港区長に令和6年度編成に対する要望書を提出しました!



今、国や東京都は、少子化や国際競争力低下を受けて、未来への積極投資やイノベーション創出を掲げている。港区は人口増加や堅調な区民税収入増加の一方で、区民生活は物価上昇が家計を圧迫し、出生数の減少傾向や生活保護世帯数の増加、児童相談件数の増加など、地域共生社会実現には乗り越えるべき課題が山積している状況です。

港区財政は、令和4年度特別区民税収入は過去最高の917億円で、実質収支は約117億円となり、年度末の基金残高は約2000億円まで増えました。使い切らなかった税収を積み増す時代から、将来に備え、一定の蓄えは維持しつつも、基金の運用を含め、税の恩恵を未来に積極的に投資する時代に移行しつつあると感じます。

7月21日に決定された令和6年度予算編成方針で、区長は堅調な区民税収入の見込みに対して「力強く踏み出す予算」「積極的に予算化する」と積極的な財政出動の姿勢を示しました。この姿勢は、みなと未来会議も賛同するところです。

しかし、積極的な予算編成は、適切な事業立案と正確な効果検証が行われなければ、貴重な税金の「ばら撒き」との批判に繋がりかねません。

そのためには、区民、議会、行政が共に港区の未来を考え、目指すべき将来像を共有することが必要です。平成7年の人口約15万人から人口回復を果たした港区における区民の参画と協働の新たなフェーズとして、より一層の区民生活の実態把握と開かれた区政運営を望みます。

そして、目指すべき港区の将来像を実現するための施策や事業の立案に当たっては、行政の持つ様々なデータを高度に分析し、客観性を高め、民間企業への業務委託時には経費の適正性を見極め、区民から信頼される財政運営を期待します。

日本を牽引する自治体として、これからも区民の愛着と誇りを持てる港区を目指し、みなと未来会議の令和6年度予算編成に対する要望書を提出します。




1 歳入

基金の運用のあり方を改善すべき

港区の基金の総額は 約2000億円となり、過去6年間で500億円近く増加している。債券の運用額も令和4年度で約901億円にまで急増している。債券の利回りは0.1%程度まで非常に低い水準に留まっている。運用資産も「道路債」に集中しており、資産の分散も不十分でありリスク管理のあり方としても疑念が残ります。また現預金約1100億円に関しても、金融機関の破綻リスクへの対処が十分でないように思われます。

上記の課題を踏まえ、対策として下記を要望します。

  • 運用利回り向上体制の点検及び強化

  • リスク管理体制の点検及び強化


ふるさと納税のあり方を見直すべき

最新のふるさと納税の流出額は約70億円にも上っています。これは区民一人あたりに換算すると「2.5万円」の流出にあたり、区内全てのごみ収集などの清掃事業の一年分、児童手当支給額の2年分にも相当する流出額となり、区民サービスの貴重な財源が奪われている状況です。不合理なこの税制制度そのものの見直しを国に引き続き求めつつ、以下の防衛策を講じることを要望します。

  • 返礼品を設けるべき

  • 団体応援寄付金の枠組みを拡充すべき

  • 現状は税額控除団体に限られているが、区内の公益的団体の対象の幅を広げ、港区らしいふるさと納税制度を拡充していくべき


長期外航勤務に従事する船員等の特別区民税を減免すべき

勤務時間の大半が船上である外航船員は、国だけでなく港区からも行政サービスの享受に制限がある事を考慮すべきである。



2 総務費

長期外航勤務に従事する船員等の特別区民税を減免すべき

人口増や区民サービスの多様化・高度化に伴い、職場によっては職員に過重な業務負担がかかっています。タスク管理を徹底し、業務量に見合った十分な職員数の配置、ハラスメントの抑止、メンタルケアの充実、希望に沿った配属、など就労環境の改善を早急にはかってください。任期付職員や会計年度任用職員に関しても同様の対応を要望する。



旧麻布保育園用地の活用にあたっては、これまで長期間手付かずの状況であった事を踏まえ、近隣区民等から要望を区が聴取する機会を設けるなど、計画決定の前段階から区民の声を聞くこと。


みなと芸術センター整備について

  • 駅からの誘導サインの設置を

令和9年度に開設予定のみなと芸術センターは、超高層ビル低層部に配置されることから、多くの来街者に認知してもらうために、大門駅や浜松町駅からの誘導サインを設置すること。

  • 気運醸成事業の早期実施と拡充を

開設まで3年あるとはいえ、区民等にはまだ周知が行き届いていないと感じます。一度整備した文化芸術のホールを運営するには多額の予算が経常的に発生するため、区民に対する気運醸成事業の早期の実施と拡充を要望する。


六本木アートナイトへの区民参加を増やす事

六本木アートナイトには、令和5年度予算で2500万円の区の補助金が支出されていることからも区民がより参加できるプログラムが望ましいと考える。区民に愛される六本木アートナイトを実現するため、区民参画の取り組みの充実と区の支援の継続を求める。


町会・自治会の支援を

2023年10月には港区町会・自治体連合会が設立後、最初の総会を開催する予定とのことで、町会・自治会を持続可能で、より力強いものにしていく機運を高めていくべきだと考える。

複数の町会長や会長経験者にお話を伺ったところ、「町会・自治会長には時間的負担だけでなく、懇親会などの主催などの経済的負担など様々な負担がある中で、地域のためにという強い思いで役割を引き受けている。しかしながら、区の支援体制が十分出ないところがあると感じる」とのことでした。「区からの表彰制度を強化してもらえないか」「町会費の一部を補助してもらうことはできないのか」、といった様々な声を伺いました。

加えて、町会・自治会連合会への区からの補助は初年度わずか6万円に留まっています。初年度という事情はあるものの、連合会を支えるには6万円では足りないのは明らかです。また、加入促進の支援体制を強化することも重要だと考えます。地域コミュニティの維持の観点からも、祭りなどの憩いの場の創出の観点からも、そして防災の観点からも、町会・自治会をもっと力強く区として支援する体制を要望します。


町会自治会設置の防犯カメラの運用改善を

整備費や運用経費の補助額を上げるという区の意向は評価するが、そもそも公道への設置は公益性が高く、町会自治会に経費や手間の負担を負わせず、行政の責任で設置運用すべき。


古川地下調節池の稼働状況を区民に知らせること

現在の水位・雨量観測システムでは、古川の2箇所の水位情報を発信しているが、東京都が整備した古川地下調節池の稼働状況は区民に公表されず、大雨時には区民からの多数の心配の声が寄せられます。古川地下調節池取水口付近に観測局を新設し、古川地下調節池の稼働状況を区民に知らせる事。


