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💊キズパワーパッド等をオススメしない理由

湿潤療法についてわかりやすく解説した記事(※定期購読マガジン限定)もあるので、良ければ復習として使ってね


ちなみにキズパワーパッドっていうのは、ハイドロコロイドを使用したパッドの商品名。キズパワーパッドが有名なので、ただ単に代表として言わせてもらっているだけ。ハイドロコロイドはモイストヒーリングに使われる素材。

<モイストヒーリング(湿潤療法)とは>
✔️傷口はきれいに洗う
✔️消毒しない
✔️乾燥させない

という3原則を用いた治療法を行う。


実はキズパワーパッドって使い方が難しいから俺は薬剤師として基本的には、お客様に対してオススメしてない。
例えば、キズパワーパッドによる密封で、変な使い方をした結果、下手すれば火傷による感染症を悪化させるだけになるケースだってある。

上手く使えば綺麗に治りやすいというメリットはあるものの、キズパワーパッドの使い方が難しい理由を解説する。

<キズパワーパッドの使い方が難しい理由>
●殺菌、化膿止めの塗り薬を使えないところがネック
→臨機応変に対応しにくい

●治りかけで痒みが出ることもある
→人によっては粘着剤が肌に合ってない可能性もある

●頻繁に貼り替えすぎたら傷の治りに最適な環境を維持できない
→かといって放置したら化膿していることもある

最長5日間保護の記載が誤解を生む。
交換回数を少なくしてサボっていたら、
化膿しているかもしれない。
※2、3日に1度、キズの様子を確認(重要)


キズパワーパッドは、禁忌・禁止だけでもがこれだけあるんだぜ!!例えば、乾いた傷とか、怪我してから翌日以降の傷にはNGってかなり厳しい条件だよね?
以下の画像を参照。

自分はきちんと守れる人のみが使用するべき。
残念ながら、きちんと使えてない人が多い。

より詳しい注意事項などは下のリンクを見てね
https://netshop.create-sd.co.jp/download/4901730077699.pdf


Q、抗生物質の軟膏は耐性菌のリスクがあるのでは?

抗生物質の軟膏の例
(ドルマイシン軟膏)

A、かなり長期で使用すればその可能性があるが、現実的ではないかな。内服で全身に作用している状態と外用で皮膚局所に作用している状態では耐性菌発生のリスクが異なる。しかも、市販薬の使用は短期間が前提だしね。

ちなみに、内服で耐性菌が問題になりやすいのは血中濃度変動に関わっているから。外用は当たり前だが飲み薬ではないため、適切に使う範囲では大きく問題になることは少ないと認識している。

更に、AMR対策アクションプラン(※AMRは薬剤耐性のこと)でも飲み薬については使用量削減が目標に掲げられているが、局所に作用する塗り薬の使用制限については特に言及されていない。勿論、ムピロシン耐性MRSAのような例もあるし、外用の耐性菌は一切起きないとは言ってないが、低いといえる。

薬剤耐性(AMR)対策アクションプランを参考程度に
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/infection/activities/pdf/ap_honbun.pdf

以上。
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