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焼き菓子屋開業計画 開店直前

2021年10月4日

9月2日の設計図と現場の
寸法が違ってました問題
からなかなか記事が書けず
オープンが目前に迫ってきたので
駆け足の時系列で


9月6日 熱田神宮へ
商売繁昌を祈念するため
熱田神宮へ まだまだ夏の気配ばっちり
だけど、やはり秋の訪れを感じる
晴天の日、ご祈祷していただき
神宮大麻を授かってまいりました。

まだ、店舗は工事真っ最中
なので、
自宅にお祀りし、毎朝お水を変えて
二礼二拍手一礼

これが、かなり気持ちが引き締まる

喫茶店をしていた祖母が
いつも神棚に手を合わせていた
お世話になっていた
パン屋さんも祀っていた

だから、私もやろう。
くらいの流れでしたが
こんなに気持ちが引き締まるものだとは

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9月最初の週はご挨拶まわり
8月末のniwatocoマルシェの後
作ったお菓子の一部を持って
ご挨拶周りしました。
行った先は
これまでもお世話になったお店、
これからお世話になるであろう
お世話になりたいなという
出店場所の近隣のカフェや
雑貨屋さん、コーヒー店。

お菓子を喜んでいただけて
応援していただけて
インスタでご紹介いただいて
という思わぬ反応に
ありがたいと感じ、
頑張ろうとそのたびに思いました。

ごあいさつ回りで伺った
11cafeさんは
不思議と知り合いが大勢
何かしらでご縁のある
カフェさんで、もともとは
お客さんとして
オープンしたばかりの頃
おじゃましたことがあり、
お子さん育てながら
女性が二人ではじめたと
いうことで憧れをもって
見ていたお店でした。

ご挨拶後にご連絡いただき、
急遽9月12日のイベントに
出店しませんかと
お声がけいただき
早速いつものシェアキッチンを予約

実は9月の
niwatocoマルシェのために
キッチン予約をしていたものの
緊急事態宣言の延長で
マルシェ中止となり
慌てて予約を取り消した翌日に
12日のイベントが決まり慌てて
再度予約するという
日々状況がコロコロ変わる
落ち着かない状態でした

9月9日 シェアキッチンにて
急な予約だったので
すでにキッチンの予約は
かなり詰まっていて、
ここしか取れず。
1日だけの出店なので
いつもの1/3量の製造で
少しだけ落ち着いた作業。
いよいよ、ここを使うのも
最後なのかなと
少し感慨深く思いました。
娘が手伝ってくれて
ちょっといい時間でもありました。

9月12日 イベント出店
11カフェさまにて
このイベントでは
おかげさまでたくさん
新店舗開店の宣伝ができました。
昔、憧れていたカフェの
オーナーさまとも
同じようにお店を持つものとして
お話をすることができ
なんだかとても不思議で
でも嬉しくて誇らしい気持ちに。
今回の11カフェさんでの
イベントの仕掛け人はべじこさん
という野菜アートのイラストレーターさん
こちらの方が、本当に大昔
自宅でパン教室している時に
女性の活躍を応援する集まり
のような場で知り合った方で
フェイスブックでつながっていて
どんどんご活躍されるのをみて
すごいなぁと思っていた方。
そんなべじこさんが
私がお習字で知り合った足つぼの先生
の施術の体験漫画を描かれて
凄い!こんなところでつながるなんて
と驚いていました。
もともと、この足つぼの先生も
このイベントに参加されていて、
こんなイベントがあるんです。
粉粉さんのお菓子が
イベントのコンセプト(健康フェア)
にフィットするかもと
教えてくださったのでした。
でも、その時は急すぎるお話で
カフェのオーナーさまも
また、いずれ、という感じだったのですが
そんな話の少しあとに
ちょうどご挨拶に伺えたので
このイベントは難しくても
いずれは、ということでご挨拶を
終えたという経緯がありました。
また、なんとなんと
カフェのオーナーさんは
以前のパート先で知り合った方の
ママ友でもあったり
我が子の小中時代の
モデルをされているママ友さんの
行きつけのカフェで
よくインスタにもカフェご飯が
登場していたりで本当にご縁だらけ。