避難が必要な区民が確実に避難できる体制の検討を

これまでの警戒レベル3高齢者等避難の発令のあり方を検証し、警戒レベル3高齢者等避難の実効性のある体制構築を検討すべき。


既存マンションの防災支援の更なる充実を

大阪市では、既存マンションが「防災力向上アクションプラン」策定を支援するためのマニュアルを作成し、公開しており、仙台市でも、震災の経験をふまえ事例紹介なども盛り込んだ分譲マンション防災マニュアル作成の手引きを公表している。

港区においても、マンション防災のページを充実させて、既存マンションが防災力をそれぞれアップするための手引きや管理規約の見直しの支援体制をわかりやすく掲載して欲しい。


客引き防止対策について

  • 年間約3億円、延べ19億円の予算を投じてきた客引き防止対策は、一定の効果があったことは評価するが、指導件数は高止まり傾向であり、警察との協力も不可欠なものであることから、財政負担軽減策を検討すること。

  • 繁華街に限らず、商店街においても無許可の客引きや路上販売(引き売り)が発生している。繁華街に限らず、商店街における客引き防止対策への区の支援を求める。


赤坂地区違法置き看板ゼロ作戦の強化を

商店街における看板は、営業上必要であることは理解するが、中には閉店後も放置し、看板だけでなく、空きビール樽なども放置し、歩行スペースが確保できない状況が起きている。赤坂地区における悪質な違法置き看板への強力な指導を求める。


犯罪被害者支援につき、実効的な支援策の拡充及び特化条例の制定を

2021年には、第4次犯罪被害者等基本計画が閣議決定され、そこでは地方公共団体が当事者の視点にたった総合的かつ計画的な犯罪被害者等支援を行う事を前提に、警察に対しては、地方公共団体に対し、犯罪被害者等支援を目的とした条例(被害者特化条例)の策定や計画・指針策定に際しての適切な情報提供や、条例の制定等に向けた検討に対する協力を行うべきことが盛り込まれている。

東京都が特化条例を制定したものの、港区において、犯罪被害者等の日常生活への支援、損害回復、経済的支援などの具体的施策はなお不十分である。

例えば、犯罪被害者等給付金は支給までに時間がかかる事から、港区が迅速に見舞金を支給する制度や、早期に平穏な生活を営むため、福祉サービスの提供や区営住宅の一時的な提供など、具体的な支援策が必要である。

また、性犯罪や凶悪犯罪の被害者の中には、警察の取り調べや現場検証などの刑事手続に臨むこと自体も強いストレスとなる事があるため、被害者支援団体や専門家の同行支援の活用が必要であるケースも想定される。同行支援が有料である場合はその費用補助が望まれる。被害者支援団体の無料支援を受ける場合には、サービスを提供する被害者支援団体側への補助などが必要である。

こうした、個々具体的な施策を展開するにあたり、やはり、特化条例を港区においても制定することが望まれる。


ギャンブル等依存症の支援をして欲しい

平成30年に、ギャンブル等依存症対策基本法が制定された事を受けて、自治体レベルでもギャンブル等依存症対策への取組が期待されている。例えば、多重債務者や消費者被害を受けている者の中に、ギャンブル等依存症である者もいる事から、消費生活相談の体制強化も必要である。また、依存症治療の専門機関や自助グループの紹介ページを区のHPやSNS等で発信できる事が望ましい。

また、札幌市のように、依存症の克服には家族の協力がより効果的であることから、家族向けセミナーやプログラムの無料提供も必要である。


非営利団体や非営利事業を行う個人向けインボイス相談の窓口の整備を

インボイス制度のスタートにあたり、フードパントリーや子供食堂、スポーツや芸術に関するNPO団体や公益性の強い事業を行う社団法人、個人などは、インボイス登録が必要であるのか否かに始まり、経理に伴う色々な悩みや相談を抱えている。しかし、小規模や公益性が強い活動であると、税理士に気軽に相談できるとは限らないため、インボイス導入当初にあたっては、相談窓口が必須である。

産業振興センターで行われているインボイス相談は、事業者であることが前提であるため、現状では利用できないが、別の曜日ないし別の時間帯に、中小事業者以外の団体が相談できるような体制を時限的に整えて欲しい。


行政サービスのデジタル化

佐賀県は今年6月から「自治体スーパーアプリ」の運用を開始し、住民サービスのデジタル化への取り組みを進めています。このアプリでは、ゴミカレンダーから、役所への各種の申請手続き、保育施設の空き状況から、施設予約、感染症対策・防災対策の情報に至るまで、「市民の生活をスマホ一つで」で完結できるようになることを目指しています。こうしたアプリが実現すれば、区民サービスの向上が期待されます。港区においてもこうしたアプリの導入も踏まえ、統合化を図っていく取り組みを進めることを要望します。



3 環境清掃費

保護樹木・保護樹林の充実

令和5年度予算で2本目以降の保護樹木の年間助成金額が拡充されましたが、区民要望の多い剪定費用助成の新設を検討してください。また、保護樹林制度は補助基準面積を大幅に上回る事例もあることから保護樹林への補助上限額の引き上げも検討してください。


みなと区民の森について

みなと区民の森を活用した環境学習は日帰りのプランのみだが、大田区では区立学校の移動教室で使用する伊豆高原学園を学校利用日以外は保養施設として開放し、宿泊型の自然体験プログラムなどを提供しており、みなと区民の森を活用した環境学習にも宿泊型プログラムの創設を求める。


みなとモデル二酸化炭素固定認証制度の拡充

特別区6区と都内の林業が盛んな6市町村、そして東京都による連携協定を踏まえ、みなとモデル二酸化炭素固定認証制度をより社会に影響を与える事業とするための取り組みを求める。


民有地の湧水保全に支援を

観光名所や地域に愛される湧水は、区が適切な維持管理を支援することは一定の意義があり、区として湧水管理者に対する支援の検討を求める。


羽田新ルートの固定化回避の実現を

令和4年8月3日に開かれた、第5回の検討会で示された今後のスケジュールでは、まさに今年の夏から秋にかけて、飛行方式の「課題の洗い出し」「リスク評価」「運航者の合意形成」などを経て、「基準素案の策定」を行い、その策定を踏まえ、第6回の検討会が開かれる予定であると示されている。まさに、この第6回の検討会が、港区民にとって非常に重要なタイミングになるため、第6回の検討会を踏まえ、今後も粘り強く国に対して固定化回避の早期実現を求めていくことを要望する。


効果的なみなとタバコルールを

みなとタバコルールの予算を、現在は多くを巡回指導員の委託費用に割いているが、密閉型喫煙所が整備してきていることも鑑み、費用対効果の高いみなとタバコルールとなるよう要望します。



