よく似合ってた、ピンクのワンピース

8月1日。HKT48劇場。私にとって今年22回目の劇場公演は、初めて入る”卒業公演”だった。
チームKⅣ「ここにだって天使はいる」長野雅卒業公演。2年弱に渡って推してきたアイドルの最後のステージ。その感想やら何やらを、思いつくままに書いてみようと思う。

全席指定席のHKT48劇場。その日引き当てた座席番号は49番。前から3列目、上手寄りの座席。同じ列の花道寄りの席と前の列には顔見知りの長野雅推しの方が座っていた。そのほかにも、周りを見ればみやびの生誕Tシャツを着た人や団扇を持つ人がいつもより多く感じた。
この日、開演前の影アナを担当したのは主役のみやび。生誕祭とかで何度か彼女の影アナは聞いてきたけど、この日の影アナは過去イチに良かったと思う。今まではたいていどこかしら噛んでたからなあ、なんて思いつつ。

1曲目は「青い月が見てるから」。幕が開いた時のみやびの立ち位置はステージの一番上手側。最初から推しの姿をすぐ近くで見れるという意味でも、いい席を引き当てたと思う。
そして曲が進む中で気付いたのが「猫耳が多いぞ……!」。みやび自身はハーフツインだが、他の出演メンバーに髪の毛で猫耳をかたどるヘアアレンジをしている子が妙に多いのだ。前日くらいのSHOWROOM配信でみやびが「メンバーにしてほしい髪型がある」といっていたのでもしかして……と思った。実際、後のMCでみやびが語ったところによれば猫耳ヘアーはみやびからのリクエストだったそうだ。

自己紹介MCを挟み、ユニット楽曲のブロックへと公演は進む。みやびがどの楽曲をするか。私の予想、というか願望は普段からやっている「何度も狙え」と以前から意欲を示していた「ジッパー」の2回転。自己紹介MCの立ち位置で何となくユニットの予想はできたりもするのだが、その立ち位置が普段と同じ1列目の最も上手寄りだったことで、私は予想が当たっていそうだなと思ったのだが。
ユニット2曲目の「何度も狙え」。普段みやびが入っているポジションにいたのはえれたん(坂本愛玲菜)。どうやらMCの立ち位置はユニットを悟らせないためのダミーだったらしい。ペンライトの色を黄色に変えつつ「ということはみやびが出てくるのはジッパーか……?」と頭の中で考えていた。
続く「おNewの上履き」のイントロがかかった時、客席のざわめきを感じた。ステージを見るとセンターに水色衣装のみやびが! 正直、この曲をやるとは予想してなかったので内心慌てつつペンライトの色をチェンジ。みやび、くりな(栗山梨奈)、いおり(田中伊桜莉)の3人でというのは予想していたけれど。
ちなみに。次の「この世界が雪の中に埋もれる前に」を聴きながら「ジッパー」にみやびが出る可能性が無いか考えを巡らせたのだが(山下)エミリーがここまでのユニット楽曲に出ていないので「たぶん無いだろうな……」ということに気づいたり。

そして公演は進み、アンコールを経て本編最後の楽曲「そういうことFebruary」までが終わり(随分すっ飛ばしたな)。卒業公演恒例、卒業メンバーの活動の軌跡を振り返るVTRが流れる。お披露目当時や脳内パラダイス公演をやっていた頃は、まだ私はみやび推しではなかったのだが、9周年公演での「ロマンスかくれんぼ」、チームイエロー、昇格発表のあたりでだいぶ涙腺が緩んでくるのを感じた。
私が明確にみやび推しになったのは2021年12月、博多なないろ公演での生誕祭のとき。それ以前から気になるメンバーではあったし、休養からの復帰というところでは自分自身と重ね合わせるような部分もあったり、力を貰っているような感覚もあった。そんな中で初めてみやびの出演する公演に入ったのがそのとき。「長い光」冒頭のソロパートを歌う姿に心が震えた。その時の感覚、感情は言葉にしがたいのだが、一つはっきりと思ったのは「彼女をずっと応援していきたい」ということ。少なくともHKT48を卒業するまでは推していこうと心に誓った。これまで幾人かのメンバーを「推して」きたが、これほどはっきりと「推し始めた」瞬間がハッキリしているメンバーは私の中には他にいない。
そういうことがあったからなのか、みやびを推すことに対する私自身の熱量は、他のどの推しメンに対するそれよりも高かったように思う。栄光のラビリンスでのグラビア企画の時もそうだし、おしゃべり会に先般初めて参加したのも、みやびの売り上げに貢献したい、という面が少なからずあった。

映像が終わり、オーディションで歌唱したという「BINGO!」を出演メンバーとともに披露。予想通りというべきか、ピンク色のワンピースを着てステージの真ん中へ。くりなと2人で最初の歌割り。そして次の歌割りでもみやびはセンターに立っている。ここでもう駄目だった。これが卒業公演だということをどうしようもなく実感して、涙のダムはあっけなく崩壊した。
涙ボロボロ状態で落ちサビからの「みやび」コール(16連?32連?)。終わり頃は声が続かなくなってだいぶしんどかった。
スピーチを挟んで最後の曲は「草原の奇跡」。そういえば同期(5期生のうち公演に出演していない3人)出て来てないなーと思っていたタイミングでいぶき(石橋颯)、あいちー(市村愛里)、りのりー(坂本りの)が登場。同期が揃ったことにほっとしつつも、曲が曲なのでやはり涙止まらず状態での16連で再び肺活量の貧弱さを痛感。ラスサビでくりながみやびの肩に頭をもたれかけるシーンにはぐっと来た。5期生の中では「ママ」という立ち位置で、先輩に対しては甘えるというより「愛が重い」的な絡み方が多いくりなにとって、1つ年上のみやびは仲の良い姉のような、そんな代えがたい存在だったのかもしれない。まあ映像で見てみると猫耳がジワっていい感じに感傷を中和してくれるのだけど。

一抹礼後、花道から手を振るのも、恒例のアーチくぐりも、ステージ中央から舞台裏にはけるのも時間を掛けずにサッと終わらせて(アーチくぐりは「早い」とツッコミを受けてまさかのやり直しをしてたが)、名残惜しむというよりは次の道をすでに見据えているような、そんな感じがした。前日にあった最後のSHOWROOM配信も、終わり方は普段とあまり変わらなくてまた翌日も配信がありそうなテンポ感だったし。だからこそこちら側は余計に感傷に浸ってしまうわけで。

以前から配信などで「最後は笑顔で見送って欲しい」と言っていて、公演中は先述の通り散々泣いてしまった訳だが(みやび本人に見られたかはともかく、上手に立っていたメンバーには見られちゃってただろうなぁ)、お見送りはちゃんと笑顔で行けた、気がする。「たくさんの思い出をありがとう!」と書いたボードに対して「こちらこそありがとう」と言ってくれて嬉しかったなぁ。
お見送りで伝えたいことはボードに書くと決めていて、じゃあどういう文言にするか。そこで出てきたのが「ありがとう」。卒業おめでとう、でも勿論いいのだろうけど。お話会に参加したり、顔見知りのオタク仲間ができたり、半年で20回近くも公演に入ったり。長野雅推しとしてオタクをやることで初めて見た景色がいろいろあって。本人から直接もたらされたことも、そうではないこともひっくるめて、一番伝えたい思いは感謝だな、と。

ありがとう、みやび。
これからも、よろしく。
(即興劇の配信チケット買わなきゃ……!)

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