見出し画像

ミニアルバム『夢に想う』/心象歌曲集『星めぐりの歌』

2023.10.29(日) M3秋 E-14a『空色メソッド』
ブースにお立ち寄り頂いた皆様ありがとうございました!

完徹してなんとかギリギリに新譜のミニアルバム『夢に想う』と心象歌曲集『星めぐりの歌』を頒布することが出来ました。本当にギリギリだった……!

早速事後通販が始まってます!
4年振りのアルバム、たくさんの人に聴いてもらいたいな。


夢に想う | 空色メソッドー水上ゆか

心象歌曲集『星めぐりの歌』


というわけで無事に(本当に無事に)形になったので楽曲に対するアレコレをちょっと纏めます。自分の備忘録用にも。

聴いてから読むもよし。読んでから聴くもよし。
とりあえず曲は絶対聴いてください。

それではミニアルバム『夢に想う』から。

1.導くもの

ドビュッシーの『月の光』で始まる1:30の短い曲です。月の光は9/8拍子ですが歌モノにするにあたり6/8拍子を採用しました。
『ここから』というフルアルバムに入っている『月の光』という曲があるんですが、その曲の導入曲として元々作っていたものです。あの時はまだクラシックアレンジが上手く出来なかったので見送りましたがようやく形に出来ました。『月の光』と続けて聴くと面白いかもですね。


2.君が食べた青い花は

2月のライブで初めて歌った曲です。そう、今年は「ライブに出る事に新曲を作る」という目標を密かに掲げていました。今のところなんとかなってます。
歌詞が書けてすぐにワルツのテンポが思い浮かびました。
「大切なものはすぐそばにあったはずなのに、いつの間にかなくなっている。それって本当に?悪いのは誰?」という問いかけです。あとの解釈はおまかせします。あなたが想像する青い花は何ですか?
ちなみにCメロの『赤・白・黄色』のところはチューリップの曲のメロディを頑張って三拍子にしました。


3.スターチス

本アルバムの表題曲。元々は夢に想う(仮題)として未完成のまま一度ライブで歌いました。完全に歌詞を書き上げてからタイトルが変わった曲です。初期タイトルの『夢に想う』も捨てきれなかったのでアルバムタイトルになりました。
この曲はピアノ伴奏をメインにハモリもなくシンプルに仕上げてもらいました。
楽曲的なことを言うとハ長調の導音をB♭にすることでメランコリーな感じを出す、ということが出来ました。
レコーディングの際にライブでは出ていたサビの裏声が綺麗に出ず大変苦労したのでした。やはりレコーディングとライブは違うのだ……。
間奏部分のピアノソロもね、とても素敵にして下さったなぁと思います。自分でも胸がぎゅっとなります。


4.色彩と光の世界から

唯一のアップテンポ、唯一の明るい曲。
暗い曲(というか落ち着いた曲)ばかり続いていたのでなんか明るい曲をMMM1用に書こうと思って作りました。
この曲は初めて曲先で作りました。いつもは必ず詞先なので「曲先ってこんなに難しいのか……!」と唸りながら歌詞を書いた曲です。音短大に通い始めてちょっとずつ和声進行とコード、音楽理論を学んだ状態で作りました。と言ってもまだまだなので編曲の段階で先生にかなり手直ししてもらい。これは余談ですが間奏部分は先生がかなり悩みに悩んで(2時間くらい)〆切ギリギリで出来上がった曲です。


5.夏の日

昨年のMML2のときに初出しした曲。それこそ3年振りに作った新曲でした。
アカペラで始まるのはライブの演出だったんですがなんとなく歌詞的にも心情的にも良いなと思ったのでそのまま採用しました。
「暑い暑い、ある夏の日の出来事。1つの呪いの言葉。忘れたくても忘れられないのは、自分に嘘をついたからだ。あの時何か言えていれば、今何か違ったかもしれないのに」
だから″あの子″は「もうあの頃には戻れない」って言ったんでしょうね。


