タエ通リバイバルミニ vol.2【ライド時に切るカードについて】

ちょっとしたプレイの話第2弾
今回は「ライド時に捨てるカード」についてお話していきたいと思います

なんとなくプレイしている人が多い部分ですが、3ターン目以降素直にカード能力を実行していくだけになりがちなスタンダードでは、実は実力差を1番大きく出すことができる最重要レベルで大切な部分です。

初心者から上級者まで有益な内容になっていると思うので、ぜひ読んでいってください。


【1】”ライドコストを切る”とはどういうことか

まず、”ライドコストを切る”というのがどういうことなのかを理解する必要があります。

ライドコストを切るということは一言で表すと、手札1枚をライドデッキのカードと入れ替えるということです。

ライドは基本計3回行うため、すべてのプレイヤーが3回手札交換を行うことになります。
すると何が起きるのか。
コストを切るのが上手いプレイヤーとそうではないプレイヤーの間で、3ターン目の時点で最大3枚も手札の中身が変わってきます。

3枚も手札の中身が違うと、そこから作り出されるゲームは全く異なるものになります。

よく、上位のプレイヤーはキーカードをうまく握れているなぁといっている人を見かけたりしますが、短期的に見て運の偏りはあれど特定個人がやたらと強いカードを引けたりする特殊能力を持っているということはあり得ません。

彼らはライドコストを切ったりマリガンなどが上手いからキーカードが集めやすくなったり、キーカードを引くまでゲームを引き延ばして耐えることができたりしているのです。

最近のデッキだとライドコストの切り方で大きく差が出るデッキの代表として【ドラジュエルド】があります。
他の主要デッキの平均ゲームレンジが4ターンなのに対し、このデッキは3ターン目の出力が低いため5ターン目を見据えたゲームをする必要がある場合が多く、なんとかして相手の4ターン目を凌ぐかこちらも4ターン目で勝てるゲームを作る必要があるからです。

このデッキはマリガン結果やゲームの進行に合わせてコストで切るカードを耐久か、4ターンキルかに寄せてプレイしなければ思うように勝てません。
3枚も手札を入れ替えると、耐久するにせよ4ターンで勝つにせよどちらかに必ず手札の質は寄せていくことができます。

【ドラジュエルド】で勝てていない人の多くはこういった目的に合わせたコスト切りができておらず、「5ターン目まで耐えない」と言っている人の多くはパーツを残したいあまり不用意にトリガーをライドコストにしていることが多いです。

速いゲームを組み立てようと序盤からリアガードを展開したとか、耐えたいからコールを控えたなんてことは誰でもできますし、そこで大きく差がつくことはありません。
勝てるプレイヤーはその前の段階、マリガンとライドコストの部分で自身が組み立てたいゲームプランを表現しています。
マリガンについては今度別の記事を書こうと思いますが。ライドコストによって生まれる差はプレイヤーを差別化する上でそれほど大きな要素なのです。


【2】ライドコストで完ガが生えてくる

意味わからない題名だと思うかもしれませんが、僕もしっくりくる表現がなく雰囲気で書いています。

言いたいことはシンプルで、ライドコストを意識することで将来的に切ることになる完全ガードが浮き、延命できるというもの。
最近の環境では完全ガードの有無がゲームの結果を大きく分ける要素ですので、とても大きいことです。

わかりやすい例を2つあげましょう。

まず1つ目はライドコストで切る3枚のカードで手札の総ガード値が大きく異なるということ。

極端な話で、グレード3を3枚切った場合と15000シールドのトリガーを3枚ライドコストに切った場合ではグレード3にライドした時点での手札の総ガード値は45000も異なります。
45000も違えば、大体のデッキ相手に完全ガード1回分かそれ以上の防御を期待できるでしょう。

ここまで極端でなくても、10000多く持てたら守護者で守っている場面が数値で2枚貫通できるようになったり、シビアな局面も耐えられるようになったりします。
もちろん盤面に出すユニットも大切なので、闇雲にガード値を抱えればいいわけではありません。
理想は3ターン目のムーブに必要な札や相手の除去に備えた最低限のケア札を超過する余剰なユニットからコストにしていくことです。
本当にそのグレード2は2ターン目に出さないといけないかなど、パーツを切る理由を探して積極的にガード値を集めに行くことが現在の環境では特に重要です。

2つ目は1つ目を発展させたもので、意識的にガード値を抱えるよう立ち回ることで余計な1点をもらう必要がなくなり、終盤に守護者1枚分のノーガードが可能になるというもの。
例えば手札に15000ガードが1枚、残りがパーツのような手札だとします。
ここでコストにトリガーを捨てれば当然、次のターンに相手が10000〜15000要求を作ってきた際にノーガードせざるを得なくなります。
そこでもしトリガーを残してコストを切っていれば、その攻撃は止めることができ、余計に受ける必要がなかった1点が守られます。
するとゲームのどこかで本来であれば守護者を切る必要があった攻撃をノーガードする機会が訪れます。

