見出し画像

万屋だいちゃん

ずいぶん前に少しだけ書いたことがあるかな。
万屋だいちゃんについて書いてみます。

色々と不器用な長男daiですが、
シュタイナー学校に12年間お世話になったおかげだと思っているのですが、
皆と同じことができなくても、自尊心が高く、自立して生活し、仕事にも毎日きちんと通い、人生を楽しんでいるようです。

この「自尊心が高い」というところが本当にありがたく、
高い、というか、普通にってことなんですが、
色々なことが普通にできても自尊心って失いがちじゃないですか。
当の私も本当に自尊心低く、自虐気味だったり、卑下してしまうタイプでした。

一度失った自尊心ってそんなに簡単には取り戻せない。
私もかなり苦労しました。

なので、やっぱり彼が自尊心を多分普通に持てているのは
学校の教育のお陰だろうなと思わざるを得ません。
点数で評価されない。
それぞれの個性を認める周りの視線。
それと共に、それぞれの課題も理解して待ってくれる。
そんな教育のお陰だと思います。
だから、クラスの中で勉強ができないこと=自分はダメ、と思わない。
絵がめちゃくちゃうまい!
本をたくさん読んでいろんなことを知ってる!
手先が器用!
声がキレイ!と、子どもたちはお互いのことを尊敬し合っていました。
daiは、人の誕生日とか記念日、人の顔と名前をきちんと憶えていて、
一番におめでとう!と言ってくれる、なんて言われていたかな。
そうして守られた自尊心は本当に一生の宝だと思っています。

ま、そんなdaiですが、
一人暮らしを始めたばかりだったのに、コロナ架で仕事が一つ減りました。
なので仕事を作ろう!と急遽チラシを作成。
とりあえず20枚を「知り合いのポストに入れて来~い!」と彼に手渡した。
ベルを鳴らして、会えたら直接渡すようにと。

素直な彼はすぐにでかけて
私が仕事を終えるまでにはすべて完了したとLINEがきた。
数人の人には会えたみたいで
「へえ~、すごいね!何かあったらお願いするね」と言ってくれたと。

おもしろかったのは、
私の実家の近くに、子どもたちと同じシュタイナー学校の人が住んでいて
その人に渡しに行ったら
「ついてきて」と言われて
「自治会長さんやねん。紹介するね」と言って、おじさんに渡したとのこと。
「すごいね、Mさん、自治会長さんに紹介してくれたんや」と言っていたら
ひと月ほどして、私の実家の母から
「ちょっと!!自治会の回覧板が回って来たら、daiちゃんのチラシがはさまってるやないの!!もう~!うちの孫ってばれたら、どうしてくれるのよ」と、興奮気味に電話があった。

バレたらなんであかんの?と聞くと、
長年、目立たないように平和に暮らしてきたのに、困るのよ!と。
そして、daiは、何でも器用にできるわけじゃないのに、「万屋」なんて言って、いろんなことを言ってくる人がいるだろうに、云々かんぬん。。。。

要するに、何かクレームでもあって、母の孫だとバレたら、平和に暮らしていけない、というわけでした。

ま、そんなに心配されるほど、仕事くればいいけどさ、最初は知らないおうちから連絡が来たら、私が付いていくから大丈夫よ、と言っても納得いただけず、ぶつぶつ言っておりましたが、そりゃあ、母にしてみたら、回覧板を開いたら孫の顔がど~~ん!ていうチラシがあったらびっくりでしょうね😝

私は、回覧板で周ってると聞いて😲しておもしろい!と思ったけど。
それ以降も、自治会の会合で、会長さんは「そういう時は、万屋だいちゃんに頼むか、公共機関に」と仰ってたそうで、その二択って面白い☆
ほんと、ありがたいことです。

で、万屋(よろずや)だいちゃんとは。。。

画像1

小栗旬主演の「銀魂」に
コロナの休業中に娘とハマっておりまして
そこからアイデアを得て名前もいただきました。

その前から構想はありました。
息子の長所を生かした仕事を作りたい、と思っていて
 彼の面倒見の良さ、
 ルーティン作業への根気、
 人が好きなところ、
 力があって健康で体を動かしたいところ、
 人に喜ばれることが大好きなところ、
 人がめんどくさがる仕事でも腰が軽くできるところ

