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【長野からNYへ】 大学院留学の準備編:いつから始動する?出願すらできなかった1年目

米大学院への進学が決まってから、「いつごろから準備したの?」「大学受験に向けて、具体的にどんなことをすればいいの?」という質問もよく聞かれるようになりました。社会人留学の場合、仕事をしながらの準備はなかなか大変です。ネットにもすでに色々な情報は落ちていますが、これから学び直しを考えている人に少しでも参考になるよう、私の個人的な(失敗も含めた)経験を書こうと思います。

いつから準備する?

私が海外大学院への進学を考え始めたのは、2017年の春ごろ。2018年秋入学を目指して情報を調べ始めました。

...が、結論から言うと、この年は完全に準備不足でした。体調不良や家族の事情も重なり、出願すらできませんでした。ただ今思うと、当時は研究分野に関する勉強もまだまだ不十分で、体調や家族を抜きにしても、覚悟と準備が足りていなかったと思います。

出願サイクルがいつごろ始まるかというと、例えばイギリスなら、早くて前年の10月ごろから募集が始まり、申し込んだ人から先着順で随時合否を判断する「ローリング審査」の大学が多い傾向にあります。定員が埋まり次第打ち切られるので、特に留学生の場合は、合格のチャンスを上げるためにできるだけ早く書類を送るのがセオリー。アメリカはだいたい年末〜年明けが締め切りで、一斉審査の大学が多いです(ローリングで5月くらいまで出願できる大学もあります)。

この時期を意識して、少なくとも出願開始(締切)の1年前、いや2年前から準備しても早すぎないと思います。

具体的に何をする?

出願に向けては、主に書類を準備することになります。必要な書類は、CV(履歴書)、志望動機を含むPersonal Statement、語学力テストのスコア、学部時代の成績・卒業証明書。これに加えてアメリカではGRE/GMATという基礎学力テストを受けます。

出願の基本的な流れについては、ネットで検索すればわりと情報を得られるので、それ以外に、時間をかけて少しづつやっておいて良かったな〜と思うものを書きます。

1. 研究分野の論文をひたすら読む。
プログラムや奨学金にもよりますが、Personal Statement(エッセイ)では、単なる志望動機だけでなく、自分の研究の方向性についても触れなくてはいけません。場合によっては、Personal Statementとは別に、詳細な研究計画書を求められる場合があります。私は奨学金の面接で、研究計画書をもとに自分の問題意識や最新の学術研究について突っ込んで聞かれました。

私の場合、学部を卒業してからというもの、恥ずかしながら論文と言えるものを読む機会はほとんどなく、アカデミックな研究の作法も知りませんでした(アカデミック分野のスキルを付けたいと思ったのが、もう一度学び直そうと決めた理由の1つでもあります)。

毎日少しづつ論文、書籍、関連記事を読み、スプレッドシートやワードに論文のタイトルと要点、研究手法、新規性、疑問点をまとめました(アドバイスをもらった先輩たちには、アブストラクトや要点をざっくり読むだけでもいいので、とにかく量を読め!と言われました)。数ヶ月続けると、なんとな〜く、その分野の重要な研究やトレンドがわかってきます。

自分が興味ある分野でどんな研究が行われているのか。流れを理解し、そこに自分がどう貢献したいかを説明できるようにしておけば、出願の書類作成も面接もぐっと楽になります。実際に大学院で勉強を始めるための準備にもなります。

                                
2. エッセイは他の人に読んでもらい、何度も書き直す。
前回の記事でも書いたように、Personal Statementは合否の重要な判断材料になります。なので、自分だけで完結せず、必ず複数人に読んでもらって率直なアドバイスをもらうのが良いと思います。私は海外の友人を含む計4人に読んでもらい、全員が「いいね!」と言ってくれるまで10回以上書き直しました。

留学エージェントが無料で指導・添削してくれるサービスもあるので、それを利用するのも手です。ただ、添削回数や文字数が限られていたり、それ以上のサービスを受けたければ十数万円以上かかることもあるので、私は利用しませんでした。

Personal Statementは「自分のストーリー」です。やっぱり自分で時間をかけて考えたほうが伝わるものが書けるし、自分をよく知ってくれている人に読んでもらう方がいいと個人的には感じます。

さらに、プログラムに合わせて自分をアピールできるよう、少しづつ内容を変える必要があるので、その時間と労力も考えておいた方が良いです。

3. スコアが必要なテスト系は1年前から受ける。
英語圏の場合、非ネイティブならTOEFL/IELTSなどの語学力を証明する試験を受けます。人によりますが、一発で大学が求めるスコアを取れるとは限らないので、できるだけ早めに勉強を開始し、少なくとも出願1年前から試験を受けると余裕が持てます(1年以内のスコア提出を求められることもあるので注意)。

私の場合、英語スコアは問題ありませんでしたが、GREという基礎学力を測るテストで苦労しました。英語試験は留学生の受験を想定していますが、GREは普通のネイティブが受けるテストなのでその分難しくなります。分析思考を問うライティング、数学、語彙・読解力を測るセクションがあり、1年間に5回しか受けられない制限付き&受験料は約200ドルと高額なので、時間的にも財布的にも負担が大きい...。準備万全で望みたいところです。

私は出願直前に3回受けてギリギリ大学が求める水準に達しましたが、けっこう焦ってしまったので、個人的にはTOEFL/IELTSよりも準備を頑張った方が良いと感じます。

もちろん、GREのスコアで合否が決まるわけではなく、総合的に判断されますが、だからこそ準備できるテストで足をひっぱられないようにしておきたいところです。

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出願プロセスのもっと基本的な情報収集をしたい!という方は、書籍を買った方がまとまっていて良いかもしれません。私も、大学院に留学経験のある友人に聞いて以下の本をざっと読んでからプランを決めていきました。



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