4 民生費

子育て世代に対する独自給付の実現を

港区の子育て家庭は家賃や物価が高く、非常にお金がかかる。また国の理不尽な各種の所得制限によって、約半数の港区の子育て世代が児童手当などを受け取ることができていません。こうした地域特性を鑑み、港区独自の児童手当の給付を要望する。もしくは、港区子育て応援商品券事業を再度行うことも、子育て支援の独自給付の手法の一つだと考える。以上のとおり、子育て世代に対する支援策の拡充を要望する。


不妊治療の啓発・育成を含むさらなる支援

現行の制度では混合診療は保険適応除外になるなど、最も効果的な治療を受けることに躊躇する可能性がある中、区独自の不妊治療助成をしていることは大いに評価する。

しかし、未だ不妊治療は女性がするものであるという間違った認識も多いため、広く区民への不妊治療の啓発を強化することが大切です。

年々、晩婚化・晩産化が進む港区では不妊治療は必要不可欠です。子どもを持ちたい夫婦が子どもを持てるよう不妊治療分野へのさらなる予算拡充を求めます。

出産費用の無償化

出産時のさらなる負担軽減として出産費を81万円まで助成したことは評価をいたします。

他方、既に海外では当たり前に無痛分娩が選択されている中、日本では依然として10%以下・となっている。文字どおりおなかを痛めることを母親の理想とする旧時代の価値観や医療体制の違いといった要因だけでなく、自然分娩の費用にさらに数十万円がかかることも大きな要因である。

出産する人の身体的・精神的な負担を社会全体で少しでも分かち合う方法として、また、自然分娩の痛みを回避するために出産そのものを避けることも少子化の一因であることを鑑み、無痛分娩を選択した場合でも自己負担なく出産費用の無償化となるよう予算を求めます。


子育て家庭への移動支援

未就学児が複数人いる家庭に対して2万4,000円のタクシー券を支給したことは大いに評価します。しかし、実際には子どもが1人でもいるだけで外出するハードルは非常に高いものとなります。高齢者ばかりが乗車するちぃばすでは、赤ちゃんが一緒にいても譲ってもらえることも難しく、また複数台のベビーカーが乗車すると畳まなくてはならず、赤ちゃんを抱っこし、重たい荷物を持ちながらベビーカーを支えることを求めるのは子育て家庭と冷遇しているとしか言えません。子どもが一人だとしてもタクシー券を支給するよう予算の拡充を求めます。


赤ちゃんのおむつ・ミルクなどの支給

品川区では独自に0歳児家庭への「見守りおむつ定期便」を開始します。

これは保育士や助産師などによる見守り訪問と、育児用品の支給を定期的に行うサービスで生後1カ月から1歳になるまでの12回、届けられます。紙おむつやおしりふき、粉ミルク、離乳食など56品の中から3千円相当の育児用品を、保護者が毎月選ぶ仕組みです。

睡眠不足の中、核家族で不安や孤独を感じながらも赤ちゃんを育てる家庭に対し、安心と必要不可欠な消耗品を届ける事業を実施すべきです。


多胎児家庭支援

喜ばしくもありながら突然のことで不安と戸惑いが錯綜するのが多胎児の誕生です。

赤ちゃんを1人育てるだけでも大変なのに、多胎児となれば時間もコストもより多くかかります。おむつやミルクなど2倍・3倍のスピードで消費し、また兄弟姉妹であれば上の子のお下がりとして活用できるおもちゃや洋服も全て必要となります。

多胎児家庭に対し、経済的な支援を求めます。


多子世帯支援

多子世帯に対しては、これまでも様々な支援を実施して頂いていることは評価するが、引き続き総合的な支援の検討をお願いするとともに、特に個人では解決が難しい住宅の借り換え支援の実施の検討を求める。


保育士の処遇改善を

区立の直営保育園で多くの残業代の未払いが判明しました。以下の保育士の処遇改善を要望する。

  • 公私立保育園間の職員給与の格差是正を区が責任をもって行うこと

  • 民間企業が運営している区立保育園に関する調査も行うこと

  • 常態化しているサービス残業等を無くし、保育園で労働法規が守られるよう管理職への教育を徹底すること

  • 保育士が不適切保育だけでなく労働環境についても臆せず声を上げ、第三者が調査できる体制を作ること


子どもの遊び場の充実を

江東区のグランチャ東雲などのように、親子が安心して遊び場デビューできる機会や子どもが天候を気にせずに遊ぶことのできる屋内型の大型遊具等を備えた児童施設の整備を要望する。


ひとり親家庭の高等教育支援策を

ひとり親家庭の子育てに関する各種支援策は、18歳で子供が成人すると共になくなってしまうが、高等教育支援を行い自立を支援することで、貧困の連鎖を防ぐ。とりわけ、多子(子供が3人以上)ひとり親家族において、大学や大学院、留学などが可能になるような高等教育支援策の拡充が必要である。


当事者と共に高校生の居場所づくりを進めるべき

義務教育が終了し、高校生になると行政との接点が途切れ、これから成人を迎え、大学進学や就職・起業、結婚・出産、子育てといった人生の中でも変化の大きい時期にも関わらず、高校生や若者と呼ばれる世代に向けた施策は相対的に少ないのが現状です。高校生や若者の声を行政に生かし、区政に参画を促すことは、地域との接点を育み、地域社会課題の解決やシビックプライドの醸成につながると考えます。現在、区が検討する高校生の居場所づくりに当たっては、高校生世代の当事者とともに検討すること、居場所をリアルな空間だけで捉えず、様々な形で検討することを要望する。


結婚支援の充実を

令和4年度に若者の結婚支援の取り組みとして「ウエディングするなら港区結婚応援フェア」を開催した。若い世代が結婚を積極的に考え、将来への夢や希望を抱くきっかけとすることに加え、区内に集積する結婚式場や宴会場を備えたホテルやレストラン、ブライダルに関わる事業者の団体である港区ブライダル地域連携協議会との連携を通して、区内の産業振興の側面もある。

令和6年度以降も組織横断的に発展・継続した結婚支援に取り組むことを要望する。


中高年シングル女性の支援策を検討すべき

港区の特徴として、単身、特に単身女性の世帯が多いという傾向があるが、中高年シングル女性は、相当数が、非正規雇用であったり、重い居住費負担や物価高騰により生活困窮度が高まっている。この層には就労支援サポートも乏しく、病気やケガや失職した場合にも行政支援と繋がりにくい傾向がある。中高年シングル女性の貧困化を防ぐためにも、区内居住者の実態調査と必要な支援策を検討する必要がある。


介護・高齢者の環境について

全ての団塊の世代が後期高齢者となる2025年問題など、介護・高齢者の課題が待ったなしです。2017年まで減少してきた介護離職者数は、昨年10万6000人と再び増加に転じ、働き盛り世代にとって大きな不安材料となっている。介護離職を未然に防ぐための働き盛り世代への支援策を早急に検討すること。


