見出し画像

気が付いたらパリはポルト・サン=マルタン劇場にいた

 感想ってどうやって書くんだっけってnoteの編集画面と対峙するたびに思います。
 言葉をうまくまとめる能力がないからだし、そもそもコンスタントにインプットもアウトプットも出来てないからなんだよなー!と、細かい話は全部いいわけなんで割愛します(悲しくなってきた)

 本記事は舞台Edmondの話をしているので、何も知らずに観劇されたい方にはおすすめできないので何卒ご注意くださいね。特に配慮等はしておりません。

 現場的意味合いのお出かけとしては2022年末以来の遠征でした。今回の場所は東京・新国立劇場。
 4月頭から上演されていた加藤シゲアキ氏主演の「Edmond~シラノ・ド・ベルジュラックを書いた男~」を東京千秋楽1日前にようやく観劇できました。主演がラジオで「先に映画観ておいた方がより楽しめるよ」と言ってくれていたにも関わらず、映画を観る時間を作れずにいたので移動時間中に観ました。まだ最後まで観れてないんですけど面白い映画でした!テンポがよくて見飽きなかったし、字幕で観たのでフランス語が耳障りよくて。好きだな!と率直に思いました。

 舞台の感想としては、本当に映画を観ておいてよかったー!に尽きます。いやもう韻文ってなに?あんなにまだるっこしい言い方するわけ?難しすぎるんだが?泣きそう、と舞台始まってすぐに思いました。思いませんでした?散文劇が流行りだした時なら尚更韻文劇が冗長に感じたろうなあと感じたけど、実際どうだったのかな。
 一方で映画は韻文劇そのまんまを日本語で表した、ということはなく、現代人の我々でも汲み取れる意訳をされていたのか、とても分かりやすかったです。だから映画を観たほうが(理解しやすくて)良いよと教えてくれたのかなと観劇中にニヤニヤしたり。嬉しかったよ、ありがとう!

 舞台の細かいことはあまり覚えてないんだけど(加藤シゲアキ氏はずっと格好良かったしずっとテンパってて大変そうだった)、役者が舞台装置を動かしたりしていて本当に大変な舞台だなって感じたなあ。ベッドを出したり椅子を出したりドアを出したり机を出したり…。言い出したらキリがないけど、どれもこれもシーンが変わるごとに慌ただしく出たり引っ込んだりするのを暗転越しに見ていて、普通の舞台よりも体力がゴリゴリに削られて夜なんて爆睡しか出来なさそうと感じました。熟睡できそうな運動量だったのに、旅行にいく体力持ち合わせてるのどんな体力してるの?体力おばけにも程がない?
 それはそれとして、細かいこと覚えてないとかいう割にちまちまと覚えていたりするんですが、最後のシーン好きだったな。エドモンがジャンヌにこれから先も自分の作品のヒロインとして舞台に立って欲しいと懇願するシーン。
 ジャンヌは尊敬が恋心になり、最後には傑作を目の当たりにして畏敬の念を抱き、エドモンはジャンヌに対し女神以上の感情を抱いたのか?と思わせる描写。加藤シゲアキ氏の演技たるや素敵が過ぎた。エドモンの心情的には大好評を獲得できたのはジャンヌが居たからこそなので、明確に恋情も利用しようとしてるのだなと感じたんだけどまーーー見事な振られ方!ジャンヌ役の平さんの瞳の輝きよ。素晴らしかったなぁ。
 それに劇中の本番からカーテンコールに至るまで、新国立劇場をポルト・サン=マルタン劇場にしてくれて感謝します。空気はもうパリだった。

 エドモンが舞台上を、いやパリを。駆け回る様はほんっと〜〜〜に良かった。この感じた「良さ」は舞台で得られたものだから、もう一度観ておきたかったなぁ。円盤にしてくれないかなぁ。難しいよなぁ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?