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身体障害者手帳の申請のはなし。

こんにちは!

体位性頻脈症候群(POTS)と慢性疲労症候群/筋痛性脳脊髄炎(ME/CFS)患者のみみと申します。


前回書いたnoteにて、障害者手帳と障害年金の申請の過程を纏めると宣言(?)をしてから約一年、自分の病気に関するSNSなどを全て放置していました。

「私にできることは持っている情報を迅速に伝えることだ」などと言っておきながら放置していたのには理由があります。


まず1つは、コロナの件でSNS(主にTwitter)が殺伐とした雰囲気になっていたからです。

特に後遺症の件に関しては「おわぁ......」と変な声が出てしまうようなツイートがタイムラインにしょっちゅう流れてきて(内容は察してください)、自分の精神衛生上見続けるのは良くないなと思い、早々に見るのをやめました。


もう1つは、昨年の8月に犬を亡くした後、立て続けに猫2匹が旅立ってしまったからです。

昨年の8月に初めてnoteを書いた後からちまちま障害者手帳のことを纏めていたのですが、その数ヶ月後の11月に突然猫が余命宣告をされました。

下半身麻痺のツンデレ女子、イブーちゃんです。

LGL悪性リンパ腫という手術も抗がん剤もあまり効果が得られない病気で、余命1ヶ月。緩和ケアをすることになりました。

この時点でもう自分の病気に関することはどうでも良くなっていて、noteのことなどすっかり忘れていました。

イブーちゃんは最後まで本当に頑張ってくれて、今年の1月半ばに旅立ちました。


そしてイブーちゃんとのお別れにまだ心が追いつかない中、3月に別の猫の肺がんの再発が分かりました。

15歳のイケメン、ジジです。

以前手術した肺がんが再発し、急激に悪化していきました。

3月末には酸素室から出ることができず、4月上旬に旅立っていきました。


昨年の8月から今年の4月にかけて、ライバルのハルさん、ツンデレお姫様だったイブーちゃん、幼稚園生の頃からずっと一緒にいるジジ、3匹を亡くし、寂しさから何をするにもやる気が出ず、つい最近まで自分の病気に関することが本当にどうでも良くなっていました。


一年経って改めてちゃんと纏めようと思ったのは、ここ1.2ヶ月、8月からなにもツイートしていない私のアカウントに、時々通知が入るようになったからです。

いいねやリツイートされているのは全て障害者手帳や障害年金に関するツイートで、いいねやリツイートをしてくださった方のアカウントをこっそり覗きに行くと、書いてあるのはコロナ後遺症、POTS、ME/CFS...。

すぐにPOTSや体位性頻脈症候群でエゴサをすると、一年前までは某小児科界隈に関するツイートしかなかったのが、今は色々な年代の方がPOTSについてツイートしていて本当にびっくりしました。

そしてコロナ後遺症のPOTSやME/CFSで困っている方がいるのだと知り、放置していたnoteをちゃんと纏めようと思いました。


前置きはこの辺でおしまいにして、本題である身体障害者手帳の申請について纏めていきます。

かなりの長期戦になり、自治体からの返事が来る度にイライラしたり落ち込んだりしていたので、当時のメンタルリセット方をおまけコンテンツとして挟んでおきますね!

それではどうぞ〜!


・2019年4月頃 手帳を取る決意をする

2018年4月に大学に入学した後、無理をしたので体調が悪化し、歩行が困難になりました。

一年休学をしましたが回復せず、電動車椅子がないと生活ができないと思ったので、補装具支給制度を使って電動車椅子を購入するため障害者手帳を取ろうと思いました。

この頃の私の主な症状は、

・立位座位での酷い頻脈(脈拍 立位120〜150 座位100〜120)
・立っていられない、座っているのもしんどい
・手に力が入らない(文字が上手く書けない、よく物を落とす、新品のペットボトルのキャップが開けられないなど)
・常に疲労感がある
・軽度のブレインフォグ(文字が読めない、喋っている人が何を言っているのか分からないなど)
・酷い下痢、それによる体重減少と食欲低下

改めて書いてみると、まあまあ酷いですね...。

ちなみに今もこの状態から特に変わってません。下痢が若干良くなったくらいでしょうか。それなのに当時よりも体重が減っているのはなぜ...??

*障害者手帳は初診日もしくは障害固定から6ヶ月経っていないと申請できません。要注意です!


