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今しか見れない!子どもが描く『頭足人』

皆さん『頭足人(とうそくじん)』ってご存知ですか?

頭足人間(とうそくにんげん、または頭足人(とうそくじん))は、頭(顔)から直接、足が生えた絵のことで、幼児の初期の描画に現れる特徴である。タコやイカなど頭足類に構造が似ているため頭足人と呼ばれる。
Wikipediaより

書かれている通り顔から直接足と手が生えただけのなんの事もないイラストなのですが、実はこれ、大体3歳から4歳の時期になると子供たちが揃って描くという事で知られている絵とのことなんです。

私には4歳になったばかりの息子が一人いるのですが、昨年の秋に、3歳だった息子が公園の地面に絵を描いていたところ、一緒にいた姉が『頭足人』なるものだと教えてくれました

昨年の秋に描いた頭足人。

そして今も息子が同じような絵を何度も描き続けています。

姉によると、5歳以降なると胴体を描くようになってくるので今の時期にしか描いてくれない絵なんだとか。

それを聞いた私の脳内。

一瞬の時期にみんなが揃って同じもの描き出す・・・・・・

宇宙からのメッセージ!!!!!!(笑)

SF的というか、神秘的なものに感じてとてもきになったので、科学的根拠があるのかなど調べて見ました。


子供の絵の発達段階については、研究アメリカのローエンフェルドという方の研究が有名で、発達に伴う子ども達の絵の変化を年齢と段階によってわかりやすくした指標があるようでした。

(1)擦画期(1才~2才)
クレヨン・鉛筆などを壁や床や紙になすりつける

(2)錯画期(1才6ケ月~3才)
強い線をたくさん引いて『なぐり描き』をする
曲線や円形の線も描けるようになる

(3)象徴期(3才~4才)
三角や四角や円らしき記号を描く
(頭足人はこの段階)

(4)カタログ期(3才~5才)
色々な形を描く
大小関係、因果関係など関連性がないものを並べて描く

(5)図式前期(5才~6才)
大小などの関係づけがある、物の固有色を使う
画面に上下左右があり、地面の線を引くようになる

(6)図式後期(7才以上)
見えた通りに描けるようになり、写実をし始める
物と物の重なり、遠近、立体的な表現ができるようになる
地平線や水平線が見られるようになる


(参考記事)
https://www.geijyutuniyoru.com/blog/?p=662
https://www.geijyutuniyoru.com/kenkyunote/kenkyuunote-6.html

赤ちゃんの時に体や自分の手の運動が画材を使うことでの痕跡として現れる、という単純なことが楽しいということから絵を描き始める。そして描ける図形をどんどん増やしていく。

やがて、人とはこんなもの、家とはこんなもの、自動車とはこんなもの、というように一つ一つの事物についての認識が芽生え、見たままのものを描くことに興味を持っていく。


子供の絵は万国共通でこのような同じ発達の道筋をたどっていく傾向があるそうです。(早さ遅さの違いがあったり、全員があてはまるものではないそう)

そして三角や四角や円らしき記号が描けるようになってきた象徴期に『頭足人』を描く。
その後しっかり実物を認識して描くことを意識し始める5・6歳になると胴体が現れてしまい、すっかり描いてくれなくなる。

なるほど、それで皆同じ時期に同じ絵を描くということなんですね。

なぜ胴体を描かないのか、についてもヒントになる情報がありました。

モリーン・コックスが、できあがった頭足人間にへそを書き込むように求める実験を行ったところ、半数の子供は頭の内部の下の方に描き加え、半数は足の間に描き入れた。この事から、幼児にとって胴体は人物画に絶対に必要なパーツとは考えられていないことが示唆された
wikipediaより

幼児にとって、胴体はあまり重要視されていないということのようですね〜。

あと、これは仮説ではありますが、お母さんにおっぱいもらっている時や抱っこされてる時って、胴体は見えないので、まだ小さい子どもにとって顔以外が印象に残っていない、という事も関係していたりするのかなと思ったりしました。

頭足人をなんで描くのかについて調べてみましたが、
初めは脳の発達とかが関係しているのかなと思ったのですが「発達心理学」と言う分野が関連しているそう。

子供に向けたサービスやデザインを考えるときに役に立つ要素も出てきそう?
この分野、今後もウォッチしていきたいと思います。




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