都会には年寄りとその価値観しかない

「都会には何も無い」と若い彼女は言った

随分前になってしまったが、畑の講習で出会った若い女の子。
仕事をやめて西日本の田舎へ行くという。
素潜りが大好きで外も中も自然体のかわいい子だった。

自然が好きで関連した会社に就職しても違和感が拭えなかった。
「利益を出さなきゃならない企業の仕組みは結局どれも同じに思えて」
会社を休職して田舎暮らしをしたことで、自分が求める豊かさを享受出来ることを体感したようだ。
「都会には何もないと感じました」と教えてくれた。

本当にその通りだと思う。若い人はいつの時代も賢い。

30年前と同じ話題の会社人たち

会社員の時分を思い出すとうんざりすることが多い。
個々の性格ではなく、会社という文化に対してだ。

企業の利益向上のために集合したのだから、共通の話題や思想なんてない。
そもそも思想や倫理を共有するために集合してる訳では無い。

話題になるのは
●結婚
●マイホーム
●自家用車
などなど、いつまで高度成長期の気分なんだと思うトピックばかりだ。

マイホームを購入する人は、新築ローンの販売手数料の割合を知っているのだろうか?
今数千万で買える物件が、老化が加速する日本でこの先資産になると思っているのだろうか? それとも移民社会を見越して華僑にでも売ろうと思っているのか?
などとは言ってはいけない。

年収1000万だと聞いたら「やっぱり○○社ですね。すごいなー(棒読み)」と全く思っていないことを言わなければならない。

税法や法案が変わることよりも、芸能人ニュースが注目される。

それに付き合わなければならない。ちなみに私の経験では、日本の大企業ほどその傾向が強くて大変に消耗した。

まるで安定成長が永遠に続いているからのように振る舞わなければならない。もうコントですよ。

全て年寄りの価値観なのだ。
年寄りの年寄りによる年寄りのために存在する会社で、新入社員は手取り16万という小遣いの金額で奉仕しなければならない。

40代の私が想像するだけで嫌なのに、20代前半の彼女が耐えきれるはずが無い。

若者は都会なんかいかない、田舎か成長国に行く


彼女に「若い人が田舎にいくの、すっごくいいと思う。」
といったら目がぱっと明るくなったのが嬉しかった。
反対されたり不思議がられたりすることが多かったのだと言った。
「みんな苦労して就職するのに」
「若いのに田舎にいくなんて変わってるわねえ。偉いわ」
などと言われるらしい。

90年代や00年代の若者は円高を利用して海外へ行った。
今の若者は貧乏になった日本で一番コスパの高い自然そのものに可能性を見出す。若者は希少性が高いので地方の年寄りに有り難がられたりかわいがられるだろう。



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