いきいきプラザの拡充を

高齢者の徒歩圏500メートルで捉え、私たちが空白地帯として考える「六本木地区付近」に対応する新設などを始めとする対応策を要望する。


港区に住み続けられる支援の拡充(高齢者の住宅確保①)

高齢者から住み替えに関する相談を頂くが、区の既存事業をご案内しても契約に至らないことが多い。抜本的な高齢者の住宅確保に対する事業の検討を要望する。


障害者等に配慮した自転車等放置禁止除外指定車証の交付の検討を

兵庫県西宮市が実施する障害者等に配慮した自転車等放置禁止除外指定車証の交付をはじめとして、障害者支援の全庁的な点検を実施すること。


早急な港区障害者(児)日常生活用具給付事業のオンライン申請化を

港区障害者(児)日常生活用具給付事業の中には、毎月同様の申請を書面にて行う必要があり、申請者だけでなく区職員の手間にもなっている。早急にオンライン申請ができるようにすること。


超短時間雇用の継続的な実施を

現在、障害者福祉課のもとで、みなと障がい者福祉事業団が港区内での超短時間雇用を推進している。超短時間雇用は、障害者の雇用だけでなく、様々な理由でフルタイム就労ではない働き方を希望する区民の受け皿にもなると考える。まずは、障害者の就労から始めつつ、将来的には子育て世代や高齢者にも対象を拡大することを要望する。また、雇い主側のメリットとして、業務の切り出しを検討することで、業務改善につながるため、経営相談の側面もある。令和6年度も引き続き、超短時間雇用の推進に取り組むとともに、全庁的な展開を要望する。


理美容サービスの拡充、障害者が利用しやすい店舗設計への支援の検討

要介護3〜5の高齢者やある一定の障害者に対して行われている理美容サービスについて、事業者から拡充を求める意見が寄せられている。また、美容室や理容室について、高齢者や障害者の利用しやすい配慮した店舗設計


児童相談所の強化を

相談受理件数が増加し、それに伴い専門職の業務も増加傾向であり、引き続き適切な職員配置と安定的な職員の確保を要望する。また、里親制度について、里親登録件数が順調に増加し、更なる家庭的養育を推進するため、フォスタリング業務の継続的な予算配分と拡充を要望する。


少子化対策の数値目標の設定と司令塔作りを

港区の出生率は2016年の出生率では「1.45」となったものの、2021年の速報数での出生率は「1.27」と落ち込みをみせています。2021年に生まれてきた赤ちゃんの数は2461人で、2016年に生まれた赤ちゃんの3048人から約20%も少なくなっている状況です。こうした状況を放置してしまえば、区の経済・社会システムの維持することが困難になってしまいます。全ての区民にとっての「静かな有事」。それが港区における少子化です。だからこそ誰もが希望どおり結婚でき、希望する数のこどもを持てる社会の実現に向けて、希望出生率を目標数値として定め、その司令塔を明確にすることを要望する。



5 衛生費

乳がん検診に超音波検査の追加を

港区では、現在、40歳以上の方を対象に無料の乳がん検診を実施しています。

乳がんの検査は、主にマンモグラフィ(乳房X線検査)と超音波検査の2種類がありますが、港区では特別な場合を除いてはマンモグラフィ(乳房X線検査)のみが対象となっています。

超音波検査は、30歳代の検査として特に有効とされていますが40歳代でも乳腺が高密度な人などには特に有効な検査とされており、マンモグラフィと超音波検査を併せて行うことで、より高い精度で乳がんを発見することができます。

早期発見・早期治療が欠かせないがん治療において、検診率の向上や乳がんの早期発見のためにも、港区の乳がん検診に超音波検査を追加してください。


不妊治療の助成の拡大を

石川県かほく市では、不妊治療の保険対象診療の自己負担分を独自に全額助成している施策を実施し、成果を挙げています。厚生労働省からは2021年の体外受精などによる出生数が発表され、前年から一気に1万人近くも増えたことが報告されています。これは不妊治療の保険適用化が目覚ましい成果を挙げたことを示すものであり、更なる支援強化は、少子化の改善にスピーディに直結することが強く示されたと考えます。港区でも、先端医療の助成に留まらない、不妊治療の保険対象診療の自己負担分を独自に全額助成することを要望します。


精神障害者の方が地域生活を営むため、区の積極的な介入を求める

アウトリーチ支援事業で関わる精神障害者の方が安定した地域生活を営むためには、地域住民の理解を得ることが必要不可欠です。地域住民が安心できるように相談の場を提供するなど、区の積極的な介入を強く要望する。


ペットのしつけ教室の積極的な開催を

室内飼いが基本である現在、ペットが飼い主と良好な関係を築くためのみならず、ドッグランや飲食店の利用、災害時の避難所への同行、などさまざまな場面でしつけができていることが求められます。ペットのしつけができていることは人間にとってだけでなく、ペットが人間社会で快適に生きていくために欠かせません。区主催でしつけ教室を積極的に開催し、ペットと共生できる港区を推進してください。


高齢者が飼えなくなったペットなどへの対応を

高齢化による飼育放棄、多頭崩壊が今後増えていくことが想定されます。介護事業所、区民課、保健所が連携し、問題の早期把握、対応が求められます。民間の協力も得ながらこのような課題に対応する仕組みの構築を。


HPVワクチン接種助成

HPVワクチンは、子宮頸がんの原因であるヒトパピローマウイルス(HPV)の感染を予防するワクチンです。子宮頸がんのほとんどは、主に性交渉によって感染するHPVが原因のため、感染予防としてのワクチン接種が大切です。HPVは、性交渉の経験がある女性なら誰でもかかる可能性があります。また、子宮頸がんの中には検診で見つかりにくいがんもあるため、できる限りウイルスに感染する前のワクチン接種が大切です。こうした接種の助成の枠組みを東京都が創設する動き等も的確に捉え、港区でも助成などを活用したこうした取り組みを推進することを要望します。



6 産業経済費

商店街への加入促進の更なる支援を

商店街に加入すると、パンフレットに掲載されたり、区の街頭掲示板で告知されたりなど、所属する商店街によって様々な加入のメリットがある中で、そうしたメリットが、「地元のとりわけ新規の商店に知られていない」との課題があるそうです。また、なんと言っても、商店街に加入すれば、スマイル商品券の対象ともなります。こうしたメリットを周知していくなど、商店街の加入促進に向けて、区としての支援体制の拡充を要望する。


