“安い労働力”が欲しい日本が、美辞麗句を並べ立てて、近年はベトナムをはじめとするアジアの諸外国(途上国などという言い方はもう止めるべきです)から“使い捨ての安い人工”を集めているだけなのです。
基本的に彼らは単純作業しかさせてもらえません。なぜなら、仕事を教える日本側に優れた人材がいないからです。意思疎通の難しさを言い訳に、仕事一つ教えられない能無し日本人が、
「ガイジンは使えねえからよ…」
などと言ってあからさまに侮蔑の表情を浮かべる、それが『外国人技能実習制度』の実態です。もちろん酷いときには暴力を伴うこともありますし、それがなくても言葉の暴力、そして言葉すら伴わない冷たい眼差しがそこに厳然とあるのです。

ラオスには犬がめちゃくちゃ居て、基本的に大人しいです。
ということは仔犬も当然いるわけで、そのあまりの可愛さにおっさんは悶絶してしまいました。
※重い話題のときは、犬か猫の画像に限りますな。

ここ最近、外国人技能実習生の犯罪が日本で増加しているという噂を耳にします。もし仮にそれが事実だとしても、わたしは驚きません。ま、言ってみりゃ当たり前の話ですよね。
そりゃそうですよ。良い話があるからと言って外国から引っ張ってきて、期待に胸を躍らせて日本に来てみりゃ、まともな仕事もさせてもらえずまともな給料も支払われず、挙句の果てに能無し扱いで冷遇される…。そりゃ犯罪にも走るでしょう。
でも、そんな酷い扱い、もっと言うなら対等な人として見られない屈辱的な扱いを受けながらも、ほとんどの外国人技能実習生はまじめに与えられた仕事をしているという事実を、わたしたち日本人は忘れてはいけません。
そして、そのまじめに仕事をし、やがて祖国に帰る元外国人技能実習生たちは、家族に、友人に、近隣の方々に、あるいはSNSで、日本のことをどう伝えるでしょうか? 
「日本? 日本人? あいつらはクソだぜ、マジで」
わたしならそう言いますね、間違いなく。

渋すぎるピックアップトラック。角目ライトにバーフェン、そしてはみ出しファットタイヤ。
塗装はボロボロですが、これもラット系のドレスアップですね。
※画像と本文は関係ありません。

即刻、このクソ制度『外国人技能実習制度』を日本国は辞めるべきです。
これは感情論はもちろん、感情論抜きでも正真正銘の悪法です。どう考えても、2020年代の今日に通用するシステムではないでしょう。
すぐさま、制度の抜本的な改革に取り掛からねばなりません。日本側にもメリットがあり、日本に来る外国人側にもメリットがある、そういう制度でないと、破綻に加えて大きな禍根が将来に残ることは想像に難くありません。
繰り返しになりますが、本当に良くないです、この制度は。
この瞬間も、日本のことが嫌いな、もっと言えば日本のことを憎む外国人が増えているかもしれません。彼らの気持ちは、はたして彼らの中だけで留まるでしょうか? 目先の小さな利益のために、大きな国益を失う可能性が大いにあるのです。

自分のことを棚に上げまくり、なんだかまともなことを書いてしまいました。
けれども、実はこれってけっこう多くの日本人が思っている事だったりするんじゃないでしょうか。

※1 国境越えって“Border Crossing”って英語で言うんですって。なんかカッコいいですよね。

個人レベルでは、お互いに敬意を払いつつ付き合うのはそこまで難しくないのに、
それが国家間となると、途端に難しくなってしまうような…。なんなんでしょうね。

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