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【ゲーム紹介】「428」の話をすると「街 運命の交差点」の思い出もひっついて脳の底から出てくる。

アドベンチャーゲーム、ノベルゲーム界の重要作品ふたつ。
関連性はあるけど、上はストーリーよりも、複数の主人公が知らないところでつながってることが面白さで、下は複数主人公が集結していき、ひとつの大きな事件につながる。

4月28日になると428の話題がいろいろ出てくるが、個人的な思い入れの深さでは「街」。街の話をしたい。

大人になっていろいろ本や映画を知って、あらためてわかった。
最後まで複数の主人公が交わらないって珍しい!
交わっていた所が神(プレイヤー)の視点でしかわからないのもいい。

「街」はひとつひとつのシナリオのしょぼさに価値がある。
たとえば現実のゴールデンウィーク。何もしないで無駄にすごしてしまった…と思っても、実は他の人生と関わっていて、あなたが何もしない選択肢をとったから、見知らぬ人の命が救われていたりするかもしれない。
「428」のような誘拐事件とは現実で遭遇しなくても、「街」は現実だ。
自分の知らないところで他者と絡んで、絡んで絡んで、絡み合って実際の街ができる。

だからタイトルは特定の人名じゃなくて「街」。場所の名前だ。

今遊ぶと失笑するところもあるけど、これの志の高さがすげえ。
前作にあたるサウンドノベルが「かまいたちの夜」。
ホラーゲームなんてもの自体が超レアだったのに、その成功からマネされまくって、スーパーファミコンで画面全体に文章が出るノベルがあふれた大ヒット作だ。なのに、本家はずっと動かず、こんな壮大でいびつな世界を思い描いていた。

発売前はプリクラで一般人の写真を募集して、エキストラとして出演できるキャンペーンがあったので、その名残で主人公のひとりがうっかり他人のプリクラ撮影中に入っていく場面があったり、元祖のセガサターン版では続編のシナリオ募集をするテキストが移植版では差し替えられていたりする。

当時はもっとこれが受け入れられ、大きなゲームになっていくプランがあったが、中高生ユーザーにはまだ早すぎて理解できなかった。

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読んでくれてありがとうございます。 これを書いている2020年6月13日の南光裕からお礼を言います。