2018年
終わろうとしている、確実に。
何かが終わろうとするか、何かが始まろうとするか、どちらが好きかと聞かれたら、明らかに終わろうとするほうだろうと思う。安心するから。
私たちはみんな、終わりに向かっているだけだ。
君の嘘と、僕の嘘と、私の嘘をかけ合わせたら海になっていた。
犬でさえも、自分が寝ていた場所と人を覚えていられてるんだから、私たちが覚えていられないわけないってば。
夏が過ぎて、秋が来たら、もう一度夏が来ればいい。
ゆっくりと穏やかな腐敗の中で、高が知れてる幸福の臭いを身体中に擦り付けながら、ゴミの砂浜で黄昏ていようよ。
もう話さなくなってしまったその思い出が、その夜は口を開いたような気がして、夢の中で君に会う予感がした。
「もう会わないよ」と言いながら、「本当は会いたいです」と伝えることができる言葉を、もうずっと探し続けてるのに、どうしても見つけられずに2018年が終わろうとしている。
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