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ポポー

9月25日(月)のこと。
カカオといっしょに起きる。ご飯をあげる。ウーちゃんとルーちゃんにエサをあげて水を換える。修一郎が起きてきたので朝食を用意する。

さつまいもをオーブンに入れてじっくり焼く。

仕事をする。

両親と電話で話したあと、歯科医院へ行く。私の定期検診。

「10月のパッチテストの情報提供をお願いしますと伝えてください。」と先生が言った。忘れないようにしなくちゃ。

そのあと少しだけ、初めての場所へ行く。

帰ってから、お向かいの Iさんと少しおしゃべり。「りんごが紅くなったらおすそ分けするね。」と言って帰る。

早めに夕食の支度をする。修一郎は寝ているので先に食べる。

お散歩する。うろこ雲がきれい。

お花たちに水をあげて少し庭仕事をする。日々草もポーチュラカも まだまだ元気だ。クローバーは緑が濃くなり、いきいきしてきた。よかった。うすくなっていたところも、ふさふさしてきた。

10年くらい、ゴミ置き場のようになって荒れていたこの土地を、ムリして買って耕して、クローバー畑にして本当によかったなぁと思った。

去年の春のことだった。
土地の持ち主のTさんが来ていた。会うのは2回目だった。

「今後ここをどうするんですか?」と聞いたとき、首に金色の太いネックレスをしているのが見えた。ヤンキーなのかなと思って、

「ヤンキーなんですか?」と聞くと、

「ちがう。」と言って笑った。

Tさんがヤンキーじゃなかったら誰がヤンキーなんだろう。もしかしてヤンキーって絶滅危惧種なんだろうか。などと思っていると、Tさんがあれこれ話しはじめた。

これから本格的にゴミ置き場にするようだった。Tさんにとってはその多くはゴミじゃないらしいが。

そんなふうに話していると突然、Tさんが

「でも、売ってもいいかなと思ってる。」と言った。すかさず、

「私買いたい。」と言った。

Tさんは すごくびっくりしていた。

「買ってどうするの?アトリエでも作るの?」と真顔のTさん。

「クローバー畑にする。」と言った。

「クローバー畑か、いいな。」と言ってTさんが笑った。

今日も夕方の空がすごくきれい。水色の空にピンク色の雲がたなびいている。自然が織りなす色彩って感動的だなぁとうっとりする。

「みるちゃん、みるちゃん。」と、バナナさんの声がした。

手に何か持っている。小さな さつまいもかなと思う。近寄るとアケビのように見えた。

「これ、あげる。ポポー、おいしいよ。」と、バナナさん。

「ん?ん?ぽっぽ?」

「ポポーだよ。」と言って、皮を少しむいて中を見せてくれた。

「種がたくさんあるよ。植えるといいよ。」と手渡してくれた。

初めて見た。トロピカルフルーツみたいな香りがする。外側は焼き芋みたいで果肉は山吹色で とろっとしている。外側と中身のコントラストがすごい。

少し食べてみる。濃厚。マンゴーみたいな感じ。食感はカスタードクリームみたい。おいしい。でも、この野生味あふれる感じは、食べすぎるとアレルギーの症状が出そうなので少しだけにする。

お礼を言って中にはいる。修一郎が起きていたので夕食の仕上げをする。

明日、茶碗蒸しをしよう。小ぶりの干し椎茸を2枚、水に入れて冷蔵庫に入れる。出汁をとるために、一晩かけて冷たいお水でゆっくり戻そう。

夜、注文分の複製画の準備をする。

眠る前に庭に出る。夜空に ぽつんと星がひとつ。その星をよけるようにして幻想的な雲が流れてゆく。

カカオは先に私のベッドで寝ている。

今日もいい一日だった。

半分に割ってみると、とろける果肉のポポー

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