マガジンのカバー画像

わたしのこと

166
わたし、を見せるのが一番苦手な私。少しずつ、ぽつぽつと、語っていこう。リハビリみたいな気持ちで。
運営しているクリエイター

2019年8月の記事一覧

9月1日まであと20分

10代まであと少し、の娘がいる。 宿題がなによりも嫌いで、学校に行きたくないと、よくつぶやいている。 「しなきゃいいし、行かなくていい。」と言ったら、決まって「だからー、そういうわけにいかないんだよ!」と怒られる。 ーーーーー 私の10代はめちゃくちゃだった。前半はまだ、優等生だったように思う。 たぶん宿題も適当に終わらせていたし、新学期を迎えることになんの抵抗も、なかった。 中学に入ってから、家庭環境が終わっていたので、学校にまで気が回らなくなった。 宿題をや

はれのちくもり、ときどき発熱

うちは、変わっている。 少なくとも『一般的な』家庭ではないことは確かだ。 世間ではこれを単身赴任と呼ぶのかもしれないが、我が家は『別居家族』という形を取っている。夫は仕事の都合上便利なところに単独で、私は娘と2人で、それぞれに拠点を持ち普段は別々に生活している。 結婚前の一人暮らしが長かったこともあり、別居にあたって夫の食事や身の回りの世話を心配したことはないし、出張が多く多忙な彼がどこにいるのかさえあまり把握していないのでよく驚かれる。 そんな夫はたまにこちらの家に

祈り

私の世界をそっと包み込んで、守ってくれる柔らかで優しい繭。 水面に広がる泡のように、夜空に浮かぶ花火のように、そして心から想いがふつふつと沸き立つように、暗い底から目覚める無数の祈り。 ことばの海をただよううちに、ボートはどんどん流されて、どこへ向かうのかは誰も知らない。 ーーーーー 少し長めの旅から帰ったら、Kojiさんから温かいことばと共に、素敵なブックカバーが届いていた。 以前から気になっていたカバーを2つ、どちらもお願いすることにした。自分の目で見て、触って

泳ぐのに、安全でも適切でもありません

私が人生において一番ハマった小説家は、たぶん江國香織だ。 小説を読み始めて一番最初に収集しだしたのが宗田理、それから一時期は吉本ばなな、そして不思議なくらいドハマりした江國香織。 私は、誰かの小説にいったんハマると、その人の作品全てを読まなきゃ気が済まないたちだ。 基本的に本を読むのが早くて買うのがもったいないという理由と、そもそも全て集めるお金もなかったから、好きな小説家の作品は、ほとんど図書館に通い詰めてひたすら読みあさった。 そんな私がどうしてもこの人の本は自分

しあわせの香り

近頃、娘がとてつもなくかわいい。 というだけの、おもしろくもなんともない、お話。 ーーーーー うちの娘はわりと早い段階からおしゃべりで、歩くより先にペラペラといろんなことをしゃべっていた。 私もそうだったらしいし、うちの母もほっといてもひとりでしゃべっているタイプだから、これはきっと母方の遺伝だろう。 身体が小柄で運動能力は同級生に比べると低いのに、口だけは立派に一人前で、しかも内弁慶だった娘は、幼い頃はとにかく可愛げがなかった。 少なくとも私にとっては。 イヤ