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「単に日本製というだけ」の商品は売れなくて当たり前

国内の衣料品市場規模が縮小する中、海外進出を模索する企業が増えている。
アパレルブランドもそうだが、生地工場を始めとする製造加工業やそれらのファクトリーブランドも海外進出を模索するケースが増えた。
しかし、とりわけ製造加工業やファクトリーブランドの海外進出は極少ない成功例とおびただしい失敗例とに分かれており、どのような売り方をすべきかという議論は今でも結論が出ないままに堂々巡りをしている感がある。
最近さっぱり告知もニュースも聞かなくなった「ジャパンクオリティ」制度だが、あんなもんはどうでもよいとして、製造加工業者やファクトリーブランドは「メイドインジャパン」を謳い文句と考えることが多い。
それは重要な要素の一つではあるが、「単に日本製」というだけでは売れないことは周知の事実である。
で、この「メイドインジャパン」「日本製」を巡る議論は製造加工業者の中で、堂々巡りに突入しているように、個人的には感じる。

曰く「どこまでが日本製なのか?」
曰く「原料(綿花・ウールなど)はすべて輸入しているのにそれでも日本製といえるのか?」
曰く「工場の従業員は外国人実習生だがそれでも日本製なのか?」

というのが主なものだといえる。
これに対して、


「国内で栽培された綿花だけを使っています」 とか
「当工場の従業員はすべて日本人です」 とか


そういう回答が寄せられるのだが、問いも回答も、どうにもピントがズレているような気がする。

同じような状況は何も日本製に限らずイタリア製やフランス製も同様で、以前にもこのブログで書いたが、イタリアの工場でも当時は中国人労働者が増えているという報道があった。これだって「メイドインイタリアだが作っているのは中国人でもよいのか?」ということになる。
原料にしたって、イタリアもフランスもすべて自国内で賄っているわけではない。

ここの点にこだわりすぎるのは迷路に迷い込むようなものでしかない。

我が国のブランドで海外で今、もっとも評価が高く売れているのはユニクロと無印良品ではないかと思う。
両ブランドとも日本のブランドとして認識されている。

そういえば、先日、5月末にユニクロの感謝祭があったのだが、ユニクロ心斎橋店4階の免税レジは、外国人による長蛇の列ができていて、4階フロアを半周するほどだった。これが平日昼間のことだから、土日はどれほどの混雑だったのかと想像すると恐ろしくなる。当方は人ごみも嫌いだし、他人と密着するのも嫌いだから、絶対に近寄れないと思った。
そこまでしてユニクロの服を買わねばならないのかと驚いてしまうのだが、逆にいえばそこまで各国(おもにアジア地域)ではユニクロの人気が高いのだといえる。
フィリピン在住の知り合いの日本人女性も、「フィリピンではユニクロは高級ブランド。それでもセールになったらレジに長蛇の列ができる」と話しており、その人気ぶりには驚かされる。

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