見出し画像

個人的必須プラグイン2023

前回から約1年経ったので、今年もミキシングで使ってるプラグインを紹介する記事を書きました。
方針としては去年と変わらず、ワンマンDTMerの片手間ミキシングなので手早く・簡単に・シンプルに・そこそこ良い結果を是としてます。特にアナログ実機系の「実機に近いか?」とか「同じ機種のベンダーごとの差は?」とかは、実機使ったことないので分からないし、拘っても1曲も完成しないのでスルーしてます。誤差程度の違いにこだわるより信頼できるいくつかの道具に絞ってその中で工夫した方が基本結果は良くなります。
ウデマエについては作品↓を聴いてみてね。

アンシミュ

Overloud TH-U

ミキシング用というより音作り用ですが最重要アイテムなので最初に書きます。
引き続きOverloud - TH-Uがメインです。モデリング部分ではなく「Rig Player」というモジュールでKemperのプロファイルを再生できるのでこれを使ってます。正直こいつがある限りDTMでハードアンシミュの必要性は感じない。個人的に好きなDiezel VH4やPRS Archonも最近追加されたので死角がないです。
IK Multimedia - TONEX MAXも買いましたがメインにはなってません。Rig Playerは1つの機種に対して100 Rigとか内包されてるけどTONEXは数個で、「バッキングLRで同じアンプのちょっと違うマイキングで差をつけたい」みたいな融通が効かない。実戦では慣れてるのもあってTH-Uを使いがちです。
STL Tones - STL ToneHubはキャビがバイパスできないなど使い勝手が悪かったのでリストラしました。こっちにしかなかったVH4もTH-Uに追加されたしね。

ベースはほぼNeural DSP - Darkglass Ultra Plug-insですが、最近は汎用ベース音源にプラグインで音作りするよりも、Submission Audio - Djinn Bassなどメタル特化のベース音源を使って手早く目的の音に辿り着く方が速くて結果もいいなと思ってます(ドラムも同様)。

EQ

ほぼ99% Fabfilter - Pro-Q3です。ちょっと高いですがあれこれ冒険するよりFabfilterのFX Bundle買って下さい。「これからミキシング始めたい」って人がいたら間違いなくFX Bundleをおすすめします。

あとはミキシング用というより音作り用にアナログ実機系をいくつか持ってます。Universal Audio - Pultec EQ CollectionWaves - API 550A/BScheps 73SSL 4000G EQなどですね。NeveはヴォーカルRecに使うのでUADを買いたい。

Wavesfactory - SpectreWaves - R-Bassなどエンハンサー系は去年と同様。R-BassについてはLeapwing Audio - RootOneが上位互換って話も聞きますがちょっと高いので考え中。

Melda Production - MTurboEQはいろんな実機を選べて便利だったんだけど、やっぱり実機系は個別プラグインに戻しました。結局それぞれの特徴が分かってないと使い分けられないし、それぞれの特徴や独特の操作感を掴むには個別プラグインを使うのがベターなんですよね。

ダイナミクス

コンプもほぼFabfilter - Pro-C2です。もともとデジタルコンプはこれ一択だったけど、最近はアナログ実機系も各トラックはPro-Cの"Classic"や"Punch"スタイルで済ませてます。というのも、僕の場合どのトラックも基本マイクプリやギターアンプの実機シミュを通したり、ドラム音源も基本的にアナログ機材を通った音源を使っているので、ミキシングでアナログコンプを通す必要性がないんですよね。そうすると「1176っぽいパンチ感がほしい」といっても必ずしも実機シミュである必要がないので、Pro-Cやトランジェントシェイパーで対応できます。サチュレーションが欲しい場合は別途Saturn 2を使う。これでいくつかの実機系コンプを断捨離できました。

しかしバスコンプについてはPro-Cの"Bus"スタイルを試すこともあるものの、大体はWaves - SSL G-Master Bus Compに戻ります。独特のGlue感はやっぱり実機シミュ挿すのが早いですね。ほかにPulsar - MuWaves - API 2500などトータルコンプはいくつか持ってるけど、結局SSLがしっくりくることが多いです。
ドラムバスをパツパツにするのにWaves - Kramer PIEはおすすめです。Wavesは今でも独自性があって動作が軽いので良い。

リミッターは、マスタリング工程でOzone 10で掛ける方針なので、ミキシングの段階では使いません。まれにFabfilter - Pro-L2を使うこともあるけど基本はOzone 10 Maximizerですね。なので7年間愛用したA.O.M. - Invisible Limiterはリストラしました。
ラウドネス戦争が終わったのでリミッターの重要性はかなり下がりました。「プッシュしたときの歪まなさ」よりも、(最近のリミッターは内部で2段がけになっているので)「ブリックウォールリミッター前段のソフトクリッピングの挙動」からくる音圧感・飽和感のコントロールの方が重要になってきてると感じます。その点Ozone 10 Maximizerはソフトクリッピングの挙動を細かく調整できるので便利です。
個別トラックにはレイテンシーの少なさからWaves - L1が現役運用されてます。

