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「知名度主義」の人材起用がアパレル業界を低迷させている

アパレル業界は疲弊しているからこそ、各社・各ブランドともに安全志向が強まり、実力のほどがわからない新人を登用するよりも、過去に実績にあった人を登用するというケースが増えており、新人がデビューしにくい状態となっています。デザイナーでもパタンナーでも営業マンでもマーチャンダイザーでもなんでもそうなっています。

これを指して、ある人が「アパレル業界の実績主義を何とかしないと新しい人が育たない」と警鐘を鳴らしていましたがその通りです。しかし、実際のところは実績があった人を登用するという「実績主義」でもないのです。その「実績」ははるか昔に1度切りということも珍しくなく、その後は連戦連敗を続けているにもかかわらず、登用されるというケースが多くあります。それは最早、「実績主義」でもなく「知名度主義」といえます。

今回はそんな例をいくつか挙げて考えてみたいと思います。

しかし、「実績主義」なら起用した企業やブランドはそれなりに売れ行きが期待できますが、「知名度主義」ならなかなかそれは望めません。なにせ「実績」がないのです。もちろん、失敗するのも成功するのも時の運という部分もありますが、あまりに連戦連敗というのはその人のノウハウや能力がないということになり、過去の「実績」というのはそれこそ「時の運」だったといわれても仕方がないのではないかと思います。

そして、「知名度主義」はアパレル業界だけではなく、メディア業界でも同じだと思います。一度知名度が上がれば大した実績がなくても使い続ける。何度も失敗しているのにまたあの人がほかの雑誌で編集長をやっているなんてことはけっこうあります。

日本のアパレルやメディアは実績主義なので若い人がなかなか頭角をあらわせないということを言われますが、そうではなくて「知名度主義」が若い人の登用を邪魔しているのだと見ています。

以前、ウィゴーの資本が4か月で変わったことについて書きましたが、数々のブランドをブチ壊したり赤字転落させた「凄腕」が副社長に就任したものの、経営体制の変革と同時にわずか4か月で解任となりました。まずはこの人から話を進めてみたいと思います。

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