にぎわい商店街事業について

令和5年度当初予算にて、にぎわい商店街事業のコミュニティ事業の補助率を2/3から11/12へ、補助限度額を600万円から825万円へと引き上げていただいたが、令和5年度に実施された商店街イベントでは警備やゴミ処分、設備のレンタルなどの経費が増大している。事業規模に対応した更なる補助上限額の引き上げを要望する。


産業振興センターを活用したAI人材の育成を

これからの港区産業の未来を考える上で、AI人材の育成は重要な課題となっております。経済産業省によると2030年にはAI人材は12.4万人不足すると言われており、AI人材はますます重要視されると予測されます。産業振興センターを活用し、港区の将来を担うAIを活用する人材育成の強化を要望する。


企業の再チャレンジ支援策の拡充に向け、新たな制度の学習体制を

2022年に公表された中小企業の事業再生等に関するガイドライン(以下、中小版GL)では、廃業型私的整理手続きも設けられた。中小企業を取り巻く環境は、物価高や為替の影響等で極めて厳しく、借入金残高が大幅に増加し、過剰債務問題も生じている。そうした実情から、事業継続に向けた収益力や事業再生支援だけでなく、再チャレンジのための傷の少ない企業の終活支援に向けた、関係者の情報提供と相談体制の強化が望まれる。具体的には、私的整理であれば、廃業に比べて経営者の心理的ハードルも低いために早期決断も期待されるのであるが、中小版GL自体がまだ知られていないし、経営者保証に依存しないための経営者保障改革プログラムも、肝心の融資の現場で知られていないし使われていない。実効性ある再チャレンジ支援を行うためには、こうした新たな制度や手法に対して、行政や中小企業に係る団体も理解することが必要である。そのための講座の開催や、区内中小企業が私的整理を行う際の支援専門家費用について、国だけでなく港区も費用補助を行うなど、支援体制の拡充が必要である。


ワークライフバランスを促進する会社の助成の拡大を

令和4年2月に港区が行なった「港区の就学前児童に対する子育て支援検討に当たってのアンケート調査報告書」での、問5-1「今後予定するお子さんの人数が、何らかの理由により叶わないことがあるとしたら、その理由は何である可能性が高いですか?」を聞いた時、「自分や配偶者の仕事の都合」「家事・育児の協力者がいないこと」、この二つが合わさると「55.4%」と、非常に高い数字になる。現状もWLB推進企業認定事業を行っているが、インセンティブが少なく改善点が多いと言える。「仕事と育児が両立できる環境作り」を行う港区の中小企業を支援する枠組みの拡大を要望する。


札の辻スクエア内の全国連携コーナーの有効活用を

令和4年4月に開設した札の辻スクエア3階にある港区と全国をつなぐコーナーは、イベントがない時は全国自治体のパンフレットが並ぶだけの空間となっており、有効活用されているとは言えない状況である。早急な改善を求める。


インバウンドに対応した港区観光振興施策の検討を

新型コロナウイルス感染症の国際的な緊急事態の終了や記録的な円安を背景に、訪日外客数はコロナ前水準の8割を超えました。今こそ、インバウンドに対応した港区観光振興施策の検討すべきです。また、港区のあらゆる資源、例えばお台場や運河などの水辺環境やMINATOシティハーフマラソンなどのスポーツイベントを生かした観光施策の検討を要望する。


東京湾大華火祭の復活を

中央区で開催していた東京湾での花火大会が場所や予算等の関係で開催中止が続いています。

港区民からも東京湾での花火大会の復活を望む声が多く寄せられており、港区からも復活に向けた取り組みを要望する。



7 土木費

公園や橋梁などの設計業務にプロポーザル方式を採用すべき

公園や橋梁、道路などの土木施設の設計業務の発注方法にプロポーザル方式を導入し、施設の使いやすさや安全性、景観への配慮、デザインなど、設計の品質を向上させるべき。


有栖川宮記念公園の将来を考える懇談会等の設置を

公園の樹木の成長による公園擁壁の圧迫や都市計画道路補助第9号線の整備による樹木の伐採、公園池の生物多様性の保全など、有栖川宮記念公園の大きな変化に対して区民の参画と協働の場として懇談会を設置すること。


湧水を活かした公園整備を

区立宮村児童遊園内の湧水は、みどりの実態調査により「消失」したとされたが、今も擁壁下から滲出水が溜まっている状況です。貴重な湧水を活かした公園整備を要望する。


来年度も区立公園・児童遊園での花火利用の継続を

今年度、試行実施された区立公園・児童遊園での花火の利用については、たくさんの区民から感謝の言葉とともに継続を求める声が寄せられている。利用者のマナー徹底は当然ながら、公園近くの住民等の理解を得ながら来年度も花火利用を継続してください。


ドッグラン未設置地区へのドッグラン新設を求める

都心の住宅事情においてドッグランに対するニーズは高く、気軽に利用できる場所にドッグランの設置が進むよう、民間の再開発なども捉え、屋内・屋外・屋上などあらゆる選択肢からドッグラン設置にむけ積極的に調整してください。


古川の環境改善を

運河に関しては水質改善の取り組みにとどまらず橋梁のライトアップなど環境改善を図っていますが、古川についてはいまだ水質改善どまりです。ほとんどが上部を首都高で覆われており暗く、積極的にイメージ改善を図っていただきたいです。区の中央を東西に横切る古川が区の景観に与える影響は大きいです。古川にかかる橋梁のライトアップ、白金公園など古川と接続する親水公園の治安改善と魅力向上、等あらゆる方策を検討してください。


景観アドバイザー制度の拡充を

景観アドバイザー会議に報告する対象事業を古川にかかる橋梁の整備なども拡大し、景観アドバイザー制度の拡充を求める。


古川の良好な景観形成に取り組む事(景観計画)

景観計画では運河や海辺地域一帯を水辺景観形成特別地区に定めているが、古川周辺については定めがなく、古川にかかる橋梁や隣接する公園整等の備における景観への配慮の取り組みは曖昧な状況である。景観計画の水辺景観形成特別地区を古川まで拡大するか、仮称古川周辺地区景観形成特別地区を新設するなど、古川の景観形成に積極的に取り組むこと。


夜間景観の向上に取り組むこと(景観計画)

特に景観への配慮が必要な建物や橋梁、公園等の土木施設の整備においては、景観検討委員会といった整備計画策定から設計、施工までを検証する委員会を設置すること。

区の夜間景観に対する考え方を景観計画に追加するとともに、夜間景観に配慮した照明等のガイドラインを策定すること。


景観形成特別地区のランドマークを際立たせる取り組みの工夫を

ランドマークへの眺望を際立たせることを重点的な取り組みの方向性としている「神宮外苑並木周辺景観形成特別地区 」「芝公園周辺景観形成特別地区 」「三田通り周辺景観形成特別地区」の3地区では、いずれも周辺開発により景観に大きな変化が生じている。ランドマークを際立たせる取り組みの工夫とランドマークへの眺望に与える影響の評価手法を検討すること。