・2019年7月半ば 1度目の申請をする

主治医の先生に診断書の作成をお願いしました。

同じ先生にかかっている東京都23区内に住むPOTSの友人が私より先に申請をしていて、肢体不自由の2級で通っていました。

その2級で通った友人の診断書とほぼ同じ内容で書いていただきました。

内容は
・疾病名 体位性頻脈症候群
・POTSによる起立不耐症症状が強く臥床状態が続いている、座位や立位で著明な頻脈が出現し起立維持ができない、外出や就労ができない、などの経過・総合所見
・2級相当
・○✕表はできるものには〇、できるけどやって疲れるものには△、できないものには✕

他にもいくつかの記載はありますが、省略させていただきます。

東京で通ったんだからうちの自治体でも通るんじゃね?!と希望を持ちながら区役所に申請に行きました。

ちなみにこの頃ME/CFSを診てくれる先生の病院に初めてかかり、ME/CFSと線維筋痛症の診断を受けました。


・2019年8月半ば 返事が届く

ふつうに却下されました(笑)

別紙に書いてあった理由によると、「関節可動域や筋力テストの所見を重視していて、あなたには肢体不自由としての機能障害の所見が認められないから」とのことでした。

自治体側は「頻脈で肢体不自由ってどういうこと???」って思ったのでしょうね。それはそう。

結構落ち込みましたがこの直後に姉の結婚式があり、姉のドレス姿がめちゃくちゃ可愛かったのでメンタルリセットできました。

超可愛くないですか?このドレス選んだの天才すぎる...。

式場ではミニバスから中学の部活までお世話になった先輩たちにも会えて嬉しかったです。

ちなみにこの頃、外出時はAmazonで買ってもらった自走式の車椅子を家族や友人に押してもらっていました。


・2019年9月〜10月 2度目の申請をする

主治医の先生に却下されたことを伝え、2度目の申請のための対策を練りました。

先に申請して通った友人の自治体の診断書を見たら、歩行能力について書く欄があることに気付いたので、主治医の先生に次は歩行能力についても記載して欲しいと伝えました。

そして知人のスーパー有識者の方に相談したところ、書いた方がいいであろうことをたくさん教えてくださいました。

先生に新たに書いていただいた内容は、

・車椅子を要する生活である
・自己免疫性体位性頻脈症候群と診断、免疫治療を試みるも難治性であり症状に改善はない
・自律神経障害により体位変換で著明な頻脈症が出現し、立位座位困難の運動障害を認める
・起立保持は5分と短く、歩行能力は補装具なしで100メートル以内である

などなど。

Twitterを見てくださっている方は察していたとは思いますが、私は自己免疫性体位性頻脈症候群の診断を受けています。

なので、某小児科界隈で言われている「大人になれば治る」というものに自分は当てはまらないと思っています。とりあえず某病名からPOTSだけ切り離してくれたら色々と助かるんですけどね...。突然愚痴ってすみません(笑)

10月末頃、また却下されるのではと思いながら区役所に申請に行きました。


・2019年12月上旬 返事が届く

ほ、保留...?!なんだそれ...?!

却下かOKかの2択かと思っていたので、封筒を開けた瞬間びっくりしました。

別紙には主治医の先生への質問が書いてあり、

①体位変換により頻脈症が出現するって書いてあるけど、日常生活における動作全てに必ず頻脈症が出現するの?頻脈症が出現する頻度と持続する時間について教えてね!
②現在車椅子を要する生活であるって書いてあるけど、車椅子が必要になった時期とその後の調子と今後の見込みについてと、車椅子の使用頻度と、車椅子の使用方法(自操なのか介助なのか)を教えてね!

といった内容でした。

主治医の先生とスーパー有識者の方に相談し、診断書に追記をしていただきました。

追記内容は
・車椅子を要する生活と認めたのは2019年5月
・使用するのは外出時、自操は握力低下してるから無理で介助、今後は電動車椅子による自操が望ましい
・これまでの治療で改善は見られないから今後は現状維持〜悪化

自宅から病院まで最低でも車で片道1時間半かかるため、全て電話と郵送で先生と連絡を取っていました。

お忙しい中手書きで追記してくださった先生、本当にありがとうございました。


・2020年2月中旬 返事が届く

なんで?????保留大好きか???

そろそろこの青っぽい紙にも見飽きました。

そして別紙にはまた先生への質問が書いてありました。

・軽度筋力低下はあるの?あったらMMT表に書いてね!
・握力のとこ書き忘れてるから書いてね!

