第一回デュアルオフ カード部門4位 レシラム&リザードンGX
前書き
今回は48名規模の第一回デュアルオフ(http://mamechsiki.xsrv.jp/2018/12/17/dual_off_1/)カード部門で4位となったレシラム&リザードンGX(以後レシリザと表記)のデッキの構築経緯と解説を記事にします。このデッキは第一回デュアルオフでレシリザを使用した11名の中で最も順位の高い所謂「レシリザ全一」の構築です。またレシリザを使用した11名のうち上位から3名がこの構築をもととした60枚を使用しました。早い話がデュアルオフで使われたレシリザのリストの中で最も勝てるレシリザです。配信卓後記事書いてみようかなと思う程度に記事読みたいと言っていただけたので今回筆を取らせていただく運びとなりました。ご覧いただけると幸いです。
以下常態
レシリザを使用した理由
まず初めに、今回はレシリザを使用したが、私は現環境における最強のデッキはウルトラネクロズマGX(以下ウルネクと表記)と評価しており、勝利を目的としてポケモンカードをするならウルネクに勝てないデッキを使用したくないと考えていた(余談ではあるが今もそう考えている)。また、殆どのデッキがウルネクに対して取れても55%程度であり、ウルネクに安定して勝てつつ一定以上のデッキパワーがある既存のアーキタイプはギラティナデスカーンのみであると考えていた。加えて私自身ギラティナデスカーンよりウルネクの方がプレイングに慣れていたため、一週間程度前まではウルネクを使用する予定であった。
しかしながら、身内から「新弾でレシリザと相性のいい溶接工も収録されたのだから折角だしレシリザを使いたい」という声が上がり、実際溶接工というカードは私も高く評価していたため、試しにレシリザを組んでみて使い勝手が良かったらそれを身内に提示し使用しようと考えた。
サンプルリストを作り一人回しを経るうちに、ウルネク絡みのマッチではよくあることだがウルネク対レシリザのマッチはウルネク側が1ターン目にどれだけイカを並べることが出来るかというところで勝負が分かれるという判断になった。しかしながら、採用することによってレシリザ側がウルネクに微有利以上を付けることが可能になる幾つかのメタカードを発見した。そのため、当初の予定を変更しレシリザを使用することになった。
レシリザの特徴
今まで登場し、活躍してきたタッグチームのポケモンを軸としたデッキの強みを改めて考え直してみたところ、
・ピカチュウ&ゼクロムGX
→ゼラオラGX、デデンネGX、カプ・コケコ◇、デンジ、エレキパワー、サンダーマウンテン
・サーナイト&ニンフィアGX
→アブリボン、フェアリーチャーム各種、アセロラ、まんたんのくすり、ワンダーラビリンス◇
・フェローチェ&マッシブーンGX
→ブルーの探索、ルザミーネ◇、アセロラ、ビーストリング、まんたんのくすり、ライフフォレスト◇、ビーストエネルギー◇
といったようにそのアーキタイプの100%の力を発揮するためには多種のカードが必要となるため、構築がある程度一定のものになりやすいように考えられた。
しかしながらレシリザの場合ではHP270から230の打点が出るという単純な数字の強さこそが強みであると考えており、それに必須なパーツはカキや溶接工といったエネ加速手段のみと判断した。それは即ちエネ供給さえ止めないように気を付ければあとは自由に構築できるということを意味している。故に例え相性不利であってもその不利を覆す様なメタカードを複数採用できるため、レシリザの強みとは対応性の広さではないかと考えた。
環境読み
直前のCLであるCL千葉で好成績を収めたフェローチェ&マッシブーンGXやルカリオ&メルメタルGXをメインに据えたデッキは、ダブルブレイズで露骨に強化された炎タイプに消し炭にされるためほぼいないと考えた。
また、勝手な考えではあるがピカチュウ&ゼクロムGXの様な派手な強さを持つポケモンを好むプレイヤーはレシリザに乗り換えるのではないかと考えた。タッグボルトから活躍し続けてきたピカチュウ&ゼクロムGXは多くのプレイヤーに飽きられてきたのではないかとも思っていた。
レシリザを使用した理由でも述べた通りウルネクが最強であると考えていたためウルネクは相当数存在すると想定していた。
ピカゼクやウルネクと同列に3強と謳われたジラサンは対応幅が広い構築であるためサイズの大きいタッグチームを狩ることを意識した構築であれば十分勝ち上がって来るだろうと考えた。
また、あからさまに強化された炎タイプを消火するために水タイプ(主にアゴヌオーとツインカメックス)を使用するプレイヤーも一定数いておかしくないと考え、炎を持っていく以上は消火されない構築を持っていく必要を感じた。
レシピ
こちらが実際に私が使用した構築になります。他のチームメンバーはここからそれぞれ1枚変えたものを使用しました。
レシピ解説
