GARO-GOLDEN KNIGHT DARK NIGHT-1

特撮番組・牙狼の創作小説一話目です 自分なりにストーリーを考えて書いてみました 試しに1話目だけ載せておきます

登場人物紹介

冴島鋼牙/主人公 黄金騎士・牙狼として日夜魔獣・ホラーと戦っている

ザルバ/鋼牙の相棒である魔導輪

グレス/元老院の神官

桐島隼人/幼い頃に何らかの理由で精神を患った母親にナイフで切られ、自分の溢れる血を見たことで精神が崩壊 ナイフを奪って母を殺害してしまう それ以来血に異常な執着を抱くようになり、母を殺めたナイフで殺人を繰り返しては被害者の血に触れることで快楽を得ていた

啜血ホラー・ギャバル/桐島が所有する、元々彼の母のものだったナイフの影をゲートに出現したホラー 人間の血だけを吸い尽くす吸血鬼の様な性質を持つ

──────────────────────────

「…母さん……痛いよ…止めて…」

―幼い子供が泣いている

「…はぁっ…はぁっ…」

―狂気に満ちた女が冷たい刃を向ける

「うわぁぁぁぁぁぁーーーーーっ!!」

―そして立っていたのは紅く染まった少年だけ

「………はぁ…はぁ……血……血……」

―――――――――

ナイフを持った男が怯える男性ににじりよっている

男「頼む、止めてくれ!!」

桐島隼人「……お前の血を見せろ」

桐島の持つナイフが男の頸動脈を切り裂いた

男「うぎゃあぁぁぁぁぁぁ!!…………」

桐島「………死んだか……血…赤い血……」

ナイフの影から現れた黒い手が血溜まりに触れる桐島の顔を掴んだ

桐島「…っ!!な、何だ?……お前、誰だ?…」

『血ガ好キナヨウダナ…ナラバ、俺ト同ジダナ』

影の中から黒い怪物・ホラーが現れ桐島の体の中に入っていく

桐島「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!……………血……赤い血……」

桐島の眼には禍々しい狂気が宿っていた

GARO-GOLDEN KNIGHT DARK NIGHT-

Episode:1「鮮血」

いつもと変わらぬ街並み その中を一際目立つ白いコートを羽織った青年が歩いていく その風貌は当然の如く注目を集めた

女子高生1「ねぇ、見てあの人!」

女子高生2「え、マジ超カッコいい!!」

女子高生3「何々、何かの撮影!?」

《相変わらずモテモテだな、鋼牙》

青年に何処からともなく語りかける声

鋼牙「どうでもいい」

無表情のまま声に答える青年 魔戒騎士の冴島鋼牙である

先程の声の主は鋼牙の左手中指にはめられた指輪、彼の相棒 魔導輪ザルバだ

ザルバ《悪い悪いお前さんにはカオルがいるものな しかしお前さん程の男前なら、女に言い寄られても何らおかしくはないと思うがな 現にあの邪美だって…》

鋼牙「…少し黙ってろ」

─────────

鋼牙が辿り着いたのは元老院 魔戒騎士の中でも有数の実力者だけが配属される 鋼牙はかつて人間界に現れた7体の使徒ホラーを殲滅し、その功績を讃えられ元老院付きの騎士となったのである

