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Time travel✨17歳シンガポールの想い出④

父はとにかくたくさんの場所に
連れて行ってくれる。
父と私は会話のある親子ではない。

しかし結婚した後からは大事なことや伝えるべきことは短い言葉で明確に伝えてくれるようになった。

私は介護施設の看取り専門チームでターミナルケアに心を捧げてきてたくさんの重荷を背負ってしまった。
後に再会する当時の恩師はこう言った。
あそこは介護士に多くを求めすぎた。
必要以上の献身を。

人の人生の後悔のない支援。

そんなのあるわけないのだ。

***

私たち親子はラッフェルズホテルの庭園で管弦楽の演奏を聴きながらランチを。
海外のステーキはなんでこんなに固いのだろうと思いながら食べていたがこんな素晴らしいシチュエーションでランチを食べさせてくれる父が本当にすごいと思ったし本当にシンガポール滞在中は貴重でかけがえのない経験ができた。

ハリウッド映画に出てくるような
大きなグラスの淵に
飾り切りのグレープフルーツとデンファレ。

中身はスパークリングオレンジジュース。
プールサイドにある
リクライニングビーチチェアに
サングラスをして日光を優雅に浴びる。

日中はオーチャード街にあるシズラーで毎日ランチを。メインはチキンを選んでサラダとスイーツを沢山食べる。毎日来るから週明け頃にはウェイトレスの女性と仲良くなってしまった。

香水の匂いが漂うショッピングプラザでいろんな服を試着して服を買ったりアクセサリーを買ったり。

父のトラベラーズチェックを使いまくって1週間1人で豪遊する17歳の娘。

ある日ホテルに帰ると父が買い物しておいてくれたであろう紙袋が置いてあった。

それを見た私は苦笑いしたものの
日中の自分の豪遊ぶりを悔やんだりした。

その中から覗いていたのはピンク、黄色、ブルー、3色の3連ゼリー。
小さな子どもが食べるようなゼリー。

父にとって私は
まだ幼い頃のままなのかもしれない。

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