ピカゼクが減った現環境では2ターン目にグズマを使って高打点を浴びせることのできるデッキはほぼいないと考えた。そのため先1カキという言葉が生まれるレベルで先1に打つことが強力なカキを後1で打ってもそこまで大きな損失は無いと考え、1ターン目で起動したレシリザで3枚以上のサイドを取ることで有利な試合を作っていくことを目標にレシピを作成した。
・レシラム&リザードンGX 3枚
構築の主役。2枚動かせればいいので3枚採用。
・バクガメス 1枚
ミラーで鉢巻きつけて殴って相手のレシリザを倒せるとほぼ勝ちに出来るほか、相手のGXポケモンに対して破格の性能を誇るアタッカーなので採用。無くていい試合も多いので1枚。
・ボルケニオン 1枚
後1のフレアスターターは強いが、リーリエが入っていない以上後1もカキを打つ前提なので結果的には不要だった。
・アブソル 1枚
ジラーチ構築に対して要求量を増やすとレシリザの270というサイズに対して殴らなければいけない回数が増えたりするので採用。ベンチ広いデッキでもないので1枚。
・ジラーチ 2枚
フレアストライクの連射には入れ替えが要求されるため、入れ替え先ボードジラーチをすると実質破壊力のあるジラサンになるため採用。またバトル場にいて特性を使っていない状態で後述のマーシャドーを使うことで相手にのみ理不尽を強いることができる。盤面に 1枚置いておけると便利なので2枚。
・カプ・テテフGX 1枚
初期手札にカキが無かった場合ハイパーボールからアクセスしてカキを探す枠。今回は1枚採用となったがリーサル用グズマの確保に使いたいことも多かったため前述のボルケニオンの枠はこのカードの2枚目にすべきであった。
・デデンネGX 1枚
後述のマーシャドーのやぶれかぶれで互いの手札を散らせるのが殆どのデッキへの回答であるが、その際自分の手札が死んでは仕方がないということで気休め程度に1枚採用。
・マーシャドー 3枚
レシラム&リザードンGXが本構築の主役ならこのカードは最高のわき役であり、多くのマッチでゲームプランに関わってくるカード。レシリザを使用した理由に書いたウルネクに対するいくつかのメタカードのうちの1つである。相手がマーイーカを並べる番、カラマネロを作って来る番の直前にやぶれかぶれを使用することで相手がその2つのターンに触れるカードの数を減らすことが出来る。どちらか一方のみしか打てなくても相手のゲームテンポを強制的に落とさせることができるため、相手の盤面が完成するより早くこちらがイカ狩りに持ち込んで試合の大勢を決することが可能である。もちろん両方打てていれば相手はその苦しみを2回味わうことになる。レシリザが色相性的に不利な水もアーゴヨンとヌオーであったり2進化のカメックスを2種類であったりと盤面を完成させるために要求されるカードが多いため、このカードを複数回使用することで相手の盤面完成を許さずゲームを終わらせることが可能になる。デュアルオフ優勝者が唯一敗北した私との試合では、相手のみちしるべに合わせてやぶれかぶれをきっちり3回言うことによりラフレシアの成立を許さず、しっかりと勝つことができた。立ちさえすれば自分の手札にはほとんど関係なく高い破壊力を押し付けられるレシリザと、自分と相手の立ち回りを制限するこのカードは非常に相性がいいと言えそうだ。
・カキ 4枚
1ターン目に打てれば勝てるし打てなければ負けるカードなので4枚採用。
・溶接工 4枚
書いてあること自体は強力なカードであったが、このカードを使うであろう2ターン目以降にはデッキの1/3のエネが盤面に出ているこの構築では4採用する必要はなかった。
・グズマ 3枚
フレアストライク解除やベンチの1エネついたウルネクを狩ることを考えて多めに4枚採用することを考えたが、やぶれかぶれ後相手がベンチで脅威になり得るレベルのポケモンを育てるのはなかなか難しいのではないかと考えて3枚。
・ハイパーボール 4枚
テテフ、デデンネ、マーシャドー等ハイボから触れたら強いカードが多いデッキなので4枚採用。また、序盤にハイボのコストとして手札に来たエネを捨てることでゲーム終盤炎の結晶からエネを拾えるので無難に強いカードだった。
・ネストボール 3枚
テテフやマーシャドーを拾うためミストレと悩んだ枠。先1で手札にカキがあるのにレシリザがいなくて打てないなんてことになったらオフの会場を破壊して出禁になりそうだったので精神衛生上こちらの方がよろしいと考えて採用。4人がこの構築を使用したので、4人で会場を破壊なんてした日には炎上不可避なためこの判断はモラル的に正しかった。
・ポケモン入れ替え 4枚
フレアストライクを連射できると強いなら連射に必要なパーツは限度まで入れておくべきだと考え4枚。1枚あなぬけの紐にするとちょっとラフレシアに強くなれたりはする。
・きずぐすり 3枚
このカードは明確に2つの場面で有効に働くと考えたウルネクへのメタカードである。その場面とは以下の2つである。