この場合、ライドコストでトリガーを切った場合とそうでない場合で完ガ1枚分の差が生まれているといえます。
同様に残すトリガーが1枚と2枚の場合でも相手の先攻3ターン目の25000要求をトリガー2枚で守れます。
ゲーム終盤に25000要求になるべく完ガは使いたくないので、この場合も完ガが1枚浮いていることになります。

このように、ライドコストの意識をそのまま守り方の意識に繋げていくことでゲーム中に守れる攻撃の総数が大きく変わってきます。
これの積み重ねで2枚、3枚と守護者相当の攻撃を守れるようにし相手のキルターンに合わせられる守護者の枚数を増やすことが、全体のパワーが向上している今の環境では非常に重要な要素となります。


【3】ライドコストから得られる情報

お互いがライドコストで切ったカードには、非常に多くの情報が含まれています。
それらをゲームプランの組み立てに活かしていくことが大切です。

例えば、【ドラジュエルド】がライドコストで《エンプーサ》や《グングヌラーム》を捨てたとしましょう。
これらのカードは《リスタルゲイラー》と選択で採用されていることが非常に多いため、ここから「3ターン目に除去が飛んでくることはほぼない」という情報が得られます。

すると、除去を警戒して出しづらいカードも序盤から攻撃参加が可能になるため、プレイ方針を決定する際の選択肢が増えます。

他にも、ペルソナライドを切ってきたらもう1枚持っているであろうことが推測できたり、ゲーム中に狙えるペルソナライドの回数が2回になるので本来ペルソナライドのターンがそうではなくなることにも繋がるため、ダメージコントロールで相手の弱いターンを引き出して延命したりすることもできます。

トリガーを多く切ってきたら相手の手札のガード値が薄いかトリガーばかりかのどちらかなので、横に広げてみて受けてくるか守ってくるかを見て相手の手札の中身がどういう内容なのかを探ったりすることもできたりします。

【ドラジュエルド】などを例にすると
《ヴァーブラ》を切ってきた
→《イグニス》がなく活躍が4ターン以降なので捨てた
→《イグニス》《ザガン》《ノクタルジオ》が揃っている

などのパターンが考えられ、そこから相手のマリガン枚数、《イグニス》を探しにいく行動をとったかなどの情報を組み合わせて推測していくことで、相手の手札の中身がほとんど透けていったりもします。
相手の手札がわかれば、どの程度広げたら点が入るかや、トリガーの振り先などさまざまなプレイの判断基準にもなります。

また逆に、《ヴァルシュブラン》のサイクルや《ノクタルジオ》のサイクルなど、ドローしたいならまあ切るわなみたいなカードだったり、【ゾルガ】のデッキでオーダーを切ったりなど、「持ってたらそりゃ切るだろ」みたいなカードをコストにすることでライドコストから手札の中身を推測させないことも大切です。

これは冒頭で紹介した《エンプーサ》や《グングヌラーム》の話も同様ですが、相手に手札の中身を推測させてもいいタイミング、させてはいけないタイミングもあります。
例えば上記の場合だと、先攻の1ターン目、2ターン目に《エンプーサ》を切ると後攻1ターン目、2ターン目の相手のプレイに影響を与えますが、切るのが3ターン目だとあまり影響を与えないため、安全に切ることができます。

《ヴァルシュブラン》サイクルについても、1ターン目や2ターン目に切って手札の中身を相手に透かさないことでしょうもない速攻やブーストを置いて打点調整など相手にプレイの判断基準を与えないことで無駄に攻められてダメージが伸びてしまう事態を回避することができたりします。

このように、捨てたカード1枚で相手に無限に情報を渡してしまうことになるのでライドコストから情報を得ること、与えないことはとても大切です。


【4】1人回しで伸ばせる

ライドコストを効率よく切る土台はワンデッキで行う1人回しでも十分に伸ばすことができます。
コツは初手5枚をまず見て、「この5枚から最悪3回ライドコストを切らないといけなくなった時、どの3舞を切りたいか」事前にある程度方針を固めておくことです。
これは実戦でも時短に役立ちますし、対戦開始前という本来相手との差がつかないタイミングでゲームの流れをある程度事前に組み立てることができ、相手より優位に立つことができます。

この際、ドローやドライブチェックで加わったカードが最初に決めた3枚よりもコストとしての優先度が高いか低いかで判断するようにするとコスト切りを効率よく練習できるでしょう。

初手からカードABCをコストにすると決めている時、ドローしたDはそれらよりも優先度が低いならそのまま続行、ドライブしたEが Cよりも優先度が高いならコストにするのをABEに切り替え〜
というような感じで、初手から選んだ3枚よりも捨てたいカードか捨てたくないカードかを判断していく感じにすると効率よくライドコストを切ることができるようになっていきます。

もちろん、最終的にはゲームの進行に応じて切るカードを変えるということも求められてくるため1人回しで応用までが身につきはしませんが、デッキの基本的なコスト優先度やだいたい何を切るとどういう流れになるかくらいは把握することができます。
家で動画を観たりしながらでもできるので、上達したい人はやってみるといいでしょう。

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