握力の書き忘れは完全にこっち側のミスだけど、前回の保留の時にそれ2つとも言ってくれたら一回で済んだじゃん!!!
なんで2回に分けたの?!?!前回の保留からもう2ヶ月も経ってるんだけど!!!!!

...さすがにイラつきました。一回で言えや、と。

主治医の先生に連絡し、追記していただきました。お忙しい中お手数お掛けして大変申し訳なかったです。

実はこの頃かなりメンタルがやられておりまして。

手帳のことは上手くいかないし、電動車椅子も購入できていなかったので成人式に行けず、夜中に一人でめそめそ泣いていました。

成人式は同級生の友人が車椅子押そうか?と言ってくれたのですが、友人の振袖が汚れてしまうし、全員が主役のはずの成人式で友人が私の介助をするのはなんか違うなと思い、断りました。

それでも振袖を着て写真だけ撮ってもらうことができたので、なんとかメンタルリセットすることができました。

事前にスタジオの方に立っていられないことなどを説明したら、めちゃくちゃ手早く着付けをしてくれました!

撮影も含めて立っていた時間は10分以下だったと思います。

全国の起立不耐症患者の方にオススメしたい素敵なスタジオさんでした。


・2020年4月上旬 返事が届く

ヤッタ〜〜〜〜〜〜〜!!!ついに!!ついに!!!

手帳、ゲットだぜ!!!!

ここまで一年かかりました。長かった...。

しかし受け取りは5月の中旬、しかも何級かの記載がない。

少し不安を感じましたが、とりあえず交付が決まり肩の荷がおりました。


・2020年5月 手帳を受け取りに行く

この時すでにコロナ禍になっていたため、母が受け取りに行ってくれました。

級は.........

え...?

5級......?

呆然としました。

診断書に記載されている2級は無理かなあとは思っていましたが、まさか5級になるとは思っていませんでした。

窓口でもらった紙には「四肢の筋力低下は軽度であること、握力が5kg以上とされていることなどを基準に照らし合わせて判断した結果」だと書いてありました。

母が区役所の窓口で、一番最初に申請して却下された診断書とほぼ同じ内容のものが東京都では2級で通ってると伝えたら、「判断基準は全国一律です」と言われたそうです。

いや、全国一律になってないじゃん?なんでそこ嘘つくの?(笑)

5級だと補装具支給制度で私の欲しい電動車椅子は購入できそうにないため、補装具の申請はとりあえず保留になりました。


・2020年6月〜8月 電動車椅子を自費購入する

あまりにも手帳の申請が上手くいかないので、自費購入をすることにしました。

悔しい気持ちもあったのですが、手帳の申請は1からやり直しで、望んだ等級で通ったとしてもそこからまた補装具の申請をすることになり、ゴールまで最低でも一年半くらいかかりそうだなと予測し、もうそんなに待てないと思ったので買うことを決意しました。

金額的に簡単に買えるものではないのですが、5月に障害年金の申請が通っていたのでそのお金を使いました。
(障害年金についてはまた後日纏めたいと思います!)

業者の方に来ていただいて家の周りで試乗をしたり、電車に乗って少し遠くに出かけたりもしました。

乗り心地もよく気に入ったので、購入!

WHILLのModel C です!

通常のものより背もたれを大きくしてもらいました。

今はこれに乗ってブイブイ言わせてます!(笑)


・2020年7月〜9月 3度目の申請をする

もちろん手帳の申請を諦めたわけではありません。

級によって使える制度やサービスも変わってくるので、級を上げるために再度申請の準備をしました。

主治医の先生とスーパー有識者の方に相談した結果、疾病名POTSでこれ以上のことを書くのは無理なので、ME/CFSの先生に診断書の作成をお願いすることになりました。

その先生がいる病院までは新幹線で2時間半かかります。行くだけでも本当に大変でした。

2回の通院でいくつか検査をしてもらい、肢体不自由と心臓の2つで申請をすることになりました。

肢体不自由の方の内容は
・疾病名 慢性疲労症候群(筋痛性脳脊髄炎)
・全身倦怠感、めまい、ふらつき、下痢、立っていられない...などの症状がたくさん書いてある
・臥位が主体の生活
・ロンベルグ試験陽性、片足立ち、継ぎ足歩行不能
・起立不耐症、平衡障害、線維筋痛症
・〇✕表などは前回と特に変わりなし
・3級相当