Leapwing Audio - DynOne 3は高級機で簡単に良い音になるのですが、Ozone 10を使う場合は正直あまり出番がないですね。アナライザー表示がないのと、パラレルでトータル音量が変わってしまうのでやや使いづらさもある。
Melda Production - MAutoVolumeも現役ですが、Logic Proにリージョンゲインツールが実装されたのと、Pro-Cの"Vocal"スタイルでほぼレベリングが終わるので実戦での出番はあまりない。Fabfilter大活躍。

ディストーション

ディストーションもほぼFabfilter - Saturn 2です。iZotopeがTrash 2をパージしたので、レガシーを使うのもな〜と思いTrashはリストラしました。Saturnはかなり融通が効くので、プラグインをあれこれ試すよりSaturn内で目的の結果になるまで試行錯誤してます。

イメージング・空間系

イメージングはiZotope - Ozone ImagerかOzone 10のマルチバンドImagerを使いますが、個別トラックについては、Logic Proはミキサーでステレオ幅を狭めたりできるのでそれで済むことも多いですね。
モノラルソースのワイド化はStereoizeだと無理やり感があるので、ショートリバーブやステレオショートディレイで対応することが増えました。

ダブリングエフェクトはiZotope - Vocal DoublerWaves - Doublerなど。ただしダブラーはどうしても不自然さが出るので、できる限りRecで必要な本数を録るようにして、プラグインに頼るのは避けます。

ディレイはValhalla DSP - Valhalla DelayFabfilter - Timeless 3も買ったものの、やっぱりどうしてもNative Instruments - Replika XTが使いやすくて目的の音に素早く辿り着けるので、結局Replikaだけを使ってます。テープもBBDも「あ〜これこれ!」って音がすぐに出て余計な手数が要らない。Ping-Pongもボタン1つだし、ダッキングも細かく追い込めるし、エフェクターまで付いてるし。
Timeless 3は基本テープディレイなのでBBDのくすんだ感じが作れなかったり、Ping-Pongが左右同音量にならなかったり、デフォでテンポシンクしてなかったりと、各所で高評価だけど個人的にはしっくり来なかった。
ディレイだけNIってのものな〜とモヤるけどこれだけは断捨離できない。バンドルではKomplete Ultimateにしか付いてこないけど単品で買う価値があるプラグインですよ。

Native Instruments - Replika XT

リバーブはMelda Production - MTurboReverbLEを使ってましたが、ちょっとできることが多すぎて迷うのでリストラしました。リバーブは「クリーンで自然な部屋鳴り再現用」と「カラフルで粒子の粗いエフェクト用」の2種に分けて、それぞれ1つずつに絞ってます。選択肢が多いほど迷うので。
クリーンな方はFabfilter - Pro-Rです。クオリティの割に軽量だし、最初はとっつきづらかったダンピング/ポストEQも慣れれば使いやすい。パラメーターが「Dark / Bright」とか「Close / Far」とか直感的に名付けられてるのでサクッと目的の音にたどり着けます。
エフェクト用は、Valhalla DSP - Valhalla VintageVerbを使ってます。聞かせるリバーブ。Lexiconの実機シミュは操作が複雑すぎて無理です。VVVはシンプルで分かりやすいし軽量なので各トラックにバンバン挿せるのがいいですね。
その他、プレートはArturia - Rev Plate 140(キラキラめ)、Waves - Abbey Road Reverb Plate(濃厚め)、シマーはValhalla DSP - Valhalla Shimmerと揃えてます。
Liquid Sonics - Seventh Heavenもシンプルで音が良いらしく気になるものの、高度なIRを使ってるので動作が重めらしく、とりあえずPro-Rで十分かなと思ってます。
iZotope - Neoverbのアシスタントは便利なのですが、細かい音作りがやりづらいのと、デジタル系としてはPro-Rほどではないかなってことでリストラされました。

その他

iZotope - Ozone 10
なんの捻りもない必須アイテムです。正直Ozone 8くらいまではそんなにいい結果が出る印象なかったのですが、10はいいですね。アシスタントにリファレンスを読ませて微調整して終わりです。

oeaksound - soothe2
高精度に音の雑味を取ってくれるマジックアイテムでとっても便利なのですが、ギターのレゾナンス除去はPro-Qで手動でやった方が結果がいいなとなり、出番が減りました。かなり高かったのですが。

Sonnox - Oxford DrumGate
これはチートです。今までのゲートプラグインはシグナルの大小しか見てませんでしたが、こいつは各ヒットを検出して1打1打に処理をかけてくれます。僕は生ドラムを録らないので使い道あるのか?って感じですが、ゲートそのものよりレベラーが革新的で、「ここより大きいヒットはこのレベルに、ここより小さいヒットはこのレベルに」というベロシティの事後編集ができます。具体的には「スネアにコンプかけたらアクセントとノンアクセントが同じ音量になっちまった!」って時にコンプ前段にこいつを挿してレベル差を拡大する、という使い方。今まではアップワードコンプとかでごまかすしかなかった部分が非常に自然に修正できます。すごい。

帯域別のディケイ調整
大小2段階のレベラー

このほか
・Celemony - Melodyne 5
・Synchro Arts - VocAlign
・Melda Production - MAutoAlign
・Sonorworks - Sound ID Reference
・Plugin Alliance - Metric AB

ここらへんは去年と同様なので割愛します。

どちらかというとこの1年は断捨離を進めて少数精鋭化をした年でした。またも来年やります!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?