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【音楽レポ】4thシーズンのテニミュ氷帝公演はテニミュらしさを取り戻したぞ【クラバーの舞台鑑賞】

今年こそは海外フェスに行きたいのにも関わらず、大阪までテニミュを見に行ってしまっている東條みかりです。だって忍足と跡部が好きなんだもの。

今回のテニミュでは、青春学園中等部テニス部はついに氷帝学園のテニス部と関東大会の初戦で対戦することになり、そのストーリーになります。
この俗にいう関東氷帝は、原作ファンから屈指の支持を得ている人気のストーリーで、このストーリーの大目玉である手塚部長と跡部様の試合は、ファンが選ぶ名試合の1位になっていることからテニミュにおいても大きな注目を浴びる演目となっております。

テニミュでは、かつては加藤和樹さんと城田優さんがそれぞれ跡部、手塚を演じてテニミュにおいても絶大な支持を得ているものになっております。実はこの城田優さんが出ていた関東氷帝での忍足侑士は斎藤工さんが演じています。実は(笑)

※こちらが今回のテニミュの登場人物全員になります。一番手前中央にいる銀髪が跡部、眼鏡が手塚です

テニミュの4thシーズンは前回の不動峰公演のレポでもお話した通り、秘伝のタレ形式で使用されていた今までのアンセムは使用されず、全ての曲が新曲となっており、最近の2.5次元舞台らしく、現実のストリームの流行を取り入れている傾向にあります。
※そのため、音楽性を前面に出すことを是とし、ベースミュージックに特化したヒプノシスマイクの舞台(ヒプステ)という本格派に比べ何か分の悪さを感じてしまうものでした

他のお客さんからもSNS等でボロカスに言われたのか、今回の氷帝公演においては「テニミュ」らしい音楽を取り戻したセットリストになっています。
無理に流行に寄せなくてもいいということだと思います。
それは私のようなコアな音楽好きからしてもそれでいいと感じているところです。

本記事では、テニミュの音楽性についてのレポと、どうして私のような音楽好きがテニミュはテニミュらしい音楽性を貫いてくれたらいいと思っているかを実際に渋谷・六本木のクラブでDJしている男の子の観劇感想も交えてレポしていきたいと思います。
※彼が見たのは不動峰公演ですが、かなり面白い感想を言っていたかつ今回のレポに関係あるので交えたいと思います

1.氷帝公演における音楽性とは

前書きでも説明した通り、前回公演の不動峰公演とルドルフ・山吹公演に比べると氷帝公演での楽曲の音楽性は従来のテニミュ(要は3rdシーズンまで)のように、アニソンっぽい、2.5次元ミュージカルっぽい和音と音数の多い音楽になっています。
不動峰公演の伊武君の歌のようにシティポップ、フューチャーファンクっぽいラップのようなものはほとんどなくなったように思います。
また、アニメのテニプリを見ているようなアニメのBGMからのサンプリング曲もなくなりました。
特にアニメや実写ドラマっぽい音楽を無くしたことで、テンポよくミュージカルとしての体裁を整えて、観客の方もミュージカルとして楽しめるようになっていると思います。
そもそも、氷帝戦のストーリーが長くて色々省く必要があるということは置いといて。
また、音楽が従来のテニミュのようになっていて以前から観ているファンにとっては耳なじみもよく鑑賞していて「いつもの味」を噛み締めることが出来るのもいいポイントだと思います。

氷帝公演において従来のテニミュっぽい音楽になっているのは、新テニスの王子様のミュージカルと3rdシーズンで活躍したプロデューサーを迎えているから、のようです。↓は新テニミュの方ですが、クリエイティブチームが3rdシーズンと同じメンバーが多いそうで、今までの路線の参考にしてみてください。※高校生がいるのですが、キャリアのある人を採用しているためクオリティは高いです(笑)

※不動峰公演の感想もあります

2.とはいっても流行は取り入れちゃうよね~跡部のトリックスター~

3rdシーズンと同じく所々EDMというか流行りを取り入れていくことは忘れていないようで、氷帝公演では跡部のトリックスターの歌は他のお客さんの感想をちらほら見聞きしていると「ディスコっぽい」という話を聞くのですが、これは全くのディスコではないものの、ディスコハウスに近いメロディをキックの上に乗せているからだと思います。

・ディスコハウスとはなに
ディスコハウスとは、70年代80年代に流行ったディスコのメロディにテックハウスのキックのリズムが合わさったそこそこ新しいハウスのジャンルになります。
このジャンルはコロナ前の2019年あたりから流行の兆しを見せてから現在に至るまでクラブやEDMフェスで大きな支持を得ていて、Beatportの配信チャートにもしょっちゅう出てくるようになっています。
日本だと石野卓球さんがセットリストに使っていているイメージです
下が大雑把にディスコハウスの例です。最近はテックハウスとの垣根があんまりないような気がする…

・ビッグルームの要素があるけど
跡部のトリックスターの場合はちょっと不思議でビッグルームハウスのようなキックになってい感じがします。アニソンEDMとディスコのメロディーという感じかと思います。
ちなみにビッグルームハウスとはこういうものです。あれこれ述べるより聞いてもらった方が早いかもです。最近はビッグルームハウスもテクノの要素を取り入れてfuture technoとかbigroom technoとか呼ばれるジャンルも出ています。1曲目がbigroom technoです。これはテクノ好きからしたら邪道とか言われてますが(笑)