イベント当日の販売中も
家族ぐるみでお世話になってる
整体の先生が常連らしく
ふらりと立ち寄られて
あら!となったり。

まったく知らない場所ではない
という安心感の中、久しぶりに
ゆったりとした時間を楽しみました。

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9月13日 火災保険加入
以前から相談していたもの
いよいよ加入手続き

この日は母の送迎や
ペンキの買い出し
材料仕入の業者さんとの打ち合わせ
など時間刻みのスケジュール
この忙しさ芸能人みたい
知らんけど(笑)

9月14日から20日

ぽっかり空いた14日
豊田の農家のお友達を訪問し
糸紬や陶芸をする予定でした
これからはこんな時間
なかなか取れないし、
ちょうど予定がないしと
いうことでの約束
お昼は近くの
早朝から営業している
パン屋さんで何かみつくろって
と考えていた
その当日の朝
かねてから闘病中だった
34年来の旧友の訃報の電話
14日以降
19日の告別式、20日の告別式まで
毎日お別れの会があったので
毎日会いに通いつめ
できる事をさせていただき
この週はお店のことは
すべて夫におまかせとなりました

この週のことは
思い出して書くことは辛いので割愛

9月18日 トラブル発生
そんな辛い週にもかかわらず、
大変な事態が持ち上がりました。

設計図と原寸が13センチ違ってた問題
ここにきて再燃。
この日、
作業台や台下冷蔵庫、シンクに
オーブンが搬入されると
予定していたレイアウトでは
人が入るスペースが足りず
オーブンが使えないことが発覚
苦肉の策としてオーブンを斜めに設置
ラックの位置など大幅に変更
してみるものの
電子レンジを置いたり
収納や事務作業に使う予定の
作業台が入りきらないという
なにより、家庭用冷蔵庫が
入らないという事が発覚

この日から毎日パズルの日々
なんとか、冷蔵庫を入れる方法は
ないものかと。

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9月21日 ワークショップの準備期間
あまりにも色々起こりすぎて
気持ちの整頓が付かないまま
25日26日の漆喰塗りワークショップの準備

近隣の大学生が参加するWS
取り仕切りは本屋さんですが
お昼、差入れ、お土産は
私が引き受けました。
商店街のタイカレー屋、中華屋
お世話になっていたパン屋さん
への予約
人数が毎日コロコロ変わって
結構大変。
お土産用にコストコで買ったおやつや
作ったクッキーを取り交ぜた
詰め合わせセットを作る。

9月24日 防虫
防虫業者さんに入っていただき
しっかりガード
人体には無害のスペシャル薬剤です

9月25日、26日 漆喰塗りワークショップ

いよいよ。といっても
学生さんが主役
やってみたいなと思いつつも
遠慮して
正直差入れの手配以外
やることなくて
手持ち無沙汰(笑)

フラッグ看板つけてみては
と本屋のオーナーさんからご提案
すっかりやりたい気持ちに
ちょうどWSに看板屋さんもいらしたので
相談
結局予算や諸々でペンディングに

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9月27日 漆喰塗り
ワークショップで塗り切れなかった
結構な分量の壁に漆喰塗り
本屋のオーナーさんの希望で
こて跡残る風合いより
職人さんが仕上げてくださった
完璧な壁に合わせて
なるべく滑らかにという
ことで、かなりのプレッシャー(笑)

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この作業で指に怪我したり
指がしびれて二週間たっても
治らなかったり(笑)

さて、オーブンは斜めになったとしても
冷蔵庫が予定の容量のものが
このままではどうしたって
入らないと、あれから毎日
レイアウトをいじったりしながら
考えてもお手上げ。

設計士さんに相談すると
単身用のミニ冷蔵庫を
おススメされて
それでは困るなぁ・・・と

ちょうど手伝いに来てくれた妹に
愚痴ったら、そんなのちゃんと
言った方がいい!
きちんと設計料払ってるなら
言うべきだし、
モヤモヤしたまま
何年もこのキッチン使うなんて
嫌でしょう。
こんなの普通にやり直し案件だよ!