心臓の方は
・疾病名 慢性疲労症候群(筋痛性脳脊髄炎)
・肢体不自由の方と同じように症状がたくさん書いてある
・スモールハート(小左室、低心拍出量)
・外出時は電動車椅子
・3級相当

心臓の方はもっと色々書いてあったのですが、専門用語が多く私自身が理解できていないため、省略しました。

先生が診断書を書きながら「言い方が悪いかもしれないけど、あなたは立派な障害者。最低でも3級は取れないとおかしい」と仰っていました。

またここから自治体とのバトルが始まり、上手くいかないかもと不安な気持ちでいっぱいになりましたが、病院の近くで食べたお寿司が最高に美味しかったのでメンタルリセットできました!

マグロしか勝たん。


・2020年11月中旬 返事が届く

また保留?!もう見飽きたんですけど〜〜〜?!?!

別紙の先生への質問は

・心エコー検査や他の心機能検査の結果を時系列的に教えてね!

これだけでした。珍しい。(?)

郵送で先生に追記をお願いした後、本来なら追記後に書類を先生から私に送付していただいて、また私が区役所に持っていくという流れてなのですが、先生が直接自治体に送付をしてくださったようで、先生がどんなことを追記されたのか確認ができませんでした。


・2020年12月下旬 返事が届く

ヤッタ〜〜〜〜〜!!!保留1回で済んだ〜〜〜!!

手帳、ゲットだぜ!!!!

9月に申請してから3ヶ月で交付のお知らせきたの嬉しすぎる〜〜〜!

...しかしまた級の記載がありません。不安が募ります。

受け取りは1月の中旬。ドキドキしながら過ごしました。


・2021年1月中旬 2度目の手帳の受け取りに行く

今回は私が受け行きました。

結果は.........

.........!!!

3級だ!!!第1種になった!!!!

やったぞ〜〜〜〜!!!!これで手帳の申請おしまいだ〜〜〜!!

...あれ?そういえば心臓の方はどうなったんだ?

却下されてました(笑)

通ったのは肢体不自由の方だけで、心臓は通りませんでした!残念!

ちなみに却下の理由は「心電図所見や胸部エックス線所見等に認定基準に該当する項目がみられないため」だそうです。

2級にはなりませんでしたが、3級でも使える制度やサービスは充実しているので、これにて自治体とのバトルはおしまいです!

初めて申請をしてから3級になるまで、約1年半かかりました。長かった!!!

主治医の先生、ME/CFSの先生、スーパー有識者の方、本当に本当にありがとうございました。


さて、ここまで色々と書きましたが、結局は自治体次第だと思います。

私が主治医の先生に書いていただいた5級の診断書と全く同じ内容のものが、他の自治体ではもっと上の級で通るかもしれないし、却下になるかもしれない。

どんな結果が出るかは申請してみないと分からないんですよね。住んでいる場所によって級が変わるって、だいぶおかしいとは思うんですけど。

以前主治医の先生が、「POTSは知られていない病気だから、大変だけど患者さんたちで前例を作っていくしかない。これで通る!っていうテンプレートができたら一番いいんだけどね」と仰っていて、私はそのテンプレートを作るお手伝いができたらいいなと思っていました。

結局うちの自治体は疾病名POTSでは上手くいきませんでしたが、この先この結果が先生や他の患者さんの役に立つことがあればいいなと思います。

あと個人的には障害年金みたいに「その他」っていう診断書様式を障害者手帳の方にも作って欲しいなと思いました。

*障害年金には「血液・造血器・その他の障害者用」という診断書様式があります。POTSやME/CFSで障害年金の申請をするならこの診断書がおすすめです!


POTSやME/CFSで障害者手帳を取ろうと思っている全国の患者の皆さん、大変だとは思いますが、諦めずに頑張って欲しいです。

みんなで情報集めて、そのうち「起立不耐症関連の障害者手帳 全国難易度ランキング」を作りましょう!!!

ちなみにスーパー有識者の方によると、うちの自治体は難易度かなり高めらしいです。ランキングの上位狙えそうですね。

私がどこに住んでいるかは写真をよく見れば分かると思います!同じ地域にお住みのPOTSやME/CFSの患者さん、一緒に頑張りましょうね...!

ハルさんが旅立った1ヶ月後、新たにうちの子になったばぶちゃん猫のニコです。

3級の手帳をゲットした日、机の上に置いておいたら即おもちゃにされました。大事なものだからやめてね。


~完~

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