アルバム全体に関して

これは編曲の先生(水嶋ヒカルさん)からも「今回は大人しい曲が多いね」と言われました。あんまり気にしてなかったんですが、無理やり明るい曲を作るのは違うよなぁと思って自分の心情に従った結果です。というわけでまた「近距離花火を越える」という目標が遠のいてしまった……。またきっとそのうちそういう明るい曲作るので見放さないでください……。メランコリーな曲いいよね、いいよね。



さて続いて心象歌曲集『星めぐりの歌』について。

1.遠き山に日は落ちて

きっと皆さんお住まいの地域でも夕方くらいにこのメロディが流れるところもあるんじゃないでしょうか。わたしも小学生の頃歌った記憶があります。
原曲はアントニン・ドヴォルザーク交響曲第9番『新世界より』第2楽章。『家路』というタイトルでも馴染み深い曲ですよね。
宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』では『新世界交響曲』として登場します。その時はまだこの日本語詞は書かれていませんでした。
数年前に『新世界より』というアニメでも確か流れていたと思います。そのイメージが残っているので歌い方は優しく、自分よりにしました。


2.種山ヶ原

さて、お気付きでしょうか。メロディラインは同じなんです。この曲もドヴォルザーク『新世界より』に、宮沢賢治が『種山ヶ原』という歌詞をつけた楽曲です。
種山ヶ原は「イーハトーブの風景地」のひとつとされています。この歌詞から『春と修羅』を連想し、宮沢賢治が『心象スケッチ』と読んでいたことにちなんで今回のアルバムサブタイトルを『心象歌曲集』にしました。
歌い方は180度打って変わって声楽よりにしました。歌曲なのでね。初めて聴いたらびっくりすると思うんですけど大丈夫です、あってます、歌ってるのは同じ人物です。

3.星めぐりの歌

昨年出演した舞台『夢見たものは』の冒頭で歌わせていただきました。宮沢賢治が作詞作曲した曲です。
伴奏に関してはアレンジを変えてもらい(著作権的に)、より空の輝きが感じられるようになりました。こだわりの間奏部分の『トロイメライ』も残してもらったので聴いてみてください。


アルバム全体に関して

まず「星めぐりの歌を収録して欲しい」という要望があり、でもミニアルバムに入れるにはコンセプトが異なるなぁと思ったのでこの形にしました。元々は「星めぐりの歌」単独の予定だったんですが、せっかくなので宮沢賢治関連で何か追加したいと考えて1.2曲目に至るということです。
そして形にするならばやはり歌詞カードが欲しいと思ったときに昔から絵が上手かった母に「宮沢賢治の″銀河鉄道の夜″と″春と修羅″のイメージで絵を描いてもらえないでしょうか」とお願いしたのでした。
わたしに宮沢賢治を教えたのは母なのでね。わたしよりも詳しいだろうと思ったんですけど「春と修羅はぼんやりだよ」って言ってました。それでも仕上がった絵を見て頼んで良かったなぁと心から思いました。才能に溢れている……絵本作家になれるよ母……(身内贔屓)。
でも「クレジットどうする?」って訊いたら「ペンネームのこと?GOZIRA MAMAで!」って返ってきてなんでやねん、と心で突っ込んでおきました。GODZILLAは商標登録されてますからね。

声楽よりの歌い方にも初めて挑戦しました。主専攻ですがまだ日本歌曲はやっていないので独学です。来年学んだらまた違う歌い方になるのかな、と思いつつ今のわたしを残すのも大切だなという意味で良いものになりました。

ミニアルバムがメランコリー寄りなものが多いのでこちらの心象歌曲集で心を落ち着けてもらえたら幸いです。


つまりどちらもたくさん聴いて欲しいということです。


次またいつ曲を作るか分かりませんが、やっぱり曲を作ってちゃんと形にしてそれが誰かの元に届くというのは良いなと思いました。
今後も自分のペースで曲作りをしていきたいなと思います。


アルバムたくさん聴いてください!
感想もお待ちしてます!!!!


それでは!水上ゆかでした。












この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?