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うみちゃんとみどりくん



        「出逢い」

わたしは うみちゃん。

海で暮らしている。

何年も前に家族はみんな旅立った。

心の中にぽっかり穴が空いたまんま。

しょうじき生きてるのかわからない。

地球上では毎日いろんなことがおこっている。
大波小波ざぶーん、ざぶん。

わたしは不安な気持ちで過ごしていた。

ある日、みどりくんと であった。

みどりくんは 森の中ですごす はたらきもの。

みどりくんは つよくてやさしい。
毎日お仕事をがんばっていて、まわりをきづかってくれる。

わたしは みどりくんとであってから安心するようになった。

そして 好きになった。

みどりくんはわたしにとって、
あたたかいもうふのような存在。
さりげなくそっとわたしをつつんでくれる。


ある日、みどりくんと旅行にいくことになった。
久しぶりだったのでわたしは不安だった。
すごくすごく。

だけど みどりくんがそばでみまもってくれた。

どんなにこわいことも、みどりくんとならのりこえられた。

そして 笑いあえた。

みどりくんといると よろこびは2倍に、かなしみは半分になる。

あの日の宝石のようにかがやく夜景がわすれられない。

みどりくんのやさしさにつつまれて
わたしはゆめみごこちで しあわせだった。

やるべきことがあっても、みどりくんのことを思うとがんばれた。

みどりくん、わたしとであってくれて ありがとう。


        「半年後」

あれから半年経った。

わたしはみどりくんの優しさにつつまれて強くなった。
自分という軸がぶれなくなった。

みどりくんとであえたからだと思う。

そして、みどりくんのことが
だんだんわかるようになってきた。

何ヶ月もみどりくんはすごく悩んでいた。
でも変わろうと頑張っていた。

わたしはみどりくんのことを応援している。
だからこそみどりくんにきついことを言うこともあった。

わたしは心が痛かった。

だけどみどりくんは、

「気にすることないですよ。
うみちゃんは ぼくのことを思って言ってくれてること、わかってます。
だから大丈夫です。」

とやさしい言葉をくれた。

わたしはみどりくんのことがだいすきになった。

がんばって変わろうと努力しているみどりくんは、とてもステキだ。

でも変わらずに強くてやさしいみどりくんは
もっとステキだとわたしは思う。


        「森の旅」

わたしはみどりくんの暮らす森に行くことになった。

子どもの頃からの夢のラベンダー畑に行くのだ。

心が踊った。

そしてそこにはみどりくんもいる。

安心してわたしは楽しめると思った。

いざ!夢のラベンダー畑へ!

目がくらむような安心感。
わたしが望んでいた居場所。

やっとたどり着いた。

みどりくんとだからこそ楽しめたんだ。

みどりくん、ありがとう。


     「エメラルドグリーン色」

七夕の日。

わたしはみどりくんに自分の気持ちをなかなかわかってもらえなくて、涙した。

涙がとまらなくて、わたしはどんどん小さくなった。

みどりくんは一生懸命わたしの気持ちによりそってくれた。

それがとても嬉しかった。


「ぼくはうみちゃんなしの未来は考えられません。」


気づくと涙は止まっていた。

わたしは改めてみどりくんを意識した。

そしてわたしはみどりくんに告白した。

その2日後、わたしとみどりくんは
お付き合いすることになった。

わたしもみどりくんもいつのまにか
海色と緑色のエメラルドグリーン色になっていた。

もちろんいろいろあるけれど、
わたしもみどりくんもお互い出逢えたから変われた。

わたしたちは似たもの同士。

お互い強くなり、たくましくなった。

これからもいろいろあるけれど、
蝶々結びのようにほどけてもまた結べるように
わたしとみどりくんの関係がつづきますように。

「みどりくん、ありがとう。」

「うみちゃん、いつもありがとう。」


      「雪のファンタジー」

ある日、雪が降った。

寒い冬の季節。

森はまっしろでキラキラしていた。

わたしもみどりくんも
お互いやるべきことをして暮らしていた。

みんないろいろあるけどもその時々で
やれることして頑張ってるんだよね。

わたしとみどりくんは
感謝の気持ちを大切にしていた。

わたしはみどりくんと
森のクリスマス旅行に出かけた。


キラキラのショッピング。

赤のギンガムワンピース。

サンタ帽子。


手をつないでわたしたちは歩いた。

寒くてもふたりでいればあったかい。

ルンルンワクワクキラキラドキドキ♡

わたしたちは はしゃいだ。


夜のクリスマスマーケット。

キラキライルミネーション。

ホットチョコレート。

シュトーレン。

観覧車。


わたしたちの心はハートでいっぱいだった。

次の日。

わたしたちはチョコレートの国に出かけた。

そこにはサンクロースがいた。

みんなニコニコしてて、やさしかった。

甘いあまーいわたしたち。


はじめてのキス。ハグ。


とろけるようなファンタジークリスマスは
あっという間だった。


現実はきびしい。

わたしはおっちょこちょいだから
何度もやらかす。

みどりくんに何度も助けられてる。

みどりくんの愛に包まれて
わたしは心から幸せだと
生まれてはじめて感じた。




















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