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主人公・セロイがさぼった夜間自律学習「ヤザ」とは?(『梨泰院クラス』について#4)

 ドラマ『梨泰院[イテウォン]クラス』について、4回目です。

 大学進学を目標とする韓国の高校では、授業が終わってから「夜間自律学習(야간자율학습)」、通称ヤザ(야자)を実施しています。通常の授業時間のあと、学校で夕食を食べてからスタートして夜10時まで。名称は「自律」なのですが、これがほぼ強制的なものなのです。韓国の受験生の日常は「平日は夜間学習、週末は塾」が基本で、平日の夜間学習を終えたあと、さらに塾に通う学生も大勢います。それでも、どんなに熱心な学生でも夜間学習をさぼった思い出の一つくらいはあるはずです。

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ドラマ『梨泰院クラス』からのキャプチャー画面

 ドラマの第1話の中で主人公パク・セロイ(パク・ソジュン)が夜間学習をさぼったことで先生に叱られ、教室で罰を与えられるシーンがあります。セロイは「夜間学習は自由だと聞いています」と主張しますが、先生は「高校生に自由はない」とセロイの態度を叱責し、反面教師にするようほかの生徒たちに言います。

 本来の意味では強制ではないのですが、過酷な受験社会の韓国は周囲のプレッシャーもあり、そのままの意味で受けとると変人扱いされるのが現実です。

「いかれてるようだけど真っすぐ」なセロイは、それからも夜間学習には一切参加せず、警察学校入学を目指して独自に努力します。周囲にどう思われようと、信念のもとに行動するセロイ。自分で考え、大胆に、かつ計画的に。ドラマを最後まで見た方には、セロイが「夜間学習に一切出ない」のはすごく納得できるエピソードだったのではないでしょうか。

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