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わたしのこと

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わたし、を見せるのが一番苦手な私。少しずつ、ぽつぽつと、語っていこう。リハビリみたいな気持ちで。
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#人生を変えた出会い

はれのちくもり、ときどき発熱

うちは、変わっている。 少なくとも『一般的な』家庭ではないことは確かだ。 世間ではこれを単身赴任と呼ぶのかもしれないが、我が家は『別居家族』という形を取っている。夫は仕事の都合上便利なところに単独で、私は娘と2人で、それぞれに拠点を持ち普段は別々に生活している。 結婚前の一人暮らしが長かったこともあり、別居にあたって夫の食事や身の回りの世話を心配したことはないし、出張が多く多忙な彼がどこにいるのかさえあまり把握していないのでよく驚かれる。 そんな夫はたまにこちらの家に

あの日、ふいに扉が開いた

昔からどんなに仲の良い友達にも、自分の気持ちをそのまんまに、心をひらいて話す、ということが苦手だった。 ヒトミは秘密主義だよね、っていつも、言われた。 人に話すとすべてが終わりになる、という脅迫観念みたいなものが、ぬぐえなかった。 いったい、なにが? 分からない。でもこわい。すべてを見せることは、できない。 私がnoteを始めたきっかけは、ここで定期的に投稿されている、ある好きなひとの文章を読みたい、ただそれだけだった。アカウントはとったけど、見るだけ。 note

カップの向こうに

落ち着きがないことに定評がある私でも、本と珈琲、それから座り心地の良いソファーがあれば、たぶん同じ場所に何時間でもいられる。 幼い頃からとにかく本が好きだった。 学校から帰ったら図書館に行って17時のチャイムがなるまで本を読みあさり、一度に借りられる上限まで本を自転車の前カゴに詰め込んでは家路を急いだ。 どんなに分厚い本を何冊も借りてきても、3日もすればすべて読み終わってしまう。学校の図書室で使う図書カードはすぐにいっぱいになり、最寄りの古びた図書館の児童書コーナーはし

オバサンのイヤイヤ期

こどもというのは、とかく騒々しいものだ。 自分に娘ができてはじめて、こどもってなんてうるさくって激しくって、熱量の大きないきものなんだろうと、心底驚かされた。 感情の振り幅がとてつもなく広く、気分がジェットコースターのようにめまぐるしく変化する彼女は、毎日朝から晩まで全力で生ききって、死んだように眠りにつく。 なんてダイナミックな人生を生きているんだろう。 私はかつてこんなに一日を全力で生きたことがあるだろうか。 でもきっと、みんな自分のことは棚に上げて、すっかり大