みなと緑地PPP制度の積極的な活用を

港区景観計画で指定する水辺景観形成特別地区において、港区には水辺空間に接続するオープンスペースを確保した良好な建築物を積極的に誘導すべき。また、港湾施設における官民連携の新たな制度として創設された「みなと緑地PPP制度」の活用も検討すること。


再開発によって高齢者が追い出されないための転居支援の充実を(高齢者の住宅確保②)

千葉県船橋市では、市内居住の高齢者が、身体的・経済的な理由等により、市内の賃貸住宅に住替える場合に助成(上限15万円)を行い、可能な限り住み慣れた地域で済み続けられるように支援する、高齢者住み替え支援事業がある。

また、中央区のように、高齢者の住替え支援として、成約協力金を貸主に支給する自治体もある。また、中野区では、単身高齢者が民間賃貸住宅に入居する際に、死亡時の葬儀費用や残存家財の片づけなどを提供する民間事業者のサービスに加入した場合のサービス事務手続き手数料の一部助成を行うことで、賃貸人が高齢者に住宅提供をしやすくする工夫をしている。こうした各地の具体的な支援策を複数組み合わせて、港区の高齢者の住替え支援策を充実させるべきである。


子育て世帯への住宅支援を

石川県かほく市では市独自の住宅支援を重点的に行い、成果を挙げています。また、福岡市も令和5年度から子育て世帯住替え助成事業を実施しました。国の「こども未来戦略方針」でも、理想のこども数を持てない理由の一つとして若い世代を中心に「家が狭いから」が挙げられており、また、子育て支援の現場からも子育て世代の居住環境の改善を求める声があることが示された。そして、「子育てにやさしい住まいの拡充」を目指し、住宅支援を強化する方針を打ち出しました。こうした方針も踏まえ、港区も独自施策として、子育て世帯に対する住宅支援を強く要望します。


若者の居住支援策を

家賃補助や引越し支度金支給など、若者の居住支援策を行うべきである。


港区開発事業に係る定住促進指導要綱の見直しを

今年度末に予定する港区開発事業に係る定住促進指導要綱の見直しでは、投資目的の不動産売買を加速させるのではなく、人口増一辺倒の施策ではなく、真に定住促進につながるよう以下の項目について要望する。

  • 制度開始時から社会状況は大きく変わり、人口は回復し、本要綱の目的の見直しが必要な時期に来たと考える。定住促進の目標設定を定めるとともに、人口回復後の暮らしの環境の充実により一層取り組むこと。

  • 区が誘導する生活利便施設について、スーパーマーケットの係数を見直し、スーパーマーケット不足地域の解消を。

  • 区立公園や区有地でのドッグラン整備が進まない状況を踏まえ、民間によるドッグラン整備を誘導すること。


区内住宅への止水板設置費助成について

区は区有施設への計画的な止水板設置を進めてきた。この区の取り組みは評価するが、区民の住宅には土のうの提供や防災用品あっせん事業による簡易止水パネルの販売に止まっており、区有施設と比較すると十分とはいえない。他区の類似事業を参考に区民及び集合住宅管理組合を対象に住宅の浸水対策として止水板設置費助成の新設を求める。


ベンチのあるまちづくりの推進を

公共空間だけでなく民間のオープンスペースのベンチも含め、街なかに誰もがちょっと腰掛けられるベンチの配置を推進してください。地域交通課で区内のベンチを地図に落としたベンチマップを作成し、ホームページで公表してくださっており、感謝しています。このマップを参考に空白地域を中心に設置を進めてください。民間の協力も得ながら積極的に進めてください。


商店街などコミュニティ道路整備の推進

麻布十番商店街のコミュニティ道路は本年度リニューアルが完了する予定で、区民の関心も高いです。他の商店街でも適切な時期に更新をお願いするとともに、麻布十番商店街の十番通りだけでなく、商店街全域での道路更新の早急な計画を要望する。また、道路空間は景観に与える影響が大きいことも踏まえ、道路更新にあたっては景観検討費用などの予算の確保も要望する。


コミュニティバスによる他分野の影響を評価し利便性の更なる向上を

地域交通施策だけではなく、コミュニティバスの通院や通園などの福祉施策など他分野への影響を正しく数値で評価し、更なる利便性を向上させ、利用者増という好循環を実現すべき。


自転車シェアリング事業の相互連携を

民間事業者による自転車やキックボードシェアリング事業の普及拡大を踏まえ、区が実施する自転車シェアリングポートの相互利用など、利用者目線にたった地域交通の利便性向上を実施すべき。


AIオンデマンド交通など新たなモビリティの実証実験の推進

港区総合交通計画では、新たなモビリティの推進を謳っているが、特にAIオンデマンド交通には「好きな時間に、好きな場所から、好きな場所に」移動できるというこれまでの定期運行路線バスとは異なる魅力(付加価値)がある。また、既存のちぃばすの中には利用率・採算性が低い路線もあり、交通不便地域への新たな地域交通の導入の際には、既存路線の見直しも合わせて検討すべきである。そして、AIオンデマンド交通を交通不便地域の解消や既存路線の見直しに活用してください。


自転車駐輪場のあり方検討を

区が整備する機械式自転車駐車場に駐車できない規格外となった自転車(子ども用自転車、大型のチャイルドシート付自転車、サイドバック付自転車など)への対応を早急に検討すること。合わせて、自転車の大型化が進み駐車できない自転車が増加する可能性もあり、機械式自転車駐車場を推進する区の方針見直しを求める。


モペットの取り締まり強化を

電動アシスト自転車とは異なるフル電動で走行する自転車「モペット」はペダル付電動自転車とも言われ、道路交通法上の「原動機付自転車」に分類されているため、原付免許が必要であり、ヘルメットやナンバープレートの取り付けなど様々な条件を満たす必要がある。しかし、現実には、違法なモペットによる猛スピードでの歩道や車道の走行が横行している。重大事故が起こる前に、区民とりわけ子どもや高齢者の安全のため早急な取締りと安全対策を求める。


障害者等に配慮した自転車等放置禁止除外指定車証の交付

歩行は困難だが自転車であれば生活上の移動ができる障害者の方は、放置自転車の撤去によって、お仕事や買い物など、日常生活に大きな支障が生じている。兵庫県西宮市が実施する障害者等に配慮した自転車等放置禁止除外指定車証の交付を検討することを求める。



8 教育費

給食費の無償化の恒久化

港区においても、2023年9月から2024年3月までの間、区立小・中学校の給食費負担ゼロ、すなわち無償化の実施と、そして保育園等における給食費無償化が発表されました。24年3月以降については、国の状況や区の財政を見ながら来年度以降を判断するということでしたが、物価高は区民、そして子育て家庭を直撃している状況です。そうした観点からも給食費の無償化の恒久化を要望します。

