見出し画像

あなたの産まれてきた理由はなんですか?

ああ、旅に出たいな。

と思った時、行き先をみんなどうやって決めているのだろう。


私にとって旅先を決める基準となるのは、そこに行くとどんな景色が見られるかということと、ここのコレ食べてみたい!という、本能に突き動かされるような衝動だ。

いつ死ぬかもしれない今世で、どうしてもこの瞳で見ておきたい景色や、自分の舌で味わってみたい食べ物のために、いろんなものを犠牲にしてでも飛んで行きたい!と思う場所が見つかったら、それはもう行くしかないのだと思う。

ーーーーー

その昔、女友達と3人で台湾に行ったことがある。

当時いまの5倍くらいの勢いで、なにかに取り憑かれたかのように怒涛のカロリー摂取をしていた私にとって、台湾というところはまさに食のパラダイスだった。

食べたいものがありすぎて、小籠包の店を出て数分後には担仔麺の店へ、なんてことを毎食繰り返す。名物の夜市だって当然一か所に絞れるわけもなく、お店をハシゴする(単に市場内で、だけでなく、数軒回って別の夜市へ→なので店は数え切れない!)ということになる。

ガイドブックで見かけた気になるメニューを片っ端から制覇していくフードファイターばりの私に、若干ひきながらもなんとかついてきたあの2人はなかなかの猛者だと思う。


そんな旅程のなか、ひとりの友達の唯一の希望がどうしても台湾の占いに行ってみたい!ということだったので、興味ゼロだったけど私もお供することになった。

ガイドブックでいろいろ調べて、日本語が話せるという条件でたくさんの占い師さんの中からその子が選んだのは、とある雑居ビルにお店を構えるおばさんだった。

そのおばさんは占う人を人相・手相と出生地や誕生日などで見るらしく、産まれた場所や時刻まで詳しく事前に調べて行かないといけないとのこと。占いの類を一切信用していない私は、「どうせ観光客相手に適当なことを言ってぼったくっているのだろう」くらいにしか考えていなかったため、真剣な友達を横目に「これが終わったらお昼はなにを食べようかな」などと、話半分うわの空で聞いていた。

そんな私に、占い終わった2人が「せっかくここまで来たんだから、やっぱり占ってもらったら?」としきりに誘ってくるので、そんなに言うんなら…と、しぶしぶ見てもらうことになった。

事前になにも準備してこなかったので、産まれた時間など正確には分からないと言ったら、それなら細かいところまでは見れないんだけど…などとブツブツつぶやきながら、おばさんはまじまじと私の顔を見てから手を取り、「うん、アナタは食べるために産まれてきた人だわね!」と断言した。


「アナタは朝起きてまず、今日は何を食べようかなって考えるでしょう?今日もココに来る前にもう、なんかオイシイ物食べてきたんでしょ。」


へ?なぜわかる??

私がどうしても行きたかった胡椒餅の老舗に開店前から並ぶ気満々で苦手な早起きをして、でもその前にちょっと気になるお粥屋さんに立ち寄ってお粥だけでなくそこのお兄さんイチオシの豚の天ぷらもついつい頼んじゃって、まあまあ満腹なのにアツアツの胡椒餅を見たら我慢できず2個も買っちゃったこと、あれ全部バレてんの?


マ・ジ・か・よ(笑)(笑)


そのあと、おばさんが私に語った内容はすべてがあまりにも的確で、ずっとお腹を抱えて笑いっぱなしだった。

家族のこと、パートナーのこと、お金の使い方、周りの人との付き合い方など、私の日常をまるで空から見ていたかのようにズバズバ言い当てるおばさんに感服した。占いなんて一度も信じたことはないけど、このおばさんの言うことならなんだか本当のような気がする、素直にそう思えた。


「アナタは食べることで福が来るからとってもイイよ!」


なんといっても食に関する私の運気はすごいらしい。

一緒に行った友達は「落ち込むことがあったらあの子のところに行きなさい。あの子といるといつでも美味しいものに恵まれるからあなたも元気になれるよ」とまで言われていた(笑)


それからの私は、どこへ行ってもなにをするにも『食』を人生のど真ん中においている。あのとき、おばさんの言葉に確信を持って「ああそうだ、私は食べるためにこの世に産まれてきたんだ!」と思えたから。


私といると美味しいものに恵まれて、しあわせになれるよ。

自信を持って、みんなにそう言える自分でいようと決めた。


今日はなにを食べようかな♪♪♪

そうやっていつもワクワクしながら毎日を過ごそう。


そろそろ旅にも出たいな。訪れたことのない、どこかへ。

自分の美味しいものレーダーを信じて、ガイドブックにも載ってない路地裏の名店を探しに行こう。

大切なひとたちと一緒に。

サポートというかたちの愛が嬉しいです。素直に受け取って、大切なひとや届けたい気持ちのために、循環させてもらいますね。読んでくださったあなたに、幸ありますよう。