見出し画像

『カウントダウン テラ』~地球からのメッセージ~ その④

第3章 『任務』

ミミ『話を元に戻そう。』

神威『あれ?なんだっけ?』

ミミ『地球から時間があふれるという話だ。』

神威『あ あぁ。ていうかどうやったらあふれるの?』

ミミ『先ほど言ったように生命は産まれた時から固有の寿命を持っている。その寿命は本来大きなケガや不意の事故がない限り減ることはない。例えば、本来70年生きるべき人間が交通事故で30歳で亡くなってしまったとしよう。するとそこに生きられなかった40年の時間の差が生まれる。』

神威『本当は、もっと長生きできたってこと?』

ミミ「そうだ。しかし、その余った40年間は「地球という器」にそのまま蓄えられるんだ。それが地球そのものの生命エネルギーの源になっている。それが地球が何十憶年も生き続けられる要因の一つにもなっている。』

アリサ『時の番人はその時間を監視してるのよ。大体宇宙全部のね。生命体のいない星は監視してないけど。』

神威『へー。でもそれが僕とどんな関係があるのさ?』

ミミ『最近の地球人は異常気象や災害によって多くの人や生命体が寿命を全うできずに亡くなっている。生きられなかった時間の蓄積が今や地球の器を徐々に超えてきているんだ。そして器からあふれた「時間」は新たな「魔物」を生む。魔物は善良な人にどんどん乗り移り新たな災いをもたらす。最悪、世界が戦争になる可能性すらあるんだ。』

神威『戦争か…え?魔物?なんかアニメの話みたいだな。』

ミミ『そうだな形は様々だが確かに地球のアニメみたいな魔物も存在する。それで、君がそれを退治するんだ。』

神威『退治ね。・・・・・・・・・・・・・・・・は?え?僕が?無理無理無理無理無理無理むーりー。』

ミミ『まぁ落ち着け。1人で…とは言わん。私も勿論手伝うし、何より君にはアリサがいる。』

神威『アリサと協力しろってこと?』

ミミ『正確に言えば、アリサが「時のチカラ」で君の中に入る。そして魔物を倒すんだ。言っておくがアリサのチカラは本物だ。』

神威『入る?入るって何?体を貸すってこと?』

アリサ『借りるんじゃないわ。一緒に戦うのよ。』

神威『…なぜさ。君はそんなすごい力を持っているなら君が倒せばいいじゃないか。僕なんか役に立たないよ。』

ミミ『ミスター神威、残念ながら魔物はその星で暮らす生命体にしか倒すことはできない。元々はその星の生命体で作られた魔物だからだ。アリサはこの星で生まれたわけではないし、何より…そうだ神威、アリサと握手してみろ。』

アリサは透明な瞳でそっと微笑みながら右手を無言で神威の前に差し出した。神威はそれに応えるように右手を差し出す。

神威『え!?』

神威の手はあっさりとアリサの手を貫通した。

ミミ『というわけだ。アリサが戦うためにはどうしても『助け』がいる。それをバディと呼んでいる。アリサのバディはミスター神威、君なんだ。』

神威『え、あ、なぜ…僕が…』

ミミ『君が持っている虹色のオーブがアリサを引き寄せたんだ。大切に持っていてくれたんだろう?』

神威『これは死んだかあさんの形見なんだ。10歳の誕生日にくれたんだけどその後かあさんは死んでしまった。。。』

ミミ『…うむ。それは大変不幸だったな。オーブの破片は必ずバディに行きつく。君はすでに選ばれている。』

アリサ『では、いい?  時枝 神威に任命する。これから私のバディとなって私と一緒に戦いなさい。地球を滅亡させたくなかったらね。』

神威『…滅亡は嫌だけど…できるのかな。…僕なんかに。』

アリサ『できるに決まってるじゃない。自分で自分を信じないで誰があんたを信じるのよ。亡くなったお母さんだってあんたに強くなってもらいたいって思ってるに決まってるじゃない。さぁやるの、やらないの?どっち?』

神威『……………く……く……やるよ。あーやってみるよ!』

アリサ『契約成立ね。OK、ミミ始めるわよ。』

ミミ『了解した。では、時の扉を開放する。』

ミミが何かをつぶやき、アリサが3つのオーブを掲げると空中に大きな穴が開いた。するとすぐに太陽の光の何倍もの光が真上から差し込んできた。とても目を開けていることはできないので神威は目をつぶった。

不思議な感覚に包まれる。そうまるで子供のころ母親に抱かれているような優しい感覚だ。神威はそのまま深い眠りについた。
















構想3年のオリジナル空想小説です。 初めての小説なので稚拙な表現等あるかもしれませんが大目に見てくださいw 将来的には漫画やアニメになると面白いなーと思っています。大まかな設定はすでにありますが臨機応変に変えていこうと思います^^