給食におけるオーガニック食材の活用を始めとする質の向上

子ども達の健やかな育ちを応援することの根本にあるのが「食」です。給食の無償化のみならず、食材へのこだわり、食育との組み合わせなど、その「質の向上」への施策の拡充を要望する。


学校における選択肢を拡充し、「よりどりみどり」となる教育プログラムの実現

  • STEAM教育

STEAM(Science, Technology, Engineering, Arts, Mathematics)とは理数教育に創造性教育を加えた教育理念。分野横断的な学びを通じて多面的な問題解決能力を育む教育として、文部科学省や経済産業省も近年注目しています。

  • イエナプラン

イエナプランは、ドイツではじまり、オランダで広まっている教育メソッドです。一人ひとりを尊重しながら、自律と共生を学ぶため、異年齢のグループ編成や、教科を横断した学びを重視する点に特徴があります。

  • 国際バカロレア

国際バカロレアは、国際的な視野をもった人材を育成することを目標とするカリキュラムで、高校卒業相当まで学ぶと国際的な大学入学資格が得られます。


不登校児童生徒への支援の拡充

  • 不登校特例校設置の検討を

在籍校への復帰を目的としない不登校特例校は、国と東京都が設置を推奨しており、港区でも不登校特例校の設置を検討すべき。

  • 区独自のフリースクール等への支援策の検討を

東京都は令和5年度に不登校児童・生徒の受け皿となるフリースクール等に通う保護者に対して、調査研究事業として、最大年間24万円の調査協力金を支払う取り組みを実施している。区としても区内のフリースクール等に対して、独自の支援を検討すべき。


区内の小学生へのキッズ携帯や児童見守りシステムの貸与を

昨今、教員によるわいせつ事件や子どもを狙った事件が多くメディアに取り上げられ、保護者は区から貸与されている防犯ブザーに加え、子どもにキッズ携帯やGPSが備わった見守りシステムを持たせる家庭が多くなっている。このような安全安心の意識の高まりを踏まえ、品川区の取り組みを参考に、区内小学生へのキッズ携帯や見守りシステムの貸与を検討してください。


社会・地域に開かれた学校の実現

  • データベースの整備

学校で講師を務めることを希望する地域の皆様を行政で取りまとめてデータベースとし、先生方が利用しやすくしてください。

  • 特別非常勤講師制度の活用

特別非常勤講師制度を積極的に活用し、免許を持っていない地域の皆様;;が学校で教えやすくなる環境を整えてください。

  • 学校の複合施設化

学校の複合施設化を推進し、地域と学校の境界線を和らげ、日常的に混ざり合う環境をつくってください。


学校建物の有効活用と教育環境を損なわない計画の立案を

  • 効率的な学校の建て替えと近接する土地取得の緩和について
    児童生徒数が増加する学校(東町小学校など)において、近隣の土地取得ができない状況が起きており、校庭等を確保するため学校建物の高層化を検討するとともに将来を見据えた近接する民間土地取得における条件緩和を求める。

  • 特別教室等の確保について
    東町小学校では、児童数の増加に伴い校庭内に仮設建築を建設し教室数を確保しているが、さらに教室数が必要になったため、図書室の縮小を検討している。その他学校においても普通教室の不足は港区の課題であるが、安易に特別教室を閉鎖・縮小することのないよう要望する。

  • ある学校では水道の蛇口が少ないために「絵の具セットを家で洗う」という対応を取らざるを得ない学校があると聞いた。学校施設の大規模改修は計画的に実施されているが、軽微な改修は早急に改善すること。


先生の働き方改革で子供に向き合う時間を増やす施策の実現を

  • 子どもに向き合える時間の最大化を
    不要な事務作業や手続きを徹底的に洗い出して削減することで、先生の皆様が子どもに向き合える時間を増やすよう工夫してください。

  • 先生の働き方改革の強化を
    文部科学省・経済産業省等が提唱する働き方改革の方法を踏まえて学校と対話し、より働きやすく、働きがいのある学校へと変わっていくことを支援してください。


学校・先生の学びを支援の拡充を

  • 先生が学び続けるため場の提供すべき
    先生方の業務を精選し、学ぶための時間を確保するとともに、学び続ける先生を応援するための制度を整えてください。

ex.「未来の教室」実証事業では、高知県の高校で、ミネルバ大学のメソッドを取り入れた教員研修を開発・実施し、インパクトが確認できました。

  • 学校を超えて先生が学び合うための仕組み作りを
    ともに、他校の授業を見学し意見交換する機会をつくることにより、学校の先生同士で学び合える仕組みを作ってください。

ex.シンガポールやイギリスでは、学校をネットワーク化し、互いの学校を訪問する機会を作ることで、学校を超えた学び合いを促進している。


学校のリーダー(校長先生・教頭先生)を支援し、学校全体の組織開発を

アメリカにおける「SAM学校」というプロジェクトでは、以下のことによって校長が教育に向き合う時間を勤務時間の0%から70%に増加させ、結果として子どもたちの学業成績が2倍になりました。校長先生が教育に向き合う時間を増やす以下の施策に取り組んでください。

  • 学校管理の業務を、トレーニングを受けた専門スタッフに渡すこと

  • 先生が自らの時間配分を振り返るデジタルダッシュボードを導入すること

  • 校長のマネジメント実践をメタ認知するためのコーチを配置すること


教育行政の専門家を採用・育成を

テストの点数を伸ばすだけではなく、子どもたちの個性を伸ばすための質の高い教育を実施するには、専門的な知見が必要です。しかし、行政は依然として「ジェネラリスト」を育てることを前提としており、教育行政に専門性をもった人材が体系的に育成されているとは必ずしもいえません。国内では埼玉県戸田市が「教育行政のプロ」を採用し、エビデンスに基づく教育政策を展開しています。港区でも同様の取り組みを要望します。

  • 専門採用枠の新設
    事務(教育枠)の区分を新設し、年間1名以上の採用を目指してください。

  • 中長期での専門人材育成
    事務(教育枠)の職員には独自のキャリアパスを構築し、中長期的な目線で教育行政的な知見を深められる環境を整備してください。


保護者から頂く教育費を見直しの早期実現を

機能の重複がある負担内容の削減等によって、保護者負担の軽減する、あるいは教育費をより効果高く項目に充てることが可能となります。


学校としての財源を増やすべき

  • ガバメントクラウドファンディング:
    学校が教育委員会と連携し、様々な企業・機関等とのコラボを行い、「ワクワク感」ある学校作りを支援します。

  • ふるさと納税:
    寄附者が応援したい学校・教育施策を指定した上で寄付を受けられるようにし、寄付金を指定された学校へ配当あるいは教育施策の財源の一部として活用してください。

