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”あずましい”十和田湖yamajuへ行ってきた!

皆さんには落ち着ける場所ってありますか?

自宅の書斎、いつものカフェのあの席、仕事終わりのランニング、自然との触れ合い、はたまたトイレの個室…十人いれば十通りのお気に入りの場所があるかと思います。

今回は、そんな”あずましい”場所、十和田湖のyamajuへ行ってきました。

yamajuは十和田湖の青森県側、休屋地区に位置しています。

この休屋地区には大型の駐車場に多くの宿泊施設や飲食店・土産物店、遊覧船乗り場に高村光太郎の「乙女の像」や十和田神社があり、文字通り十和田湖観光の中心地と言える場所です。

そんな休屋地区に先月オープンしたのが、「登録制コワーキングスペース&中長期滞在者専用ゲストハウス(原文ママ)」yamajuです。長い!

yamajuの看板には早速、今回のキーワード"あずましい"の文字が。

1階にはカフェ&イベントスペースとコワーキングスペースがあり、それぞれのスペースをガラス戸で仕切ることができる構造でした。

コワーキングスペースには、1枚板でできたミーティング用のテーブルもありました。
この一角だけめっちゃ和モダンです(奥の盆栽やば…!)。

イベントスペースでは「北欧 to 北奥」と題し、北欧雑貨の展示販売が行われていました。

ちなみに、こちらの販売を行っていた方もyamajuのメンバーで、現在は東京と十和田の二拠点生活を行っているということでした。
なんかすごいね!

土日はカフェ営業とイベントスペース、平日は登録制コワーキングとして機能しているそうです。

さて、前置きが長くなりましたが、yamajuのオーナー夫妻の小林恵里さんにお話を聞くことができました。

オーナー夫妻の小林さんが十和田に来たきっかけは、夫・徹平さんの仕事の関係だったとのこと。十和田・休屋地区における都市計画のプロジェクトに携わることとなり、オフィスが必要だということで徹平さんが借りてきたのが、こちらの元飲食店の”山寿”でした。

まさかの一軒家でした。

「湖畔には同年代のオープンでゆるいコミュニティができていた」と恵里さん。

十和田湖休屋地区は、明治時代に開発されたリゾート地。街の機能が観光地としてのものに特化していて、冬季は営業停止して住民も別の場所で暮らしている。

そんな場所だからこそ、適度な距離感と外部の人を受け入れる寛容さを持ったコミュニティがあったのかもしれない。

仲間とともにオフィスとしての機能を整えるうちに、昔ながらの観光とは違う関わり方をしてもらえる拠点を作っていこうという考えに至ったとのこと。

観光客の十和田湖における平均滞在時間は2時間ほど。

車・バスで訪れて、湖畔を散策して乙女の像や十和田神社を巡り、土産物店や飲食店入って帰る。これでだいたい2時間。

-より長く、今までとは違う形で十和田湖を楽しんでほしい。

そんな思いから、2階のゲストハウス部分では最低4泊以上の人のみを受け入れている。

2階ゲストハウス部分は1階とうって変わって純和風。元の建物をそのまま生かしている。

各部屋には「十和田」「富士」など山や地名が部屋名として掲げられている。これも元の飲食店で使われていたものをそのまま利用している。

なお、元からあったメニュー表も健在(ここは共用のキッチン)。

サービスにもそんな思いが込められている。

チェアリングサービス(貸し出し用椅子)。

広げるとこんな感じ。
ちょうどハンモックみたいな感じで包み込まれるタイプの椅子でした。
これは人をだめにする椅子ですね。。。

ただ湖畔を散策して通りすぎるのではなく、ゆっくりと自分の時間を過ごしてほしい。そんな思いからチェアリングサービスを行っている。

湖畔の本棚。

コワーキングスペースの壁にあるこの本棚は、yamajuメンバーが十和田市の書店と提携して行っている。

セレクトされた本の表紙は防水加工されており、カフェを楽しみながら読むもよし、湖畔に持ち出して読むもよし(※ピクニックセット・チェアリングサービス利用者に限る)。在庫もあるので購入も可能とのこと。

ピクニックセット。

おにぎりと特製おでんor特製カレー。

竹細工のかごに入れて渡される。湖畔で食べるもよし、広場で食べるもよし。何ともチル。

平日は登録者のみのコワーキングとなっているが、土日には一般利用者向けにカフェ営業も行っており、食事やコーヒー、デザート等の提供を行っている。
私たちがいる間にも何組かカフェ利用者がいたが、総じて滞在時間が長かった。

まあ、居心地良いもんね。

長期滞在者のみのゲストハウス、湖畔で長時間・自分の時間を楽しむためのサービス。

yamajuが提供しているサービスは、十和田湖との今までとは違う関わり方提案するという点で一貫している。

yamajuがハブとなり、ゆるくオープンなコミュニティを可視化し、十和田湖との新しい関わり方を提供している、そんな印象を受けた。

SOTOKOTO編集長、指出一正さんはこう言った。

”地域にこれから必要となるのは観光案内所ではありません。(地域との関わり方を提示できる)関係案内所です。”

地域の行事に参加することだけが関係人口じゃない。
地域の事業に協力することだけが関係人口じゃない。
ふとした時にふらっと、落ち着ける場所で自分の時間を過ごすために地域を訪れる。

恵里さんの話を聞いていたら、そんな関わり方もありなんじゃないかと思えてきた。

ここへ来れば面白い人と出会える。面白いことを知ることができる。
yamajuはまさに関係案内所といった印象を受けた。

"あずましい"十和田湖、そしてyamajuの挑戦はまだまだ始まったばかりだ。

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