グレス「来ましたね、冴島鋼牙」

彼女は元老院の神官グレス 低級の魔戒騎士では謁見すら許されないという

鋼牙「グレス神官、指令の内容は?」

グレス「はい、ホラー・ギャバルが出現したようです」

ザルバ《ギャバルだって?また嫌な奴が出てきたもんだな》

鋼牙「どういうことだ?」

ザルバ《ギャバルは人間の肉体を喰らうのではなくその血を吸い取るのさ あとには全身の血を無くした無惨な死体だけが残る…悪趣味なホラーだぜ》

鋼牙「…血を吸い取る…」

グレス「鋼牙、必ずギャバルを殲滅するのです」

鋼牙「…分かりました」

─────────

不良1「痛っ…おい待てやコラ ぶつかっといて黙りはねぇだろうが」

不良2「悪いことしたらちゃんと謝んなきゃなぁ」

桐島「………」

不良1「おい、何睨んでんだよ…あぁ!?」

桐島「……お前の血を見せろ」

不良1「はぁ〜?今から見れんのはお前の血だ…」

桐島の持つナイフが不良の頸動脈を深く切り裂いた

不良1「え、あ…あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

不良2「あ…っ!!」

桐島「血…血…血…チ…チ…チ…』

桐島の顔にホラーの醜悪な顔が重なり不良の体から流れ出る血液を凄まじい勢いで吸い取っていく

不良2「…あ…あぁ…」

桐島「………ふう……サテと…」

不良2「ひぃっ!!」

桐島『オ前ノ血モ、見セテモラオウカ』

不良2「ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

──────────

ザルバ《鋼牙、ホラーの気配だ おそらくギャバルだ!!》

鋼牙「…!!」

──────────

鋼牙「………」

ザルバ《………遅かったか》

鋼牙達が駆け付けた時には桐島の姿は既になく、血を失った不良二人の死体が転がっていた

ザルバ《…間違いない、ギャバルの仕業だ あんまり長く見てると飯が食えなくなるぞ》

鋼牙「…ザルバ、奴はどっちへ行ったか分かるか?」

ザルバ《…………駄目だ、もうかなり離れちまったようだな…》

鋼牙「……ん?これは…」

ザルバ《…血痕?…しかも向こうに続いてるな…ってことは、奴に憑依された人間は何か凶器を持っていて…図らずも道標の様に血を垂らしていたってことか》

鋼牙「…これを辿れば」

ザルバ《あぁ、そこに奴がいる》

─廃倉庫

鋼牙「…此処だな」

ザルバ《あぁ、奴の気配がバッチリ伝わってくるぜ》

────────

桐島「………今日は6人…明日は何人殺すかな…」

鋼牙「…貴様か」

桐島「……誰だ?」

鋼牙「…貴様を狩りに来た」

ザルバ《鬼ごっこはもう終わりだ》

桐島「……丁度いい…知っておきたかったんだよな……魔戒騎士の血の味をな!!」

鋼牙「っ!!」

桐島は物凄い跳躍力で鋼牙に飛び掛かる 鋼牙は魔戒剣の鞘でナイフを防いだ

桐島「うらあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

鋼牙「ふっ!!はぁっ!!」

桐島の容赦ないナイフ攻撃を鋼牙は剣を抜き全て防ぐ、そして鋼牙の太刀が桐島の脇腹をとらえた

桐島「ぐわぁぁぁぁぁぁっ!!……あ…血…血が出てる…母さん…痛いよ…母さん…止めて……止めウアァァァァァァッ!!!!!!」

桐島の体が血の様な液体に包まれおぞましい怪物の姿に変わった 吸血鬼を思わせる鋭い牙、ホラー・ギャバルが本体を現した

ギャバル『ウガアァァァァッ!』

ギャバルの両手の孔から赤黒い液体が噴出し鋼牙の体にべっとりとまとわりついた

鋼牙「くっ!!」

ギャバル『ガアァァ…』

鋼牙「…!!」

鋼牙の剣が空に円を描くとそこから光が降り注ぎ、次の瞬間彼の全身を鎧が覆った 狼の様な猛々しい顔つき 高貴ささえ感じさせる金色の姿 黄金騎士・牙狼

ギャバル『…!!ウガアァァァァァッ!』

ギャバルは再び液体を放出した だが鎧を纏った鋼牙にはまったく効いていない

ギャバル『ガアァァッ!』

牙狼「ふっ!!」

ギャバルは牙狼に飛び掛かり爪を突き立てたが牙狼の左腕に防がれる

ギャバル『ウガアァァァァァッ!』

牙狼「はっ!!」

ギャバルは蹴り、拳を立て続けに繰り出すが全て防がれた

牙狼「はぁーっ!!!」

牙狼は防いでいた左手を振りギャバルの拳を払うと、牙狼剣を両手でしっかりと握り締めギャバルを両断した

ギャバル『グアァァァァァァァッ!!!!!!………ア……アァ……あ…』

ギャバルの胸に桐島の顔が浮かび上がった

桐島『…母さん…痛いよ…痛いよ…止めて…母さん……」

ザルバ《…この男、どうやら生前 母親の手で酷い目にあわされたらしいな》

牙狼「………」

桐島「母さん…母さん……痛いよ…」

桐島の眼に幼い頃の悪夢が映る

――――――――

桐島(幼少期)「母さん、痛いよ!!止めて!!」

桐島の母「…はぁっ…はぁっ…」

――――――――

桐島「…母さん……嫌だ…死にたくない……母さん……』

牙狼「…無理だ…ホラーに憑依された時、お前の肉体と魂は 既に滅んでいたんだ」

桐島「あ…あぁァぁぁァァぁぁァぁァぁ」

ギャバル『ウアァァァァァァ!』

桐島はギャバルと共に消滅し、あとには夥しい量の赤黒い液体だけが残った

牙狼「………」

鎧を解除し元の姿に戻った鋼牙は しばし血の様な液体を見つめていた

鋼牙「……………」

ザルバ《……どうした鋼牙?……まさか、大河の死の瞬間でも思い出したのか?》

鋼牙「!……………何でもない」

やがて鋼牙は倉庫をあとにし夜の街に消えていった―

Episode:1 END

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?