月ノ美兎「アンティルドーン」配信で、このゲームにこれ以上ない的確なツッコミを入れる。

前回、自分の頭を撃ったような描写をしておいて、画面が切り替わったら撃ってない!このフェアじゃない引っ張り!

月ノ美兎ゲーム実況プレイ「アンティルドーン」後半部分を見ました。雪に閉ざされたロッジで、残酷なショーを続けるのは誰なのか。
人物関係を整理しつつ、B級ホラーとして楽しんでいたら、最後に唐突に出てきたバケモノ「ウェンディゴ」のしわざだったという、あんまりな展開。
今までの展開は何だったのか。

序盤から伏線を張りつつ、ついに、ついに姿を現した救世主的な新キャラは、QTEミスったら瞬殺!
今までの強キャラ感は何だったのか。


当時プレイしてのけぞった、あの感じを思い出した。冬山に閉じ込められ、通じない無線、謎の先住民の文化。それらを乗り越えた先に待つ惨劇の真犯人が、土地に住むゾンビ・・・とは言ってないけど似たような生き物「ウェンディゴ」。
奴らは陽の光を嫌う。夜明けまで待つのだ。アンティル・ドウン。

美兎さんとコメント欄の視聴者の「こういうゲームだったの?」という戸惑い。

そして「B級がZ級になった」というコメント。
やっと!このゲームに正しいツッコミが入った!!と思ったよ。
そう!B級ホラーをちゃんとやり通してくれないの!
「かまいたちの夜」みたいに推理していたのに、ウェンディゴに素早く照準をあわせてショットガンで撃退するゲームに変わる。

配信を観て気付いたけど、もうひとつしょうもない仕掛けがあった。仲間キャラの女子がウェンディゴに噛まれていた件!

仲間がウェンディゴに噛まれてしまった!今のうちにその子を殺さないと、ウェンディゴに感染してしまうのではないか。
「まだ人間の姿の仲間を撃つのか?撃たないのか?」ゾンビもの定番のやりとりが始まる。

その直後に、「ウェンディゴは別に噛まれても感染しない」ことがわかる。
まあ、ゾンビじゃないからね!
こういう生き物は噛まれたら感染するってのは思い込みだからね!
で、また「さっき私を撃とうとしたでしょ!」って身内でケンカが始まる。
超どうでもいい! 何がウェンディゴだバカバカしい!

ぼくは以前から「アンティルドーン」の日本での扱いに関して疑問を持っていた。
これは、作品の質は微妙でも、いろんな方面から文句を言って楽しむタイプの作品だと思った。

だけど、フタを開けてみれば、スプラッタシーンが暗転することへのクレームばかり。
「制作者の描いたものを尊重して、そのまま描写すべきだ」と、もっともらしいことが各所のレビューで書かれている。
そりゃそうだけど、どんな作品も、他国に輸出されるときに内容が変わるものだし、規制より、明らかに、ウェンディゴおかしいだろ!あいつの話をしたくならないか? やらずに文句言ってる人まじってないか?
B級ホラー映画好きなら絶対突っ込んで、ダメな部分も含めてわあわあ言って楽しめる内容なのに、そこに誰もふれない。気もち悪かった。

それを、月ノ美兎さんが視聴者といっしょに、ダメな部分もふくめて楽しんでいる様子にスッキリした。

山荘を閉ざす雪のように積もったもやもやに、陽の光があたって解けていく。
今こそ、この晴れ渡った気持ちで、ぼくのアンティルドーン評を、堂々と声を大にして言いたい!

アンティルドーンは、もとが傑作だったのが、日本版の規制で暗転されて、台無しになったわけじゃない。
もともとひどい。
ただ、忘れがたい輝く部分も数か所は持っている。


読んでくれてありがとうございます。 これを書いている2020年6月13日の南光裕からお礼を言います。