そういうところを活かすには、いろんなおうちの頼まれごとを募るのが良い、と思っていました。
「ちょっとお願い!」にすぐ駆けつける、そんなイメージです。

我が家では、彼が一人暮らしを始めてから、本当に不便になりました。
いろんな家事も引き受けてくれていて、一番早く帰宅するので、お風呂を沸かす、お米を炊く、回覧板を回す、役場や郵便局の用事をこなす、など、かなり彼を頼っていたのです。
うちの両家のじじばばも、何か用事があると「ちょっとお願い!」とdaiを呼んで、大型ごみ出しの手伝い、季節の冷暖房器具を出したりしまったり、車での送迎、庭の木の枝を切ったり、いろんなことを頼んでくれていました。
その都度、本当に気持ちよく手伝いに行くので、頼みやすいし、いいわ~とじじばばが言うので、ならば、そういうことを仕事にしよう!と思っていたのでした。

ポスティングをしたのは、同じ学校の人たちでdaiと仲良くしてくれている保護者のおうちでした。みなさん、長年daiを知ってくれているので、まずは安心して仕事を頼んでもらえるところから甘えさせてもらおう、と。

ありがたいことに、いくつか立て続けにお仕事をもらいました。

もともと、ディーラーの洗車スタッフを4年していたので、洗車の仕事、庭仕事、窓ふき、山に水を汲みに行く仕事、警備員の補充、車がないおうちのおじいちゃんの病院への送迎や買い物の手伝いなど。

お金をいただくので、窓ふきの仕事の依頼があるとdaiをうちに呼んで、実際に仕事のレクチャーをしてから行かせました。
仕事の帰りには、ガレージに段ボールなんかがあったら、回収場所まで持って行きますよ、などの一声をかけるように伝えました。

私も知り合いなので、みなさん、仕事ぶりについての感想などをLINEでくださって、喜んでもらえているのをお知らせいただいたり、アドバイスをいただくこともありました。彼をよく理解しているからこそのアドバイスは本当にありがたいものです。
彼自身にも、アンケートを持たせ、それに記入してもらうように伝えて、私も見せてもらったり、仕事のビフォーアフターを写真で撮って、万屋だいちゃんのインスタに載せたりしています。

自治会の回覧板のお陰か、知らない方からも電話がありました。
知らない方から電話があったら、私からかけなおすようにしていて、一緒におうちに伺って、どんな用件かをお聞きし、daiにできるかどうかを判断し、受ける場合は、daiについてのことを少しお話します。

不器用なところがあること
具体的に細かい指示が必要なこと(適当に、が難しい)
言葉足らずな部分があること

何か失礼や失敗があったら、すぐに私に知らせてもらうことなど。

実際に、受けた仕事をすっぽかしてしまったことがあったり
(早朝に仕事に行っているので、仕事の後寝過ごしたらしい、ほんとバカ)
草刈りを頼まれて一緒に行ってみたけど、もっと安い人に頼むわ、とおばあちゃんに言われたり。。。(決して高くないけど、知り合いの方が安いと)

でも、そのおばあちゃんにつないでくれたのは、見知らぬ民生委員さん。
家のポストに万屋だいちゃんのチラシが入っていたそうです。

まだ、なかなか、知り合い以外の仕事を受けるには至らず、
私が退職したら、その仕事を本格的に始めようと思っています。

これから必ずニーズがある仕事だと思っているので。
顔見知りの信用できる孫みたいな若者が近くにいて、「ちょっとお願い」と電話すれば、電球を替えたり、自転車のパンク修理をしたり、洗車したり、大きな家具を動かしたり、手伝ってくれると助かるし、近くに身内がいないご老人のお宅を定期的に訪問して話し相手になって、遠くの子供さんとズームでつないであげて様子を知らせたりできたらいいですよね。

早く事業としてきちんと始めたいと思っています。

人が好きで、おしゃべり好きで、働くのが好きなdaiだからこそ、できる仕事だと思っています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?