昨日は久々にしびれました。
プロ野球という超シビアな世界で、ロマンが見られました。
どうぞプロ野球のことを知らない人も読んでください。

埼玉西武ライオンズVS福岡ソフトバンクホークスの試合で、ライオンズの先発ピッチャー平良(たいら)投手が、ツーアウトランナー一二塁のピンチを迎えました。次のバッターは、巧みなバットコントロールセンスを持つホークスの近藤選手です。超ピンチです。スコアは0-0の緊迫した大事な場面です。ツーボールノーストライクまで投げたところで平良投手がベンチのコーチ達に何かジェスチャーしてます。
何と申告敬遠しろと具申している！（※申告敬遠とはボールを投げずに打者を１塁に進めることです)
まさか！近藤選手の次のバッターはリーグで１位２位を争う日本代表クラスのギータこと柳田選手です。申告敬遠のセオリーは、強打者との勝負を避けて、次の打者が抑えやすい場合に用いる戦術です。平良は申告敬遠した次の選手が相手チームの最強打者と勝負するという選択でした。

これは奇策でした。解説も前代未聞で驚いてました。僕も驚きました。

ホークスファンはもとより、柳田選手は燃えに燃えたことでしょう。

「なめられたもんだ。俺を抑えられるつもりでいやがる」

そんなことを考えながら、バッターボックスに向かったことでしょう。

闘志満々の柳田は初球をセンター前に運び、見事２点タイムリー！均衡を破りホークスが先に得点しました。

いやー打たれたかー！と思いましたが、でも久々にプロ野球を見てワクワクしました。打たれても抑えてもどっちでもいいやと思いました。やっぱりライオンズファンだから抑えて欲しいけど、この常識外れのマンガのような展開を見せてくれたことに清々しい気持ちになりました。


平良は元々ぶっ飛んだ性格なのですが、コーチ陣も平良の具申に賛同したのが粋に感じました。
(マニアックに言うと）満塁にして守りやすくするとか、もちろん勝てるという合理的な判断があったからこその決断でしょうが、いやいや、もう最下位の負けてばっかりの埼玉西武ライオンズなのでやけっぱちになったのかも知れません。

プロだから勝つことが価値です。
どんな形でもとにかく勝たなければならない。それがプロスポーツの本質であり宿命です。
でもそれだけだとつまらない。
昨日の平良とライオンズを見てそう思いました。

やっぱり人生ムダなロマンがないとつまんないです。
素晴らしい勝負でした！

おしまい