とはいえ、もう明日は保健所の
立ち会いだし翌週には
プレオープン

壁をまた全部取り払って
作り直すのはあまりにも現実的じゃない

なんとかならんかというので
動かせない壁の反対側の壁は
元の壁との隙間があるので
そこをはずして10センチ奥行を
出すという案を夫がひねり出し
すぐ設計士さんに連絡

まず保健所の検査はこのままにして
検査が終わったらすぐ作業に入る
ということに
急遽きまりました。

9月28日 保健所の立ち入り検査と突貫工事

いよいよ検査当日
おかげさまで、滞りなくパス
ただ、厨房前のカウンター床が
コンクリうちっぱなしでした。
それを目にした保健所の方が
すかさず
「この床は?」
と聞かれたので
「この後すぐコーティングの予定です!」
その後無事コーティングをしました。

コンクリの打ちっぱなしはかっこいいけど
古いので劣化がひどく、粉っぽくて
透明のコーティング剤を塗りました
打ちっぱなしの風合いは
そのままになるすぐれもの

当初本屋さん部分は、
コーティングはしない方針
でしたが
やはりすると決意されました。

そして検査終了後、即刻工事開始
もうお会いすることもないと
仲良くなった頃にお別れだった
大工さんにまた会えました

夫がカウンターや扉を作ったり
壁を塗ったり、パテで埋めたりと
すでに弟子のように思っていただいたのか
差入れしていても
話しかけにくかった初期の雰囲気とは
うってかわって
気さくにお話できるように
なった方でした。

壁を取ると鉄骨が3本
全部カットして改めて
壁に直すという荒業

でもこれで当初の予定に近い
容量の冷蔵庫が無事入りそう
ということで冷蔵庫の発注しました。

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9月30日 仕入れ材料が届く
10月1日から保健所の許可がでるので
許可証はなくても
極端な話、そこで作ったものは
即、販売できる状態

とはいえ、引き渡し当日
まだほこりっぽい厨房では
作る作業は試作でもできず
大掃除

引き渡し日 カウンター

引き渡し日のカウンターの様子
実は左の照明の位置でも
色々ありましたが
無事よい位置に取り付けられ。

仕入れた材料も届きはじめ
とうとう冷蔵庫のコンセントを入れました
その時、なんでここ?という位置
使う時に初めて気が付くものですね。
冷蔵庫の電源と
ミキサーの電源の位置
逆の方が使い勝手良かった
けど今更仕方ないですね。

計測ミスからの
オーブンが斜めになったこと
壁の大穴をそのままに
プラスチックプレートでふさぐとか、
ギャラリーとして使う予定の壁の厚み
1センチ2ミリの合板なのに
その裏の配線やガスホースがあることは
ご存じなかったのか、実際に壁に
釘を打つときの注意が無かったこと
他にも本当に毎日のように
え?え?の連続

正直なところ
本当はnoteに書かないでおこう
と思っていた話ですが、
もしかしたら
このnoteを店舗作りの
参考の一部にされる方も
いらっしゃるかもしれないので
やはり書いておこうと思います。

ここはとても大切なポイントで
過去の自分に強く言いたいこと

設計士さんにお任せしてしまった
自分が悪いと思ってはいけないです。
しがらみに縛られて
都合のいいひとになってはダメです。

具体的に動きを想像して、
コンセントの位置も
事細かにイメージし
出来上がった後
カウンターの後ろの厨房が
どういう風に
お客様目線で見えるのかも
ちゃんと考えておく
設計図の平面を
立体でイメージして
照明器具の位置を考える
なんてなかなかできないよね
素人だもの。できるのなら
わざわざ大金を払って
設計士さんにお願いしないです。
謎の壁の穴は、あれと思ったら
これはどうする予定なのか
早い段階で聞いておくこと。

