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子宮に支配されし生物たち


私は、ヒト科であり、体内に子宮という生殖器を持っているためメスに属している。今日は、この生殖器である「子宮」が我々メスにとってどんな影響を及ぼしているのかをまとめてみたく、参上した。

と、いうのもメスの身体(精神含め)の変動というものは、子宮によってコントロールされすぎているのではないか、と気がついたからだ。

ヒトは脳の奴隷なのだとどこかで読んだのだが、(多分、リチャード・レスタックの「ビッグクエスチョンズ 脳と心」)メスであると少し話が複雑化する。

メスの身体をひとつの国であるとすると、脳はもちろん王で、子宮は妃に君臨していると例えよう。それで、王も妃も双方全然違うことを命令してきたり、させてきたりするのだ。でもって、子宮という名の妃様はやっぱり非常にわがままがゆえ、この国の人々(メス)は、王の眼下であれど、妃の命令に従わざるを得ないでいる。といった構造の国家なのだ。

説明したつもりが余計ややこしくしてしまったかもしれない。いかに、メスが子宮の手の上で踊らされているのかを、「生理」という働き前後のメスの様子を例に取りながら説明していこうと思う。

まず、生理の1週間前のヒト科のメスといったら、それはそれはもうゴジラだ。ゴジラ期と名付けたい。

ゴジラ期のヒト科メスの主な症状としては、食欲・性欲の爆発、イライラが止まらないなど、理性のコントロールバーがブチ壊れ、さらに身体的には貧血、めまい、激しい腹痛、頭痛、それによる嘔吐などにさいなまれる。

私は最近、子宮を持っていないヒト科に対して、この時期のメスの制御不可能な食欲のことを「生理1週間前の食欲はまさにゴジラ級。なんてったってデリバリーのピザLサイズをオーダーして、ものの5分ですっかり平らげてしまうんだから。」と説明している。

(それに驚くことに、ピザLサイズを平らげた後も絶えず空腹感は続く。フライドチキンと、サラダと締めにリゾットもいけちゃう。)

さらにイライラの止まらなさというと、新宿駅を歩いているだけですれ違う全ての人々に悪態をつけるほどに常に血が沸いている。このイライラは非常に辛い。ほっておいたら通り魔にでもなってしまいそうなくらいだ。

イライラだけなら良いのだが、どこからともなく絶望感、喪失感がやってきて、いきなり(食器を洗っていたら、とか)泣き出してしまったりする。普段からそういったフシもあるが、この生理前1週間は特にひどい。

暴飲暴食、苛立ち、性欲の爆発、絶望感それぞれ、感情や身体の現象があっちにもこっちにも振り切れている状態。


制御不可能な身体と精神バランス。これがいわゆる「生理前症候群」だ。(医学的名称のセンスのなさには脱帽)

で、そんな期間を超えるとついに膣からの出血が始まる。

出血期間中、我々メスはもう子宮様の命令に従うことしかできない。

子宮様は一旦宮殿内の大掃除をする為に血を大量に使うから、栄養をたくさん持っていかないと怒ってしまう(怒ってしまうと、肌にニキビという醜いデキモノの呪いをかけられたりする)し、

多くの労働者を使うため、犠牲も欠かさない(むくみ、身体のだるさ)。

さらに、大掃除でくたびれてしまった妃は国中の人々を魔法で眠らせて一緒に寝たりする。(生理中はずっと寝ていられるくらい常に眠い)

そしてめでたくこの出血期間を終えると、国には爽やかで穏やかな日々が訪れる。日光が新緑の葉を透かして、柔らかくて朗らかな土に光を落とし、その中を小鳥たちが歌うように飛び回っている.....。そう、生理後アッパー期だ。

つい2週間前までことあるごとに、キレたり、泣いたりしていたのが信じられないくらいに、突如世界が美しく輝いて見えるのだ。恐ろしい。

ここで一つ、電車に乗っている私の目の前に若夫婦と小さな赤子がいるとする。私というヒト科のメスが、彼ら(若夫婦と赤子)に3日間連続して、電車で遭遇したとしたとき、

1日目、私は彼らを見て「わあ、気持ち悪い。」と嫌悪を感じるだろう。

しかし、2日目になると私はきっと「ああ、私は一生あんな風になれないだろう。」と劣等感を感じる。

そして次の3日目、私は「なんて微笑ましいんだろう。私もこんな風になりたい。よし、がんばろう!」なんて前向き思考になったりする。

このように子宮様によって、思考すら制御されてしまうので、昨日言ったことや思ったことも、次の日になれば真逆のことを言ったり思ったり、行ったりしてしまう。

子宮を持っていない生命体からしたら、理解しがたいし、もうほとほとうんざりかもしれない。よく共存しているとすら思う。

私自身、約25年間ヒト科のメスをやってきてわかったことは、

「女はいつだって狂っている」

ということだ。

最近はイヌ科のメスと共に暮らしているのだが、彼女も「生理」期間の前後はどこか挙動不振だったり、怒りっぽかったりする。

ヒトなんてのは所詮、脳の操り人形とも言いたいところだが、私たちメスに関しては、子宮の化身でしかないのかもしれない。というかもう、全部子宮のせいにしちゃおう。(フェミニストから刺されそう。

それが言いたかっただけです。

#性
#女性
#生理
#フェミニスト


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