ビッグルームの要素があるのは跡部が派手で目立ちたがり屋な感じのキャラクターだからだとは思いますが、ここまでゴリゴリのEDMではなくアニソンっぽくマイルドにしているところが聞きやすさもあると思います。

私個人としては、跡部様はもう少しお上品なものがいいと思います。例えば、↓にあるような大人しめハウスで(笑)

ということで、本公演の中心人物である跡部に対してこの曲を使っていくあたりなかなか攻めたものだなと感じました。

3.テニミュはテニミュらしさを大事にしてほしい

これは、不動峰公演を一緒に見たDJの男友達が言っていたのですが、「2.5次元ミュージカルは無理してそんなにTOP40やストリームの流行に合わせなくてもいいのでは?」ということで、作品やキャラらしさを大事にするのが先決であるという意味になります。
私も彼もですが、自分が好きな音楽ジャンルがオタクジャンルに使われるのは嬉しいものです(ダンスミュージックとおたくはかなり縁が遠いので余計に)。
ただ一方で作品の持つ世界観やキャライメージと合っていなければそれは意味ないのではということになります。
昨今はテニミュだけではなく他の2.5次元舞台にもヒップホップやEDMのジャンルを取り入れている傾向にはありますが、作品の持つイメージとかけ離れた音楽を無理して取り入れる必要はないと思います。
テニミュで例えてみますが、テニミュの学校イメージ曲をラップコアやダブステップにするのは違うと思いますし、跡部や手塚にトランスをあてがうのはあまりにも無理があります。
ちなみに、テニプリにおいてはトランスは白石の専売特許となっています。

※DJくんは
「テニミュはアニソンが基本でいいから欧米の流行を取り入れるのはキャラの性格やプロフィールに合うかどうかでいい」
と言っていて、テニミュの作曲については「アニソンのリズム、メロディーの使い方と流行りの音楽ジャンルとの組み合わせ方のバランスが上手い」とも言っていました。

さらにイメージと合わない音楽ジャンルにしてしまうと音楽ファンではなく、テニミュのファンにも反感を買ってしまう可能性もあります。
また、EDMのような曲はクラブやフェスの現場を知らないと結構まがい物になりがちになってしまい、出来損ないになりがちです。
今までの4thテニミュはその傾向に合って普通の「流行っているEDMの要素を詰めたような」アニソン音楽になってしまっていました。
(そのせいかファンの中には違和感を覚えていた人も少なからずいたようです)
さらに今現在はヒプステがあるので中途半端にクラブミュージックに手を出してしまうと作品の個性や音楽のクオリティにおいて不利に働きそうだとも思います。※ヒプステはクラブでのライブパフォーマンスをしているプロデューサーを採用しているためか感覚が鋭いのでクオリティも高いです。

なので、氷帝公演におけるテニミュらしい音楽性の軌道修正は正しい判断だと思います。ファンはキャラや世界観と合っているかその中で流行を駆使して面白い音楽になっているかどうかがキモだと思いますので。

4.やはりアンセムを使わない縛りは難しい

4thシーズンになってからはすべての楽曲が刷新され、3rdシーズンまで使用されていた名曲は使えないという縛りがあるのか、サンプリングどまりになっています。
耳タコのように聞いていたファンにとっては物足りなさもありますが、このアンセムを使えないという縛りは非常に厄介で、テンプレのようにお決まりの盛り上がりどころを当て嵌めることが出来ず、事実上テニミュをほぼイチから作っていかなくてはならない状態ではあります。

もちろんファン達もサブスクリプションや円盤で嫌っちゅうほど、現場で嫌っちゅうほど聞いてきているわけですから「ここにはこの曲!」という様式美も出来上がってイメージがついてしまっているわけです。

この縛りはかなりしんどいもので、何をしてもボロカスに言われてしまうのは避けては通れない道で、4thシーズンのテニミュはクリエイティブチームとファンが手探りで構築していると言っても過言ではありません。
今回の氷帝公演は新テニミュで2年~3年近くのキャリアがある手塚部長、跡部様のガワの人の力量に任せてしまっている部分もあり、ガチのペーペー若手俳優が来たときにも通用するような演出・曲作りが課題になりそうです。
テニミュは無名の若手俳優たちが城田優さんや斎藤工さん、加藤和樹さんのようになっていってテレビや映画、帝国劇場や日生劇場に出ることに夢があり、今もなおその役目を持っているようなので最重要課題かもしれません。

新しいアンセムが作られファンにとって、役者にとっても名曲が出来上がるといいですね


以上、クラブ女子のテニミュレポでした!!!!
今回のおすすめはやたら美しいタカさんです。まさかタカさんに注目すると思いませんでした。。。
「炙りトロサーモンも食べ頃やんな?」って友達と真似してたら知らないお姉さんに笑われました。

東京凱旋のチケットはすべて確保したので、クラブに行きつつ大千秋楽まで見届けます。




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