ワールドや三陽商会などの大手総合アパレルの現状を駆け足でまとめてみた

早いもので、当方が繊維業界紙記者になって20年が過ぎた。正確には今年で21年ということになる。
そりゃジジイになるはずである。
とはいえ、気が付いてみるとジジイになっていたわけで、毎年はそれほど大きく変わったと感じないのだが、その年数が積み重なるとジジイになってしまっている。
業界も同じで、毎年はそれほど大きく変わらないが、年月が積み重なるとまったく様相が異なってしまう。
20年前に隆盛を極めていたのが大手総合アパレルといわれる数社だった。
ワールド、オンワード樫山、イトキン、ファイブフォックス、三陽商会、サンエー・インターナショナル、東京スタイル、ジャヴァあたりだっただろうか。
しかし、20年が経過した現在では各社のありようが大きく変わってしまっている。
前回のブログで紹介したように東京スタイルという会社は休眠してしまう。休眠というといつかは目覚めそうだが、永遠に目覚めることはないだろう。実質的には廃止だといえる。

雑誌の「休刊」と同じで、実質廃刊である。
では年末も近いということで今年の締めくくりとして、TSI以外の各社の歩みと現状をまとめてみる。

1、ワールド
今年ワールドは13年ぶりに再上場をはたした。しかし、株価は上場ゴールでそれ以降一貫して下がり続けている。一体何のために再上場したのかと疑問しか感じない。

ワールドを2005年の上場廃止以後一貫して苦しめていたのは、MBOした際にできた巨額の有利子負債である。
ピーク時には1200億円もあったが、その後少しずつ減らしながら時々増えたりして、やっと800億円台にまで減らせていた。しかし、それ以上はどうしても減らない。
「上場廃止のためにできた負債は、再上場で資金を集めて返すしかない」ということでの再上場だったのではないかと見ている。
目的は果たせたのでこのまま株価が上がらなくても構わない、と考えられているのではないかと外野たる当方は勘ぐっている。恐らく株価が今後も劇的に上がることはないだろう。
経営危機にも陥り、経営陣もほとんどが入れ替わった。2010年頃までのワールドとはまったく違う会社になったといえる。経営はある程度立ち直ったかもしれないが、商品面では20年前の面白さには及びもつかない平凡な物が増えた。今後、これもあまり変わらないだろう。

2、オンワード樫山
地味だが、堅実である。ときどき新しいことにも挑戦する。チャールズ&キースの導入は失敗したが、パターンオーダーの「カシヤマ・ザ・スマートテーラー」の滑り出しは、某コンサルタントによると赤字だというが、売上高や受注枚数は上々だといえる。
経営が悪化したことはあったがワールドやイトキン、TSIのようには大崩れしない。
面白味はないが、その底力はすさまじいといえる。業界随一ではないか。

3、イトキン
経営不振によって、ついにインテグラルというファンドに売られて傘下企業になった。創業家である辻村家は経営から手を引いた。しかし、2016年にインテグラル傘下になってから、もう2年以上が過ぎたが、いっこうに何の噂も聞かない。
アパレル業界はとかく噂話が好きな業界で、だいたい酒のつまみは業界内の噂か自社内の噂である。
そんな業界にあって良い噂も悪い噂もほとんど聞かないということは存在感がまるでないということになる。すごく悪くはないのかもしれないが、絶対に良い状態ではないといえる。
もし、良い状態だったら「イトキンの〇〇がすごく売れている」という噂になるはずだ。それがないということは良い話はまったくないのだと考えられる。
一時期、「インテグラルも匙を投げてイトキンを売りたがっている」という噂が業界内にあったが、今はどうなのだろうか。

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南充浩

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