R-1ぐらんぷり決勝進出者発表!

R-1ぐらんぷり決勝進出者発表!
注目しているのは松本りんすさん(だーりんず)。
初めて名前を聞いたのは伊集院光の深夜の馬鹿力だった。もう何年も前。

頭が薄くなったのを気にしてコントができない、という珍しい話で扱っていたので覚えている。目線を気にして、つい横を向いてしまうとか。

その後も、トレンディエンジェルみたいに気持ちの良いハゲ方じゃなくて、病気になった鳥みたいな、かわいそうな薄毛で、伊集院がカツラを買ってあげると調子が戻ってきたという。
だけど、スポンサーになってくれたアデランスに報いるべく挑んだキングオブコントでも、ある意味予選落ちより痛い、下ネタで勝負にいって敗退。

そこからは事務所の先輩に頭をむしられたり、限りなくいじめに近いいじりをされていた。なんせ先輩がバイきんぐとかザコシショウとかだ。

だけど、そのころから松本りんすに漂う悲壮感が忘れられず、ネタをほとんど見たことないのに密かに応援していた。

ハゲを「おいしい」と思えず自尊心を捨てきれない。芸人として間違っているんだろうけど、頭髪が抜けるのは老化だから、受け入れられない人もいるよ。というか、みんな口にしないだけでショックだよ。ブスも、デブも、笑いに転化できた人がテレビに出られるけど、ふつう悩んじゃうよ。人間だもの。ていうかみんな悩んでるから、笑い飛ばす需要があるんだよ。

そんなトンネルを越えた先に、予選トップクラスに受けたらしいネタが結局カツラを使ったネタときいて、おかしくて哀しい。「ハゲネタ」と「カツラネタ」って全然違う。自尊心を捨てきれない、最年長の決勝進出者りんすの生きざまを見届けたいと思う。

準決まで進んで敗者復活に挑む「岡野陽一」という、ギャンブルに狂って大借金抱えてるいまどき珍しい芸人もいるので彼も応援しています。

読んでくれてありがとうございます。 これを書いている2020年6月13日の南光裕からお礼を言います。