10月31日（火）
朝、目が覚めるとカカオが私の足にもたれてスースー寝ていた。
起こさないように そっとベッドから出る。

修一郎の朝食を用意する。
ウーちゃんとルーちゃんのお世話をする。

そして、10分で出かける支度をする。

今日は、ウーちゃんとルーちゃんの水草と苔流木を買いに行く。
ごはんさんが連れて行ってくれる。

ルーちゃんは水草のマツモが大好きだ。パクパク食べる。前回どっさり購入したマツモは ほとんど食べてしまった。そして昨日、ついに苔アーチの苔を食べていた。

早く買ってあげたい。と思っていた。
でも、新鮮なマツモや苔流木を売っているお店は遠い。自分で行くのは難しい。

少し前に、
「ルーちゃんの水槽を大きなものに替えたら水草をたくさん買ってあげたい。ごはんさんが そのお店方面に用事があるとき連れて行ってほしい。」と、頼んでいた。

ごはんさんは、それを覚えてくれていた。
そして、火曜日がお仕事がお休みになったので、連れて行ってくれることになったのだ。

たくさん買ってあげたい。

さらに、美術館にまだある荷物もまた運んでくれるという。ありがたい限りだ。

家を出る直前に焼き芋が出来あがる。
それをお皿に移して、修一郎に

「行ってきます。」と言う。

「ごはんさんによろしく言ってな。」と、見送ってくれる。

りんごの木の様子を見る。そして、

ごはんさんの ご用事と水草のお店と元美術館へ、しゅっぱーつ！

家の中が寒かったので、厚着をしてきたら、暑い。車の中で内側がボアのブーツを脱ぐ。
ぽかぽかの陽気だ。

空は青く広く、白い雲が ぷかぷか浮かんでいる。

道中、可愛いコスモス畑の横を何度も通った。
光をたっぷり浴びて風にゆらゆら揺れてとてもきれい。

山も元気で道端の木々も素晴らしかった。
いちょうが黄金色に紅葉している。もみじも黄色くなって、ところどころに赤く染まっている葉っぱもあった。

小さなダムの近くを通った。山が深く重なりあい延びてゆく。水がキラキラ輝いている。山の合間の棚田も美しかった。トトロが出てきそうな気がする。

ごはんさんが ご用事をしているとき、お腹が真っ赤で背中が黒い小さなイモリがいたのを見せてくれた。手に乗せる。すごく可愛い。手のひらの中で くるくる回って じっとしていた。

水辺の湿った草の中に放す。

ごはんさんの ご用事が終わって水草と苔流木を買いに行く。
浮き草のマツモをたっぷりと、苔流木を3つ買う。

そのお店には、きれいなお魚がたくさんいる。その色と形に感嘆する。ずっと見ていたくなるように優雅に泳いでいる。

私はお魚のことはよく知らない。ごはんさんが名前と性質を説明してくれる。ふむふむ。

持ってきていた発泡スチロールの箱に慎重に水草と苔流木を入れて、後部座席の足元に置く。

ウーちゃんとルーちゃんが喜ぶ姿を想像してウキウキする。

さぁ、次は「元 絵本deえがお美術館」へ、しゅっぱーつ！

せっかくのお休みに、ごはんさんは朝から人の用事ばかり。
水草を買いに行く前の用事も人のためだった。

美術館に到着して、2階のスタッフルームにあった重いものを運んでもらう。

家に帰り着いたときはまだ薄暗い感じだったが、荷物をわが家に運んでもらっているうちに真っ暗になった。

星空を見る。月はまだここからは見えなかった。

「もうすぐ顔を出すと思いますよ。あの樹の向こうが明るくなってる。」と、ごはんさんが言った。

飛行機が何機も夜空を飛んでいた。近くに、遠くに。灯りが ぴかぴかしている。

お礼を言って家に入る。

修一郎が起きていた。浦沢直樹さんの「PLUTO」を観ていた。

水草と苔流木を見せると「ウーちゃんとルーちゃんが喜ぶね。」と言ってくれた。

そして、夕食を食べて寝た。

焼き芋とりんごを食べてから、ウーちゃんとルーちゃんの水槽に、今日買ってきた水草と苔流木を入れた。

ルーちゃんは、マツモをパクパク食べるので たっぷり入れてあげた。ウーちゃんは、ほとんど食べないのでちょっぴり入れた。

マツモを入れてすぐ、ルーちゃんが もぐもぐ食べはじめた。ほっとした。うれしいな。

「おいしい？」と聞くと、

「おいしいよ！」と言った。ような気がした。

大きなウーちゃんも苔アーチにもぐって ぎゅうぎゅうになっている。

「楽しい？」と聞くと、

「楽しいよ！」と言った。ような気がした。

二匹ともとてもうれしそう。

「うれしい？」と聞くと、

「うれしい！」と声をそろえて言った。ような気がした。

私もうれしい。

夜、庭に出ると月が空高くに ぽっかりと浮かんでいた。満月からまた少しずつ三日月になってゆくんだ。そしてまた満月へ。素敵だ。

飛行機が4機飛んでいた。どこから来てどこへ行くのかな。と じっと目で追った。

カカオは遊びに出かけている。
また夜中に帰ってきて、毛布を もみもみしてから私の足にもたれて、まるくなって眠るんだろう。

今日もいい一日だった。