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夏の思い出 スズメバチ

9月のある日、庭から戻った息子から、恐ろしい言葉を聞かされました。


スズメバチの巣がある。。。しかも大きい。


我が家は平屋でL字型、ちょうど角になってる部屋のガラス戸越しに見える位置にあるよということで、家族4人と猫とで、そーっと覗き込むと。。。

スズメバチがブンブン飛んでた。

毎日通ってるとこなのに! 人の顔くらいの大きさになった巣を、呆然と見上げる私たち。
今日まで誰も気付かなかったって、あり?

市役所ホームページによると、私有地はご自分で。あ、これなら無料で貸すよー。だそう。

いやいやいやいや、プロにお願いしよーよ。素人の推測で、3万かな?スズメバチ。
どう?頼む?
頼むでしょ!オレはやらない。
夫と息子、断固拒否。
娘とワタシと猫は、大きく頷き、ホームページで紹介されている業者さんに電話。翌日予約しました。


約束時間より10分遅れてやってきたオジサンは、謝るでもなく、巣はどこ? と肌着➕作業ズボンという、農家の昼休みみたいな出立ちで巣の下へ。
え?えええ?巣があると知ってから、我々、近づくこともできない危険エリア⚠️ですよー!
丸腰のオジサンは、巣の真下に立つと、
「コガタスズメバチだねー。じゃ、始めまーす」といって、ファンがついたジャンパーに、網のついた「麦わら帽子」姿になった。
え?ホームページの人みたくなんないの?
なんだか、正義のヒーローにしては弱々しい。少し不安。

でも、作業はすすむ。録画してもいいとのこと。クーラーの効いた部屋から、家族揃って見学しました。
じつは、この駆除をみるため、高校生の息子は学校を休んだのです。本日の授業に生物があるんだけど、家でリアル生物授業見るのもいいよね、なんていうプレゼンに納得して、欠席メールを送ったワタシ。
というか、この一連の作業をムスコと一緒に見たかったのはワタシで、そもそも欠席しちゃえって思ってたから、きっと密かに促してたのかもしれない。

さて、オジサン、ちっこい3段脚立にのっかり、巣をごくごくふつーの虫取り網でおおいます。で、そこにシャーシャーと殺虫剤をまく。まくまくまく。
すると、網を外し、大きなヘラで巣を天井から剥がした。
ここまで3分ちょっと。

え?

素手でスズメバチを潰しているオジサン

その後、巣に戻ってくる戻り蜂
というのをまちます。
あっ!蜂がきた!すると、虫取り網でチャッと捕まえ、素手で潰す。
手袋さえしていない。素手なの素手。

漁師さんとか、狩人ととか、そういう職種のプロフェッショナルさに遭遇しているかの深い感動。
勇敢さと経験値。
誤らない判断力。
カッコいい。(惚れないけど)

30分ほど、戻り蜂をまち、戻った蜂は1匹残らずやっつけ、汗だくで終了。

軒先の低い場所だったからと、10600円でした。

蜂、まだブンブンいってんのに、素手な。素手。
女王蜂

おじさんは、取った蜂の巣を分解しながら、蜂の巣の構造、蜂の生態、ニンゲンと蜂の巣の関係、を話してくれてました。
ほんと生きた生物授業だった。

スズメバチをこよなく愛するオジサンの仕事ぶりと、その後の丁寧な説明に、感銘をうけた私たちは、スズメバチへの造詣を深めた気になった1日でした。

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