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子供のころから

10月4日(水)
朝起きていちばんに、りんごの木を見る。元気につやつやしている。
ウーちゃんとルーちゃんのお世話をしてカカオにご飯をあげる。

宅配便のKさんが荷物を運んでくれる。今日は起きていた。

「ねぇねぇ、りんごの木、植えたのよ。」と誇らしげに言う。

「うん、この前、玄関の前に置いとったよね、あ、庭植えにしとるって思っとった。」と、Kさんが笑顔で言った。そして、

「どんくらいの大きさになるんすか?」と聞いたので、

「いちばん大きくなって、3mくらい。小さくて1mくらい。」と私。

「大きい方は、もう1mくらいんなっとう。」と、なぜかうれしそうだ。そして、

「もうだいぶ、紅くなっとう。」と、りんごを指さして言った。

「うん、12月頃ちぎれるから、そのとき、ちぎっていいよ。」と言うと、

「そのときピンポンします。」と言いながら笑って手を上げ、車に戻っていった。

この前、ごはんさんが大きな木になっている実を数えてくれた。33個くらいなっていた。小さい木には13個。あわせて46個。すごい。ひとり1個食べると46人分ある。でも、鳥たちも食べるだろうから、人と鳥と半分ずつかな。

修一郎が起きてくる。朝食を用意する。

母から電話。来週のバーベキューに向けて、さつまいもを送ってくれるということ。うれしい。たくさん送ってくれるので、みんなで食べれる。

今日は煮物の予定なので朝のうちに作っておく。コーンクラッカーを焼く。とうもろこしの粉を7割。薄力粉を3割。

仕事をする。すごく楽しい。鉛筆でラフを描いてゆく。自分の中から情熱があふれてくるのを感じる。幸せだ。

子供の頃からずっと絵を描くのが好き。お話を書くのも好き。

実家に帰省すると、

「子供の頃からずっと同じことしよんなぁ。ほんま楽しそうやな、好きなんやなぁ。」と母が言う。

「うん、同じことが大人になってお仕事になった。楽しい。」と私が言う。

そして、いっしょに にっこりする。

今回、ラフを3点描く予定。

りんごを半分食べる。

夕方、庭に出る。
仕事に集中している時間が長いと、目がくたびれて見えにくくなる。クローバーの緑を見ながらの水やりは、とても目にいいように感じる。呼吸も自然に深くなる。

ご近所の方たちとの ちょっとしたおしゃべりも、空気が くるっとまわっていい感じになる。

水をあげていると、ごはんさんが出てきた。いっしょに りんごを見る。ホースが もみくちゃになっているところを、いつもきちんとしてくれる。

チャイさんと ぷりんさんがやってきた。みんなでおしゃべり。チャイさんが車のことが分からないと言って、ごはんさんに いろいろ聞いている。車に詳しい ごはんさんが てきぱきと、いろいろなことを教えてあげたり、してあげたりしている。

みんなで「おぉ〜。」と拍手。

私と ぷりんさんは、おなかの触りっこをする。

「だいぶん大きくなってきたねぇ。」と言って、ぷりんさんのおなかを くるくる撫でる。

「みるさん、小さ〜い。」と言いながら ぷりんさんが私の おなかをさする。そして、

「チャイの おなかが いちばん大きいね!」と言って、ふたりで笑う。

そして、ごはんさんが いろいろなジャンルのCDが入ったケースを持ってきた。その中に、尾崎豊さんのCDがあった。それを見て、チャイさんが歌いはじめた。

〜 夜の校舎…#$%&☆♪♪ 〜

ごはんさんと私は びっくりした。

「なんでその歌うたえるの!?」

チャイさんは25歳でバングラディッシュ出身だ。日本に来て8年半。
驚いている私たちにチャイさんが言った。

「大学生のとき、みんなの前でひとりで歌ったんですよ。途中で歌詞がわからなくなって、〜#$%&☆♪♪〜って歌いましたよ〜。」と言って笑った。

どういう状況で、大学で、ひとりで、みんなの前で、尾崎豊さんの「卒業」を歌ったかのか全く想像できなかった。でも、なんだか ゆかいだったので笑った。

家に帰る前、にりんさんが出てくる。ちょっとだけお話しして「またね。」と言う。暗くなってきたので、修一郎が起きていたらまた心配するかもしれない。

ポストに何か入っている。
取りだしてみると、東京で暮らしている修一郎の妹、トッツィーからの荷物だった。

わくわくしながら持って入り、椅子に座って丁寧に開けてみる。

中からとても可愛いポーチと、大きくて素敵な風呂敷が出てきた。色の組み合わせが絶妙だ。そして、優しさが詰まったメッセージカード。とてもうれしかった。

この可愛いポーチに何を入れようかなと楽しい計画を練る。
何も入れなくて、このまま持っていても本当に可愛い。

修一郎に見せると、「よかったね。」と言ってくれた。そして、おなかがすいているようなので急いで夕食の準備をする。

夜、仕事をする。

そして、庭に出る。
ひんやりしている。星たちが小さく瞬いている。虫の声も少し小さくなってきた。カカオが帰ってきた。背中を撫でると ひんやりしている。いっしょに中に入ると私の隣の椅子の上でまるくなった。

今日もいい一日だった。

母が保管してくれていた、私が2才11ヶ月のときに描いた絵。頭がちょっとだけ おんがっぴーに似ている♪

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