1.やぶれたとびらでマーシャドーやジラーチにダメカンを乗せ、バリューの高い滅亡の光を狙ってきたとき
2.シャドーインパクト+シャドーインパクト+こだわり鉢巻きやシャドーインパクト+シャドーインパクト+やぶれた扉でレシリザ取りにきたとき
どちらの場合もダメカン3つ分回復できれば役割は十分に果たせることとモーモーミルク2裏で負け筋潰しに失敗するリスクを考えた結果、回復カードはきずぐすりの採用となった。アセロラ、まんたんのくすりに関しては回復量は非常に魅力的だがその後4エネ取り返すことが困難なことから採用を見送った。上記1の用途では同時に2体にダメカンが乗せられるため2回使いたいと考え3枚採用した。
・炎の結晶 3枚
ゲーム中盤以降のエネの供給源として採用した。最初期の形では炎の結晶2-火打ち石2であったがハイパーボールのコストを意識的にエネルギーにすることや、デデンネGXで積極的に炎エネを切ることによって炎の結晶のみで足りると判断し、その分全体的な枚数を増やした。私はそこまで不便さを感じなかったが、チームメイトの中には火打ち石が欲しかったというプレイヤーもいたため検討の余地はある。
・こだわり鉢巻き 2枚
ゲンガー&ミミッキュGXやピカチュウ&ゼクロムGX、サーナイト&ニンフィアGXを相手にする際にレシリザにつけたりミラーでバクガメスにつけたりする。そこまで欲しい盤面は多くないが欲しい時に触れないと困るタイプのカードと判断して2枚採用した。
・エスケープボード 2枚
ジラーチとパッケージされているカード。1度貼れれば問題ないことと、ポケモン入れ替えで何とかなることが多いことから2枚の採用となった。
・無人発電所 2枚
やぶれかぶれと一緒に打つとミステリートレジャーやハイパーボールが解決札にならなくなるカード。ウルネクに対しミストレテテフワンダータッチリーリエをでやぶれかぶれを突破されるのがあまりにも不快だったため2枚採用した。とはいえ結局は山札の機嫌次第なため絶対に必要なカードというわけでもないため2枚と3枚で悩み、スタジアムが手札で余るとめんどくさいと考えて2枚。
・ヒートファクトリー◇ 1枚
炎デッキなので特に何も考えず1枚採用。本当は4枚採用できるとやぶれかぶれ後自分の事故率が下がるのでぜひとも入れたいところではあるがルールに許されなかった。
・基本炎エネルギー 12枚
カキを使用するデッキとしては少な目の枚数なので山を触る際にはエネと炎の結晶の枚数からどういうペースで切ればいいのか考えると勝ちやすい。本当は13枚採用したかったところだが枠の都合上12枚となった。
不採用カード
・火打石
レシピ解説でも述べたが十分検討価値のあるカードである。今回は序盤カキでエネを付けることから手札にエネが欲しくなるのはある程度山を掘り進めた中盤以降であるという考えから不採用となった。
・あなぬけのひも
ラフレシアが立ってしまった場合であったりウルネク相手に前のギラティナ殴りたくない場合であったりと役立つ場面は多い。実際チームメイトの1人はこのカードを採用した。今回は入れ替え4-ヒモ0の方が入れ替え3-ヒモ1より単純に数字として綺麗に見えたため採用されなかった。
・ビクティニ◇
炎のプリズムスターポケモンとして多くのレシリザのレシピに採用されているが、10枚以上エネが落ちることが無ければビクティニ◇に頼るよりもっとバリューの高いプレイングがあると考え、不採用となった。
・ミュウ
主にピカゼクメタのカード。しかしながらピカゼクは減ると考えていたためそこまでピンポイントなメタを貼る必要はないという判断から不採用となった。
・隠密フード
ラフレシアを焼いたりやぶれたとびらを避けたりできるカード。ラフレシアはやぶれかぶれ複数回で事故らせれば対処可能であり、やぶれたとびらはきずぐすりで対応可能なことから不採用となった。
・ダート自転車
やぶれかぶれ多投する以上自分のハンドが詰まっては元も子もないので本来は採用すべきカード。しかしながら枠が足りず不採用となった。今思うと発電所の枠はここにあてるべきだったという考えもある。
今後変更すべき点
レシピ解説でもふれたようにボルケニオンをカプ・テテフGXの2枚目に変えるのは第一の変更すべき点である。また、1ターン目カキを前提とするのであれば溶接工は1枚打てれば十分な試合が多く、溶接工を2枚減らしてその枠にシロナかリーリエといったドローサポートを入れるべきである。3/10に行われたシティリーグで優勝した非GXズガドーン軸に対しても、現時点での構築では難しいところがあるので対策札を採用すべきといえるだろう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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