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【M-1グランプリ2023感想】漫才に引用された曲を知らないと気になる

ヤーレンズ売れたー!

令和ロマンはここで勝てなくても売れる。
だけどヤーレンズは10年以上ずっと足踏みしている。

1か月に40回舞台に立っていたら自転車が壊れたって笑い話にした、真の苦労人。
伊集院光のラジオで「コーヒー通」を買われて喫茶店レポートをしていたUCC社員の息子。他の若手が合コンに行く時間と金で、喫茶店をさがしてコーヒー豆を買う。アイドル気取りでアクスタになる芸人に寒気がするのも、芸人のプライドを感じて応援してた。

えーと、M1感想です。
漫才に引用される「曲」が印象的だった。
映画や小説の登場人物が唄うよりも、漫才中の曲って、気になる。全く知らない曲一つ歌われただけで、ハイあなたの世代に話してねーよ、と閉め出された感じがすることもある。

「天体観測」「YOASOBI」「出井アフタートゥモロー」「フレデリック」「空に太陽がある限り」

シシガシラが敗者復活で歌った山崎まさよしの路地裏、チュートリアルが優勝ネタで「チリンチリン」を探した場所も多分ここだ。そんなところに落ちてるはずないのに。
シシガシラは歌う前に「世代だから」と短く挟んだけど、チュートリアルの頃は「これが山崎まさよしの曲のフレーズなのは知ってて当然」な引用のされ方。時の流れを感じる。

トム・ブラウンの「ロンリーチャップリン」
知らないけど、その世代のチョイスなのなかあ、と何となく理解するから曲を知らなくても関係ない。


今大会はネタ中にいろんな人名や曲が引用された気がした。
「わかんないな、みんな知ってて当然なのか、審査員はわかるのかな」
ってかすかに引っかかる感じがあるときと、すっと入ってくるのがある。

笑い飯が「今大会は固有名詞が多い」 とコメントしてた。気のせいじゃなかった。
その方が、自分だけに刺さる感じがして今風なのか。
「刺さる」「アジャストする」は今年よく聞く言葉だ。

モグライダーが、
「にしきのあきらの曲は、空に太陽がある限りしか知らない」
ってさりげなく言ったおかげで、世代が違っても
「詳しくなくても大丈夫なんだろうな」って心のガードを解いてくれる。

ヤーレンズのネタで「北京原人Who Are You」を「北京原人のDVD」って言い方したから、昔の邦画だってみんなわかる? とは思った。歴史ドキュメンタリーの映像だと思ってない?
たぶん、この文脈で今使われるのは、実写版デビルマン。

駐車場のシステムや出るときの音なんて、
知らないことにすら気づかずに「あるある」みたいに受け入れていた。

客席受けてたけど、都会で車持って、駐車場出るときの音をコンビニの入店音ぐらい聞いてる人少ないですよね…?

懐かし映像とかで知ってるにしろ、山田邦子のバスガイドネタでブレイクしたのは、楢原さんが生まれる4年前! なのに誰一人「見てましたー」って挨拶したとき違和感がなかった

あー。 プロがすっげえ考えてるんだから素人が意見するなとウエストランドがあれだけ言ったのに、ネタ選びに謎が多かったせいでみんなお笑い評論始めちゃった(笑)

おもしろい感想。
敗者復活会場のライブビューイングでは全組爆笑で、得点が低いからみんなあっけにとられたという。近くの審査員の存在のせいなのか。
暖かい目で見守っているのに、松本人志がすぐそこで採点するということは、参観日の背後の父兄を気にするように、みんなの意識に影響をおよぼすものなのか。
さあ、松っちゃん…どうしよう。もうわかんない。

読んでくれてありがとうございます。 これを書いている2020年6月13日の南光裕からお礼を言います。