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(連載小説)パーク〜小さなお話8

〜少しずつ始動を目標に〜

今年はちゃんと連載ものにも
力を入れたいと思う所存です。
では、随分間が開きましたが7の続きです↓↓


幸か不幸か、この数日
いつもの公園に立ち寄る事は無かった。

急な出張を打診され
取り急ぎちいさな手荷物ひとつで
今、県外のビジネスホテルに宿泊しているのだ。

まだコロナ禍という事もあり
仕事の後の飲みの席や付き合い等は
一切無いのが地味にありがたい。
慎重な職場で良かった。

イレギュラーな業務を充てがわれ
なかなかにしんどくはあるが
終業と同時にビジネスホテルに直帰して
のんびり出来る時間が嬉しい。

窓の外は小高いビルが立ち並び
殺風景ではあるものの
いつもと違う場所に居るという
それだけでとても新鮮であり
カーテン越しのビル街を何度も覗いては
知らない景色の宵闇を楽しんだ。

旅行らしい旅行なんて
ついぞしてなかったなぁ、、。

ふと呟いた矢先
携帯に知らない着信が入った。

、、、。

出張中という事もあり
仕事関連の何かか、誰かからかもと
不審がる間もなく電話に出た。

はい。

あっ!?
うそ、出てくれた!
、、えっと、、俺、俺。

、、、。

仕事の人ではなかった。
間違い電話でもなかった。

聞き覚えのある
相変わらずの緩い口調の
ああ、箸袋工作の人(元カレ)だ、何で?

今更というか、急にというか
とりあえず少し混乱した後

ねぇ、聞こえてるぅ?
俺だよ、俺!

俺俺しか言わない
これはもうオレオレ詐欺だな、うん。

深く息を吸い込んでから
ゆっくりとあくまで冷静に口を開いた。

お客様のお掛けになった電話番号は
現在使われておりません。

ええっ!ウソでしょ💧
それ、、自分で言ってるじゃん。
音声ガイダンスじゃないよね、自分で言っ

現在、使われてお・り・ま・せ・ん!

通話ボタンを切る間際
ちょ、ちょっと待ったーー!という
断末魔のような声が聞こえたような

気がしただけだろう、うん。

やだ、オレオレ詐欺の人なんて
相手にしたらいけないんだ、ねぇ(笑)

軽い深呼吸をして窓の外に目をやり
気を鎮めるに務めた。

まぁ、つまりは油断したのだろう。

出張先でなければ
知らない着信なんて普通出ないもんだし
(元カレの番号は電話帳から削除していただけなので名無し着信で来たというオチ)

しかしまぁ
何故、いきなり連絡を寄越したとか
そんな事は知らないのだ。

忘れるにはまだ早い
あの声、懐かしくも少し心地良く
迂闊、、何かとっても腹が立つ!

揺らぐ気持ち襲う中
見上げたビル街の高くに
ちいさな月が隙間に覗いた。

余白を埋めるように輝くそれは
とても綺麗な金色の
14番目の月だった🌙

9に続く。


































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