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【コラム18】心のありよう


アダルトチルドレンという言葉を
聞いた事が有る方も多いのではないでしょうか。

この言葉は精神科医
エリック・バーン氏が創始した
「交流分析」という
心理療法から発生した言葉です。

子供が子供らしい
自由で安全な環境を
過ごすことが出来ないまま
大人になると
人間関係の問題を抱えやすくなったり、
環境への適応が難しくなってしまうという
自我の状態=「心のありよう」のことを
アダルトチルドレンと呼んでいます。


今回は人と人との関わり方を
中心に考えられた
「交流分析」についてご紹介します。
コラムなのであくまでもざっくりとです。


交流分析では
「自我状態・心のありよう」を
P/A/Cの3つに分けて考えます。

PはParent (ペアレント) 親 …
親から与えられた価値観を主にもつ

AはAdult (アダルト) 大人 …
現実的・合理的に対処する

CはChild (チャイルド) 子供 …
主に生理的要求や感情を表に出す


人間の成長過程で例えると、
生まれてすぐはC(子供の自我状態)の状態。

子育てを通じてP(親の自我状態)
を親から学び、
その影響を受けながらCを発達させる。

成長に伴いA(大人の自我状態)が発達する。

と考えてみてください。

全ての人はP/A/Cのどれも全部持っています。
人それぞれ、
Pの状態が多い人、
Cの状態が多い人など、
どの状態が多いかは各々違います。


そして、さらにPとCは細かく分かれます。
P(親)には優しい側面と厳しい側面があるので、
優しい側面をNP…Nurturing Parent
厳しい側面をCP…Critical Parent

C(子供)には順応的な面と自由な面があるので
順応的な側面をAC…Adapted Child
自由な側面をFC…Free child

と表しています。


優しい側面を持ったNPの親に育てられると
自由な側面を持ったFCに育ち、
厳しい側面を持ったCPの親に育てられると
順応的な側面を持ったACに育つことが多いと言われています。


Aはどうでしょう。
感情を抑えた
大人的な考え方を持つ状態です。
ビジネスではAの状態が多いことが
望まれるかもしれません。


整理してみましょう。
交流分析においては
人の心のありようを

NP(優しい親・甘やかす親)
CP(厳しい親・躾をする親)
A(客観的な大人・合理的な大人)
AC(順応的な子供・聞き分けの良い子供)
FC(自由な子供・天真爛漫な子供)

の5つに分類しました。
このACはアダルトチルドレンの略ではありませんので お間違えなく。


繰り返しますが、
この5つは全ての人が持っています。
成長の度合いや環境によって
どの割合が多いかが違うのです。


あなたは5つのどれを肯定的に感じ、
どれを否定的に感じますか?


人によってどの状態を是とし、
否とするかは違うでしょう。

ACは良い子でFCは悪い子と感じ、
ACであるべきと感じるかもしれません。

NPの親にならなければいけないと感じるかもしれません。

人それぞれに違う。
そこが、交流分析の面白いところです。


この特徴を捉えて
人間関係を動かしていくのです。
動かし方については、いっきに紹介すると
難しくなってしまうので、またいつか。

先ほどの5つの状態の是非。

理想は5つの状態、どれも是とすることです。

全ての自我状態を豊かに持ち、
自分の意思で全ての自我状態を
臨機応変に使える人間を目指していくことが、
交流分析での目標です。

このコラムを読んだことを機に、
自分はどの状態が多いのか考えてみませんか。


(2014年7月10日著)


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