  • スクールファンド:

地域住民を主体に学校自ら資金を募る「学校ファンド」を立ち上げることで、教育委員会によって配分された資金に限られない、学校の独自財源を集める枠組みを構築してください。


子どもの運動場所の確保を

港区の少年スポーツチームは23区外までグラウンドを求めて遠征するか、公設の運動場を利用しに行きますが、区の運動場や校庭を利用する場合、営利禁止や、区に団体登録する必要があったり、区外の子どもが入っていてはいけないのか、など、そもそもの規定にも様々な課題が指摘されています。また、学校の校庭利用は、未就学児から高齢者まで皆が使いたいため、狭き門になっています。港区の運動場の困難な利用条件や、不足するスポーツ環境が、子ども達のスポーツレベルや育成環境に顕著に現れてきている、と関係者たちから悲痛な訴えが寄せられています。子ども達が運動できる場所の確保をお願いします。加えて、運動場ニーズの実態把握をした上で、既存の公園や校庭などの限られたスポーツができる場所を、時間帯で用途を区切って予約可能なシステムを構築するなど、デジタルトランスフォーメーション化によるソフト面で改善を図ることも検討を求めます。


マイナースポーツの積極的な普及促進を

日本人選手の活躍が目覚ましいスケートボードなどのアクションスポーツや世界で急速に競技人口が増加するパデル※といったマイナースポーツこそ、行政の支援が求められている。土地の高度利用が進む港区でマイナースポーツの競技場を整備することが困難であることは理解しているが、マイナースポーツの大会誘致や体験会の開催など、区のマイナースポーツへの積極的な普及促進を求める。

※パデルは1970年代に誕生した、テニスとスカッシュの要素を持ったラケットスポーツです。2023年現在全世界90カ国以上に約5万コート、競技人口2500万人、とりわけスペインではサッカーを抜いて国内第1位となる競技人口を持つなど、ヨーロッパを中心に全世界で最も成長しているスポーツです。


スポーツセンタープールの団体利用不可期間の短縮を

現在スポーツセンターのプールの団体貸し出しは繁忙期の6月から9月の4ヶ月間は中止とされている。23区のほとんどでは、夏季の貸し出し中止期間がもっと短かったり、そもそも中止期間がありません。6月から9月にかけて週1日2時間ほどプールの何レーンかを団体が専用することが本当に個人利用客の利用を圧迫するのか、実態を調査し、長年プールを愛好し健康づくりに励んでいる水泳団体が連続してプールを利用できるよう、夏季貸し出し中止期間の短縮を検討してください。


学校プール開放の利用対象者を在住在勤者以外にも拡大を

区内7つの小・中学校のプールを在住・在勤者に開放してくださっていますが、利用者が非常に少ない状況です。在住・在勤者以外も利用できるようになれば、区民が区外の知人と一緒に利用でき、資源の有効活用や増収にもつながります。


中高一貫教育の検討を

中学受験では中高一貫校が人気となり、中高一貫教育を希望する区民が増えている。東京都は中高一貫教育校や連携型中高一貫教育校を実施しているが、港区内での中高一貫校の計画は予定されていない。区民の意見を踏まえ、中高一貫教育を推進すべき。


海外修学旅行について

港区は2024年度以降、区立中学3年生の修学旅行先をシンガポールとする方針を打ち出しました。初年度に見込む事業費は5.1億円であり、一人当たりの旅費は最大50万円程度で、多くの公費が注がれることに対して区民から様々な声が上がっています。大切なことは「子どもたちのためになっているか」。この視点を最も重要視し、事業の課題をしっかりと洗い出し、丁寧に区民・保護者・子ども達と共に考え、ブラッシュアップさせるため、以下を要望する。

  • 修学旅行に国際理解教育を付加するのであれば、生徒に観光が目的ではない事を徹底する必要があるが、アンケート結果を見ると、区の想いと生徒の受け止めには大きな乖離がある。生徒へ目的が理解されるよう各学校の事前事後学習を教育委員会が支援すること。また、修学旅行のプログラムにホームスティを取り入れるなど、国際理解教育に相応しい内容とすること。

  • 経済的に厳しい家庭状況の万全のサポート体制(就学援助家庭の事前の旅行費用負担の廃止、修学旅行支度金の拡充)

  • プロポーザルでの公平性・透明性のある事業者選定

  • 一定期間経過後に事業をしっかりと検証すること


区立学校の魅力化

東京都教育委員会の公立学校統計調査報告書によると、港区の私立の進学者は45%と、都内平均の20%を大きく上回る実情にある。私立と区立学校の双方が区民にとって魅力的な選択肢である必要がある。港区が2019年に実施した小中学生の保護者へのアンケートなどを参考に、区立学校の魅力化向上策の拡充を求める。

  • 習熟度別授業・少人数指導の拡充

  • 教員の指導力の向上

  • 受験対策・進路指導拡充

  • 国際教育の拡充


地域資源を活かした国際教育の拡充

港区には2万人の外国人が暮らし、80以上の大使館が立地する国際色豊かな街として知られる。こうした地域資源をさらに活用し、国際理解教育の更なる拡充を要望する。例えば、まちの中に暮らす外国人(大使館の職員や外交官含む)のご家庭にホームステイをすれば、地域の多文化共生社会作りにも繋がっていくと考えます。こうした取り組みを行う先進企業や国際交流協会などとも連携し、取り組みを拡充させていくことを要望します。


区立幼稚園の定員割れ問題について

公教育として担うべき役割を踏まえ、支援を必要とする幼児や家庭に対して、専門性ある教職員の配置や特色を活かした教育の更なる推進を要望する。加えて、子育てサポート保育(預かり保育)の時間延長や園児への昼食用の弁当宅配など、現在区が取り組む区立幼稚園の魅力向上策の実施に伴う職員の負担増に対して、適切な勤務体制が確保されるよう支援すること。


民間所有の近現代建築の保存活用への助言・相談体制の強化を

現在、六本木駅近くの民間建築の保存の取り組みが行われており、区内では貴重かつモデル的な文化財保護の取り組みになると期待されている。しかしながら、企業等だけの検討体制ではなかなか進まない実態もあるため、民間所有の近現代建築の保存活用について、助言や相談体制の強化を要望する。


埋蔵文化財調査で発見される防空壕など戦跡の保護の拡充を

区内全域で再開発が活発な港区において、今後、防空壕などの戦争遺跡が失われることが予想されるため、戦跡に対する保護の充実を求める。また、公園などの区有地に残される戦跡については積極的な調査の実施を求める。


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