見出し画像

なんでもない日のよるごはん

一人暮らしをはじめて
一ヶ月が経っても、
一人で食べるごはんに
感動することはなかった。

でも、
今日はなんとも言えない
満たされた感情
になって
不思議な気持ちになった。

夜19時、
お手伝いに行った牧場から帰ってきて
シャワーを浴びて食卓を見たら
小さいタッパーに入ったポテトサラダが
置いてあった。

状況を把握できず、「魔法かな?」
と一瞬本気で思った。

最近、夢をよく見るからか
なおさらそんなふうに思ってしまう。


大家さんは、
時々こんなふうに食べ物を持ってきてくれる。

それでもあの時の私は
状況が把握できなかったのはどうしてだろう。


買い物してないせいで
数少ない冷蔵庫に残った食材で作ったパスタ

この一ヶ月の中で一番の出来に感じたし、

人がつくってくれたポテトサラダは、
こんなにおいしいんだと感動した。

今日の夜ごはんは、
今まで食べた食事の中で
上位に入るおいしさ
だった。

本当になんでもない日の
なんでもない食事だったのに。


だって今日は、
9時からの授業は眠いし、
頭使うしで疲れちゃって、

こゆ財団のオフィスで
梨を一切れもらって

午後は、
ヒッチハイクぶりに牧場に
手伝いに行った。

みんな私の話をすごく楽しそうに聞いてくれて
うれしくなるし、みんなの話ももっと聞きたくて
何度も会いに行きたくなる人たち
だ。

気をつかわずにいてくれるのもうれしい。
(もちろん猫たちも。)

夕立ちに社長とその息子さん、
そこで働くこれからの進路に迷う
二十歳の子たちの話を聞きながら、

私は、
ほとんどの知らない単語を
意味のある言葉ではなく、
単なる音としてしか捉えられなかった。

それでも、
彼らが真剣に命を担う仕事に
向き合おうとしているのが
薄暗い中でも
表情や仕草から伝わってきた。


きっと今日の夜ごはんは、
毎日のように顔を合わせている
さとのば大学のみんなや
こゆ財団の人たち、

ヒッチハイク後に
早く会いに行って話したかった
みんなに会えたから
こんなにおいしかったのかもしれない。

なんでもない日なんだけど、
そんな日が実は一番幸せなのかもな
と思った火曜日なのであった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?