この後も毎日のように使ってみて
あぁ。。。
そうか。。。
というものが出てきます
あげていたらきりがない。
設計関係の仕事をしていた
友人がみてもちょっと驚くことの連続

なので、
設計士さんは
自分が納得できる方を選ぶこと
今回は条件的に
それは難しかったけど

教訓としては
次があるならば
希望の設計士さんを選べる
自由度のある物件を選ぼう


10月2日 オーブン初使用

初めての業務用スチームコンベクションオーブン
一応マニュアルも見たけど
早く仕込みたいなど
焦りの気持ちから
業者さんに伺った情報だけで
動かしてみる

これまでの家庭用の
ガスオーブンや
電子レンジオーブンと
同じ温度、時間で焼くと
焦げる

風量調節の意味もよくわからない
怖いから弱にする(←悪手)

業務用スチームコンベクションオーブンについては
また別記事にて

カヌレも焼いてみるが
凶器が出来上がる

精神的にかなりやられる
そして焦るひたすら焦る

もうプレオープンにカヌレは出さない…まで追いつめられる

同時進行で気になっていた
キャロットケーキのレシピの見直しまで
はじめたものだから
ますますパニック

応援に来てくれた人に
泣き言を言ってしまう始末

10月3日 オーブンと向き合う

一晩寝て、反省し
それでもレシピ変更の実験はしたい
カヌレもやっぱりスッキリさせたい
というかオーブンがこんなでは
何も作れない!

焦る気持ちを抑えて
きちんとオーブンを見てみる

予熱機能はないという
業者の話だったけど
予熱ボタンあるじゃん?
ということでカタログを
見てみる

ネット情報も探って
コンベクション風量の
強・中・弱
についても考える

庫内温度計も用意

衝撃
家庭用オーブンは
焼きたい温度の+10度くらいで予熱が必要
そうしないと、扉を開けたとき一気に冷えて
なかなか温度が上がらないので
180度で15分のつもりが
170度以下から10分最後の5分でようやく180度
という現象が起きる
ところがこのオーブン
焼きたい温度と時間を設定して
予熱ボタンを押すと
ご丁寧に+10度くらいまで上げてくれる
そして、オーブンの特性として
温度を下げるのが苦手
予定温度よりやや高めの時間が長い
これまでと逆の設計

つまり昨日まで+10度の予熱設定
なのでトータル20度高めからスタート
そりゃ、炭や凶器が出来上がるわけです

これまでより10度低めで様子見ながら
焼いてみる方式がうまくはまり
何とかなりそうという状態に落ち着く

10月4日 冷蔵庫搬入

ドキドキしましたが、無事収まり
冷蔵庫があっても
オーブンの扉は問題なく開けられる
手の入るスペースもある
例倉庫もちゃんと開け閉め
出し入れ可能

冷蔵庫開く

オーブンが開く

ギリギリに、妹に忠告され
夫が壁を奥にする案を思いついてくれて
本当にありがたかった


毎日のように
色んな方が手伝いにきてくださり
応援してくださり
差入れがあったりと
もう恩返ししきれないほど
沢山のご好意をいただいて
ものすごく大変ながらも
とんでもなくありがたい環境に
感謝

34年来の友人を亡くし
喪失感で一杯で
遠慮なくなんでも
話し合える唯一の人を
失ってしまった、
こんなに孤独なことって
ないと思っていたけれど

自分にはこんなにたくさん
気にかけて、
実際に行動にまで移ってくれる
ありがたい人が
いてくれたんだと
思い知り
もうありがとうありがとうの
連続の日々

直接的に御恩返しできなくても
どこかで御恩を送って
巡り巡って
この大切な方々に
良いことが起こってくれますように
と思うのでした。




大切な人に食べてもらいたい、安心安全でシンプルな材料で手作りのお菓子を誠実に丁寧に作れる範囲内で売る、みんなに愛される小さなお店を開きたいと思っています。