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水曜どうでしょうを見つけた人の感情ってこんな感じか。「バキ童」レンタルぶさいく救出編。

今までこのメンバーを「同類」か「見下して」楽しんでいた視聴者も、今回だけは「こんなに心の距離が近い仲間と忘れられない旅ができる」羨ましさに打ちのめされた人がいるんじゃないか。将来このコンビがバナナマンや伊集院光ぐらい有名になったとき、きっと振り返られるシリーズ。

お笑いコンビ「春とヒコーキ」のぐんぴぃさん、土岡さんらによる「レンタルぶさいく救出編」が終わってしまった。

もともとは、モテない芸人の自虐と貧乏芸人、日本の童貞を研究する超エリート博士のシェアハウス生活。

仲間のひとり「レンタルぶさいく」がフィリピンに就職したが、日本で想像していた豪邸暮らしとのギャップに追い詰められている。
売れない、もてない芸人仲間たちはフィリピンに乗り込んで、彼を日本に連れ戻す旅に出るのだ。

最初にぶさいくさんが出てきたとき、顔のインパクトだけで勝負していたはずなのに、フィリピンの脂の多い食事と合わない仕事のストレスでハゲていて、おみやげの明太子をかじったら「ううう~」って声を上げ、顔にハエが止まっても気づかない。
もう限界来てる!日本に帰ろう!とみんなが思うが、仲間とのやりとりを通して癒されていく。

新鮮だなと思ったのが、ぐんぴぃが土岡に「お前はおもしろい」「こいつの面白さが世間に伝わってない」と、当たり前に言う。
昔の日本的夫婦は愛情を言葉にせず、無言なほど仲がいいなんて言われたけど、感覚が違う。

その「面白い」仲間と久しぶりに再開して、変な服を着て歩いたり決死のアトラクションに挑戦したり、豚の脳みそ食ったりしているうちに、レンタルぶさいくは忘れかけていた
「俺もおもしろいことをしたい!」
という情熱を呼び起こされる。

日本の仲間とひとときのバカ騒ぎをして、結局はフィリピンに残るほうを選ぶレンタルぶさいく。フィリピンで「ぶさいく」を回す、と、よくわからないが、たぶん「こんな面白いやつらに負けてたまるか」と思ったんだろう。「おもしろい」ことができそうなフィリピンに残る。

「レンタルぶさいく救出編」と銘打ったシリーズ。日本に連れ戻すことはかなわなかったけど、かつての若いエネルギーに満ちた「レンタルぶさいく」が復活したという意味で、救出は成功した。いいもん見ました。


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読んでくれてありがとうございます。 これを書いている2020年6月13日の南光裕からお礼を言います。