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親しみをこめた「~ちゃん」という呼び方も名前によって発音が変化する!韓国語パッチム(받침)の法則(ドラマ『椿の花咲く頃』について#11)

『椿の花咲く頃』について11回目は、ドラマの登場人物の名前の発音、韓国語の発音の法則を紹介します。

 ドラマを見ていて「ドンベク」の名前が場面によって「ドンベギ」「ドンベガ」と呼び方が変わることに気づいた人も多いと思います。「ヨンシク」も「ヨンシギ」「ヨンシガ」と変化します。
 韓国語の文字、ハングルは、子音を表す文字と母音を表す文字を左右または上下で組み合わせて1つの文字になります。また、子音+母音の下にさらに子音がくる組み合わせもあります。その場合に下にくる子音のことを「パッチム 받침」と言います。このパッチムの有無によって、単語の後ろにつく助詞が変わるのです。複雑そうですが、その仕組みが少しわかるだけでドラマの会話がより面白く感じられると思います。

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ドラマ『椿の花咲く頃』からのキャプチャー画面。キムチを「親友にもあげる」と言ってタッパを用意するヨンシク(カン・ハヌル)のお母さんトクスン(コ・ドゥシム)。その親友とはドンベクで、お母さんは「ドンベギ」と言っています。

 ヒロインの「ドンベク 동백」と、ドンベクがお店のアルバイトで雇っている「ヒャンミ 향미」。この2人の名前を例に、それぞれの呼び方のパターンを紹介します。


ドラマ『椿の花咲く頃』からのキャプチャー画面。

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例:ドンベク/名前の最後にパッチムがある場合の同じ年または年下の親しい人に対しては、名前の後ろに[ア]をつける

相手を直接呼ぶとき、話しかけるとき
[ドンベク 동백]+[~ア ~아 (〜ちゃん)]
[ドンベガ 동배가]
[백]の下にある*パッチム[ㄱ]が後ろの[ア]と一緒になり[ガ]の発音になります。書くときは [ドンベクア 동백아] 

文章・話の中で使うとき
[ドンベク동백]+[~イ ~이] 
 →[ドンベギ 동배기] 
[백]の下にある*パッチム[ㄱ]が後ろの[イ]と一緒になり[ギ]の発音になります。書くときは [ドンベクイ 동백이]

*「ドンベクは」と使う場合
[ドンベク 동백]+[~イヌン ~이는]
→発音は[ドンベギヌン 동배기는]

書くときは [ドンベクイヌン 동백이는 ]

*「ドンベクが」と使う場合
[ドンベク동백]+[~イガ ~이가]
→発音は[ドンベギガ 동배기가]

書くときは [ドンベクイガ 동백이가] 


ドラマ『椿の花咲く頃』からのキャプチャー画面。

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例:ヒャンミ/名前の最後にパッチムがない場合の同じ年や年下の親しい人に対しては、名前の後ろに[ヤ]をつける

相手を直接呼ぶとき、話しかけるとき

[ヒャンミ 향미]+[~ヤ ~야(〜ちゃん)]

[ヒャンミヤ 향미야]

文章・話の中で使うとき
*「ヒャンミは」
[향미] +[~ヌン ~는]
[ヒャンミヌン 향미는]

*「ヒャンミが」
[ヒャンミ 향미]+[~ガ ~가]
[ヒャンミガ 향미가] 

ヒャンミ(향미)の[미]にはパッチムがないので、発音の場合も書く場合も変わりません。

 こうした呼び方の変化に気づくと、ドラマの登場人物の関係性なども、より身近に感じられると思います。


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