カラフルな音をさがして

こんなにも雨が長く続くのは初めてかもしれない。

太陽はともかく星も月も見えないことがこんなにもつらいだなんて知らなかった。

景色はぜんぶ灰色、何食べても気分は灰色
音も灰色、人は砂つぶ。

満員電車から降りる人は、とめどなく吐き出された砂のように見えた。


とにかく色が欲しかった。すがるように行ったのはミタカ オルゴール館だった。



小さな部屋の中、一面にオルゴールが並んでいる。

よく来たね。そんなふうに声をかけてくれている気がした。

係りの人が説明をしながら、1時間ほどさまざまなオルゴールを聴かせてくれる。


柔らかな音が、心まで響く。

弾かれた鉄の音は星のような色をしている。


こちらはお人形が踊るオルゴール。かつては駅中に置かれていたもので、待ち人たちがコインを入れて聴いたそうだ。

くるくると踊る姿が愛らしい。わたしのために踊ってくれる。演奏が終わると思わずありがとうと拍手がでる。

雑踏で見つけたタンポポみたいな色。


びっくりしたのはニケロディオン
1920年代にアメリカでつくられた楽器。
ピアノの中にはアコーディオン、タンバリン、シンバル、ドラム、トライアングル、カスタネットが内蔵されている。

AIなんてものはない時代、
楽器を操るのは穴の空いた紙でできた楽譜。

カラフルな音、生きているみたいに飛んだり、跳ねたり、踊る音。

陽気なメロディーに手をひかれて、体が自然と動き出す。


オルゴールの音はゴッホが描いた星降る夜。

昔、護国寺にあったオルゴール館が無くなってしまってからずっと探していた。

耳を塞ぎたくなるような日常の音やできごとに溺れてしまいそうになるとき、月や星と同じようにオルゴールの音はわたしにとって、なくてはならないもの。

だからこうして、色んなオルゴールを聴かせてくれる、いまでもオルゴールを大切に管理している人にありがとうを伝えたい。

星屑のシャワー、とってもおすすめです。


ミタカ・オルゴール館

〒181-0012 東京都三鷹市上連雀2-2-5 ポリフォニー三鷹 3階

http://mitakaorgel.jp




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きょうは月が見えるかな
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manami

暮らしの気づきや伝統工芸品のすてきな魅力をつづります
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